幼稚舎入園②


今日は陸・月の英徳幼稚舎の入園式

英徳幼稚舎の制服を着た月の手を引き、天使の微笑みを月に向け、園に入っていく類
そしてあたしは陸の手を引き、入っていくと

「「「よぉ!」」」

道明寺
西門さん
美作さんが…

その後ろには
滋さんに手を引かれた翔君
優紀のトコの総太君
桜子のトコのつばさ君

『キャ~!!!』

周りからすっごい悲鳴が…

『F4とF4ジュニアよ!』

ものすごく注目を浴びているんですけど…
その声にまったく動ぜず、翔君、総太君、つばさ君が月に駆け寄り、誰が月と手を繋ぐか揉めている
それを陸が欠伸をしながら見ていた
チラッと類を見ると

ゲゲッ!

さっきとはまるで別人…
超不機嫌モード

はぁ~
お願いだからそんな怖い目で子供達を睨まないで
ただ手を繋ぐだけだからね
これからお遊戯とかで沢山繋ぐんだから
類はあの時以来、ホント今まで以上に敏感に…


3月初旬

いつものように、T4&F4ジュニアが花沢邸に勢揃いしていた
T4はお菓子を食べながらペチャクチャしゃべり
F4ジュニアは月のお姫様ごっこに付き合わされ…
陸は一人ソファーでうたた寝
いつもと変わらい光景
でもその日は運が悪いと言うか、間が悪いと言うか…

お姫様ごっこで、お姫様役の月に、王子様役の総太君とつばさ君が月の両頬にキスをしているその瞬間

類がリビングに入って来た…

多分それだけでも、類にとっては十分ショックだったと思う
でもまた更に追い討ちをかけるように
王子様役の翔君が、月の唇にキスを…

類は無言のまま月を抱き上げ、部屋に連れて行ってしまった

恐る恐る部屋に行くと、すっごく怖い顔で

「いつもしてるの?」
「そ、そんな事は…ない」

類がどこかに掛けようと携帯を取り出した

「類、どこに掛けるの?」
「永林幼稚舎」
「な、なんで!?」
「月を野獣達と同じ幼稚舎になんか入れられない」

野獣達って…
まだ子供でしょ

「ちょっと待ったぁ~!月だけ違うって可哀想じゃない」

あたしの話を聞いて月が

「パパ、るな違う幼稚舎に行くの?」
「そうだよ」
「るな、りく君と同じがいい」

上目遣いでパパを見上げた
類の顔がほころぶ

「じゃ~陸と月、2人で違う幼稚舎にしようね」
「るな…かける君達とも一緒がいい」

ウルウルした目でもう一度パパを上目遣いで見上げる

月にその顔されるとイチコロよねぇ~類!
はぁ~取り敢えず今回はこれでよし!

「つくし、なに勝ち誇った顔してるの、なんかムカつく」
「そ、そんな事ないよ!月もみんなと一緒がいいって言ってるし、英徳でいいよね?」

あたしも月に便乗して上目遣いで類を見た
類はあたしの頭をクシャっとして

「つくし、後でお仕置きね」

ゲゲッ!
な、なんでそうなるかな

「月、パパとお約束してくれたらみんなと同じ幼稚舎にするよ」
「パパ、なんのお約束?」
「翔達とキスしない事」
「ほっぺにも?」
「もちろん」
「うん!解った、約束する!パパありがと♪」

月がパパのほっぺにキスをした
これでなんとか危機を脱したって感じ
でもこんなんで、ホントこの先、大丈夫かぁ~
もう少し月に対して寛大になってくれたらいいのにな…



~Riku~

ふぁ~眠い…
いつもいつも、みんなよく飽きないね、月の争奪戦…
うちのパパ、すごく怖い顔で見てるよ
気がついてる?
でもさ、結局は…

「陸!パパ怖いから、陸が月と手を繋いでくれる?」
「うん、解ったママ」
「月!一緒にいこ」
「うん♪」

ホッとしたママの顔
翔達は…
ククッ、残念だったね

「なんか類君とつくし見てるみたいだよねぇ~」

滋おばさんがいつもの口癖を言う
それを聞く度に、パパは微笑みながらママの頬にキスをする
そうするとママは、いつも真っ赤になっちゃうんだよね
誰から見てもうちのパパとママは、とっても仲がいい

そんなパパとママをニコニコ顔で見ている月はママにそっくり
黒いサラサラな髪
黒いまん丸の目
でも性格はママより素直かな

俺はパパそっくり
よくママに『そのビー玉の目に弱いのよね…』って、赤い顔をしながら言われる

総おじさん達からは『三年寝太郎はさすが類の子だな』って…
別にいいじゃん、眠いんだから

そういう総おじさんとこの総太は、女の子にすっごく優しいトコ、そっくりでしょ

あきらおじさんのトコのつばさは、なぜかお母さん達に人気がある

司おじさんのトコの翔は…
クククッ
司おじさんそっくり
顔も髪の毛も
ククッ
俺様なとこが一番似てる

「りく君、なんで笑ってるの?早くいこ!」
「うん」

俺は月と手を繋ぎ、パパ、ママと一緒に園に入って行った