Uneasiness⑬-2


プライベートジェットで帰ってくればいいものの、今回は就任のPRを兼ねて民間機を利用するもんだから
またしても、すっごいマスコミの数…

でもかなりざわついたけど、花沢類とあたしにカメラが向く事はない
おそらく未だに、道明寺がマスコミを抑えているからだと思う

「何も言われずに堂々と歩けて結構いいかも。ククッ、司に感謝しなきゃね」

何もしてこないマスコミをもて遊ぶかのように、あたしにの頬にキスをして、手を繋いで歩き出した花沢類
日頃こうやって一緒に歩かないから、な、何だか恥ずかしい///

「おいおい、お前ら、堂々と手なんか繋いで大丈夫なのか?まぁ~ラブラブでいいけどよ」」

み、美作さん///

「別にいいでしょ、隠す事もないし」
「道明寺さんが見たら吠えそうですけどね」

そ、そうだよね
空港なんかで暴れられちゃったら、大変だよ

「は、花沢類、普通にしてようよ、ね?」
「ヤダ。出てきた途端に司、牧野に抱きつきそうだから」

なっ、そんな事、あるワケないでしょうが!

「あ~司の事だから、やりかねねぇ~な」

に、西門さんまで…

「滋さんが一緒だから、そうはさせないと思いますけど、先輩は念の為に、花沢さんの後ろにでも隠れていた方がいいんじゃないですか」

な、何でそこまで…マスコミも大勢いるし
道明寺だって、その辺はわきまえてるでしょ

「牧野、ホント解ってねぇ~な」

な、何がよ

「いいか、類との事はマスコミを抑えて世間にはないものになっているトコで、日本に帰国する司を迎えに来た彼女って事で大々的に流してみろ、どうなるか想像出来んだろ」

想像って…事実とは違うんだし、そりゃ~間違った報道をされるのは嫌だけど
別に平気なんじゃ…

「まったく…ホント牧野は。報道された後、類と結婚でもしてみろ、お前の評判がた落ちだぞ。そんな事、牧野を大切にしてる類がさせるワケいかないだろ」
「あたしは別になんて言われようが全然平気だよ」
「花沢さんから別れるようにする為の道明寺さんの策略ですよ、先輩」


コンコン

「道明寺財閥社長がお見えです」
「どうぞ」

わざわざ帰国してすぐ、今回は何を言いに来たのか

「ご無沙汰しております、花沢社長」
「この度は司君の就任、おめでとうございます。司君も随分と立派になって」
「私から見たらまだまだですけれど。ところで今回参りましたのは司が抑えてているマスコミを解禁しようと思いまして」
「それはどういう事かな、まさかつくしさんを諦めるとでも」
「フフッ、諦めた訳じゃないですけれど、それは司次第って事かしら」

大河原財閥のお嬢さんが司君の秘書になったらしから、どちらに転んでも道明寺財閥にとっては、という事か

「どちらにしろ、類とつくしさんが婚約している事実は変わらない」
「そうですわね。でも婚約ならいくらでも解消出来ますから。司の日本到着を合図に解禁致しますので。それでは私はこれで」
「前田、類とつくしさんが空港に行っているはずだ。すぐに連絡を取れ」
「はい、畏まりました」

十分気をつけているとは思うが、わざわざ知らせに来るという事は何かあるはずだ
解禁となると、マスコミもまた二人を追いかけ廻すだろう
類はもちろんだが、つくしさんのガードももっときちんとしなくては


ふ~ん
やっぱりそういう事か

「花沢類、どうしたの?誰から電話?」
「父さんの秘書から。司が到着と同時に道明寺財閥が抑えてたマスコミを解禁するって」

エッ!?

「類、にらんだ通りだったな」
「クククッ、そうだね」
「道明寺さんの事もそうですけど、解禁となると先輩にマスコミが押し寄せてきそうですから気をつけないと」

ゲッ!
ど、どうしよう…

「類、俺んとこのSPも牧野に付くようにすっから、司が到着して挨拶したらすぐ車に行け」
「ありがと、あきら」