Last Stage③


メープルに着き、あたしは花沢類の一歩後ろを歩き、ロビーを通る
花沢類に周りがざわついたけど、どこから見ても秘書と一緒としか見られず、誰一人疑う人はいない
そのまま最上階のスウィートへ

「うわぁ~すっごく美味しそう♪」
「ククッ、牧野まずはそのメガネ外して」

エッ!?
あ~今は変装しなくてもいいもんね
メガネを外すと花沢類があたしの顔を見る

ななな、なに///

「その化粧も落として…牧野に似合わない」
「あ…うん///」
「それから洋服も用意してあるから着替えてね。いつもの牧野がいい」

い、いつものって///

花沢類に言われるがまま化粧を落として、花沢類が用意してくれた洋服に着替えた

「牧野、すっごく可愛い」

天使の微笑みで言われ、抱き締められて、キスをしてくれた

ホントあたしってすっごく幸せ///

「じゃ~食べよ」
「うん♪」

ん~
ホント美味しい~♪
そういえば…
き、聞いてみようかな

「ねぇ~花沢類…」
「ん、なに?」
「あ、あのさ、さっきのお嬢様なんだけど…今日、テレビでも騒がれてた…」
「クククッ、心配?車の中で牧野、ムッとしてたもんね」

なっ
気がついていたんなら少しは…

「牧野可愛い、ヤキモチ妬いてくれてるの?」

ななな///
そ、そんなヤキモチって…

「た、ただちょっと気になっただけだよ///」
「ふ~ん、つまんないの」

つまんないって…
あたしはホントすっごく気になるのに…

「あ、あのさ、いつも騒がれている人達と何かちょっと扱いが違うよね?」
「いつも俺ばっかりヤキモチ妬かされてるし、悔しいから教えてあげない」

なんで花沢類がヤキモチ!?
教えないって…
何かあるの?

「は、花沢類がヤキモチ妬く事なんて…あ、あたし何もしてないよ」
「ふ~ん、撮影が終わる度に相手役と噂になってるのに?」

あれは勝手にマスコミが…

「何もないって花沢類が一番知ってるでしょ?だってあ、あたしには花沢類がいるんだから///」

あ~
恥ずかしい///

「ククッ、今の牧野の顔、可愛いから教えるけど、心配しなくていいからね」

食事を終えて、ソファーに移動してから

マスコミが言うように、相手の方では花沢類と婚約させようとしているらしくてなかなかプロジェクトの調印をしてくれないらしい
でも会社にとって大事な相手だから、無下にも出来ずにいる
調印が終わるまでだから

って花沢類が説明してくれた

「牧野は何も心配しなくていいからね」
「うん、大丈夫!花沢類を信じてるから」

そう言うと、花沢類は微笑んでキスをする
何度も角度をかえ深く…
あたしの舌を絡めるように口内をまさぐる

「う…うん…」

また更に激しく花沢類の舌が動く…

ピンポン!
ドンドンドン

ピンポン!
ピンポン!

「折角いいトコだったのにホント司、邪魔」

いいトコって///

ガチャ

「類、開けるの遅せ~ぞ!わざわざ俺様が来てやってるんだから早くしろ」
「別に来てなんて言ってないし」
「ふん、ったく類は…おう!牧野、久しぶりだなってお前何で真っ赤なんだ!?」

ちょ、ちょっと
花沢類、笑わなくても…

「な、なんか今日は暑くて…ハハハッ。ど、道明寺、ひ、久しぶりだね」
「そうか!?そんな暑くねぇ~けど、お前熱でもあるんじゃね?」

道明寺があたしのオデコに手をあてた

「司、牧野に触らないでくれない?」

花沢類、睨まなくても…

「ふん!牧野が自分のものになったからって、ちょっと位いいだろ」
「ダメ、牧野は俺のものだから。司は特にダメ」
「俺様は特にって…類!」

つ~か二人とも
あたしは物じゃないっつ~の!

バシッ!
バシッ!

「いい加減にして!ほら二人とも座って」
「ったく、相変わらず凶暴だな、ケリいれる事ないだろ」
「ククッ、普通彼氏にケリはいれないんじゃない?」

ふ、二人が悪いんでしょうが///

「の、飲み物持ってくるね///」
「なぁ~牧野、お前後半年で芸能界辞めんだよな?その後は悔しいけど類と結婚するのか?」
「け、結婚って///」
「あれ、牧野してくれないの?」

いや…
しないワケでは…

「まだ花沢物産の仕事もしてないし、辞めてすぐはムリかな///」
「ふ~ん」

あっ、もう花沢類ったら、不機嫌にならないでよ

「まぁ~俺はどっちでもいいけどよ」
「なに司、喜んでるの」
「そ、そんな事ねぇ~よ。それより牧野、お前辞めるまでの半年間、うちのブライダル部門と契約交わしたからヨロシクな」

はい?

「き、聞いてないよ」
「そりゃ~今日の午前中に交わしたんだから知らないだろ」

ハッ!
花沢類…
うわぁ~
MAXだね…その不機嫌顔

「俺のトコだって牧野の出てるドラマとかのスポンサーしかやってないのに、ズルくない?」

そりゃ~
バレちゃ困るから…

「最後なんだし別にいいだろ、おっと、もう行かないと、じゃ~な」

つ~か
こんなに花沢類を不機嫌にさせて
あんた何逃げてんのよ!

「あっと、類、話があんだけどいいか?悪い牧野、類ちょっと借りるぞ」

ヘッ!?

そう言うと二人で隣の部屋に行ってしまった
まぁ~別にいいけど
お願いだからそれ以上、不機嫌にさせないでよね

それから数分してから出てきて…
ななな…
どうしちゃったの???
花沢類、すこぶるご機嫌なんだけど!?
まさか道明寺が花沢類の機嫌をなおしちゃうなんて…

「じゃ~またな、仕事頑張れよ」