あれから何度か日本に帰国したが
ちくしょ~
牧野に会おうとすると、類のヤツが現れたり
類がいない時は、三条が牧野の周りをウロウロしてやがる
滋も冗談だと思ってたが、あれからすぐババァに相談したらしく
「大河原さんもいい勉強になるでしょう」
その一言で、俺様の秘書になった
うるせ~時もあるが正直、結構仕事が出来る
ただ牧野の事になると、必要以上に敏感に動く気がする
日本に行った時も、何だかんだ言っては、俺に暇を作らせないように、次から次へと仕事を持ってきやがって
あいつら意図的に、牧野に会えないように、仕向けてるとしか思えねぇ~
元はと言えば、牧野は俺様のもんだったのに
何でだ?
まぁ~いい
もうすぐ日本に帰国だからな
いつでも牧野に会うチャンスはある
「滋!牧野に連絡して、空港に迎えに来るように伝えろ」
「大丈夫だよ、もうみんなには伝えてあるから」
「何で他のヤツにも言ってんだよ!俺様は牧野だけ来ればいいんだよ」
「もう、なに言ってんのよ。道明寺財閥日本支社長が特定の女性といたら、大騒ぎになっちゃうでしょ」
まったく
それが狙いだったのに
滋のヤツ、変なトコだけ頭が回りやがって
「ふん、お前はホント優秀な秘書だな」
「お誉め頂き光栄でございます!ちなみに就任パーティーのパートナーは私が致しますのでご了承下さい」
はぁ~?
何だと!
「んなの聞いてねぇ~ぞ、勝手に決めんな!」
「社長命令でございます」
ちくしょ~
ババァのヤツ
「滋、お前も特定の女の内に入るんじゃねぇ~のかよ」
「フフッ、私はつかさの秘書だから全然平気なんだよね。秘書をパートナーにするなんて一番無難でしょ」
チッ!
仕方ねぇ~な
「解ったよ、今回は我慢してやる」
とうとう道明寺が帰国する…
今までは日本には、数日間しかいなかったから平気だったけど
何だか不安…
「牧野、どうしたの?クククッ、珍しく真剣な顔したゃってさ」
もう花沢類ったら
あたしだって、たまには真面目に考え事する時くらいあるわよ!
「道明寺が帰国するから大丈夫かなって考えてただけだよ」
ククッ
それは牧野次第でしょ
会う度に切なそうに司を見て、流されそうになるんだから
「いつもとあまり変わらないんじゃない?帰国したって司、すっごく忙しいだろうし」
「そうだよね、道明寺財閥日本支社長だもんね。そう簡単にはプライベートの時間なんて取れそうにないよね」
ん~でもどうだろ
司の事だから、無理にでも牧野に会いに来そうな気がするけど
大河原の話じゃ、牧野にだけ空港に迎えに来いって、言ってたらしいし
「とりあえず今日と明日は会うからね」
そうなんだよね
帰国するから必ず迎えに来いなんて、偉そうに言っちゃってさ
あたしと桜子は学生だからいいけど、花沢類とかは仕事してるのに、ホント俺様なんだから
「明日の事は、道明寺より、パーティーの方がすっごく心配なんだけど…」
「心配?」
「うん。パーティーって少ししか出た事ないから、いつも緊張しちゃって…花沢類に迷惑がかからないようにしなきゃいけないし」
ホント牧野って、自分の事になると解ってないんだから
お飾りのご令嬢なんかより、ずっと会話は上手だし、礼儀もきちんとしてるよ
「いつもの牧野で大丈夫だよ」
ホントかな?
いつもいっぱいいっぱいで、支離滅裂なんだけど…
「牧野、着いたよ。もう中で総二郎達、待ってると思うから」
「うん」