Uneasiness⑪-6


ピピピピッ!
ピピピピッ!

『誰?』
『なんだよ、まだ寝てたのか、類』

あきらか・・・

『ふわぁ~、どうしたの?』
『もしかしてまだ牧野も寝てるのか?』
『うん』
『おいおい、今何時だと思ってんだ。もうすぐ昼だぞ』

ふ~ん
もうそんな時間なんだ

『色々あって疲れてたんだから別にいいでしょ』
『フフッ、色々とね…』
『なに、あきら?用がないなら切るよ』
『ちょっと待てって。司なんだけどよ、一応心配で今朝、司の病院に行ってみたら、すでに退院しててよ、邸に行ったらもうNYに戻ったって』

司、帰っちゃったんだ
まさか諦めて…なんてある訳ないか

『初めから今日帰る予定だったからでしょ。記憶が戻っただけだから入院しなくてもいいし』
『何か予想外だよな』

まぁ~ね
牧野にも会わずにNYに帰るとは、俺も思ってなかったけど

『次に司が帰って来るまでは少しは安心かな』
『ま~な、でも油断するなよ、類』
『うん、ありがと、あきら』

相変わらずあきらって優しいよね
ククッ

「花沢類…おはよ。今、誰かと話してなかった?」
「おはよ、牧野。あきらから電話」
「朝から美作さん、何の用事だったの?」
「牧野、もうお昼だけど」
「エッ!?ヤダ…早く起きないと!」

クククッ
そんなに慌てなくても、今日は特に用事はないし、俺はこのままこうしててもいいんだけど

「何のんびりしてるの、花沢類!早くシャワー浴びて来て。あたしも部屋に戻って用意してくるから」

牧野、その前に…

「牧野」

チュッ!

「ななな///」
「クククッ、おはようのキスがまだだったでしょ。じゃ~シャワー浴びてくるね」


ねぇ~あきら
さっき電話で話したばかりだよね?
それでみんな、なんでここにいるの…

「類君の邸のシェフさんもお料理美味しいよねぇ~」
「滋さん、よくそんなに食べれますよね。私は食べた分だけ太るから羨ましいですよ」
「ホント、滋さん細いのに一体どこに入っちゃうだろうね、ハハハッ!あれ?花沢類、食べないの?」

食べるけどさ
俺、明日から仕事で、今日一日しか休みがないんだけど

「おい、類。なにムッとしてんだよ」

あきら、普通ムッとするでしょ
牧野とのんびりしようと思ってたのに

「牧野と二人きりでいたいからムッとしてんじゃね?」
「総二郎、うるさい。牧野、牧野がいれた紅茶が飲みたい」
「あっ、うん。ちょっと待っててね!」
「つくし、私もやる!桜子もおいでよ」

そういえば、さっきから気になってたんだけど

「ねぇ~あきら、新聞でもテレビでも騒がれてないけど、何か知ってる?」
「あ?そういや~騒がれてないよな」

今まであれだけマスコミが騒ぎたててたのに、婚約に関して全く報道しないなんて、あり得ないよね

「花沢物産で抑えたワケじゃねぇ~よな?」

花沢物産が抑える理由は全くないって事は…

「司…道明寺財閥が動いたのかも」
「マジかよ、婚約まで白紙にするつもりか?」

別に報道されなくても、もう牧野は婚約者だし

「司には白紙にしろとは言われたけどね」
「なっ、類、それ受けたのかよ、それで司がマスコミを抑えたのか?」

何言ってるの、あきら

「俺がそんなの受けるワケないでしょ。とりあえず父さんも気がついて調べてるはずだから、後で聞いてみる」