~Rui&Tsukushi~
しばらく抱き締めていると、大分落ち着いてきた牧野が顔を上げ聞いてきた
「花沢類はどうしてあたしがここにいるって解ったの?」
「ククククッ、牧野変な顔」
「エッ?ヤダ!どうしよう」
俺はベッドサイドにあるテーブルに手を延ばし
「これを見て」
と赤いチューリップの押し花をしおりにした『大切な物』を見せた
牧野が真っ赤な顔をする
「何で突然いなくなったの?」
「あ・・・うん・・・え~と・・・」
「彼氏の親友を好きになっちゃったとか?」
「エッ!?」
「司との事、みんなが応援してくれているのに、裏切っちゃってるぅ~とか?」
「!?」
「司が俺に何かするんじゃないかとか?」
「…」
「あんたってホント解りやすい」
「ご、ごめんなさい…」
「司に会いに行こう」
「エッ?それはちょっと…」
「大丈夫だから」
「でも…」
「フフッ!あんたホント何にも解ってないね」
顔を傾げ???な表情の牧野がもの凄く可愛くて、思わずキスをする
「うわぁ!は、花沢類!!な、なにするの!!!」
「可愛い」
「もう!!」
バシッ!バシッ!叩く牧野を抱き締めて話を続けた
「今までまったく居場所が解らなかったあんたをあきらが見つけた理由解かる?」
「う~ん…どうしてだろう?」
「おそらく今朝、ケインズ会長があんたの情報を一部解除したんじゃないかな」
「お父様が・・・」
「司もあんたの事知ってたみたいだしね」
「エッ?」
「調印の時、秘書からメモを渡されてたから」
「道明寺も・・・」
「でも心配ない」
「な、何で?」
「だってそうでなきゃ、今頃あんたに会いに駆けつけてるでしょ」
「そ、そうかな」
「うん。大丈夫だから明日、司に会いに行こう」
あれから牧野はホッとしたのか、抱き締めている腕の中で寝てしまった
「ククッ、相変わらず」
そっと起さないように牧野をベッドに寝かせ、俺は電話をかけた
「類、何だ?」
「明日時間ある?」
「あ~午後だったら何とかなる」
「じゃ~牧野連れて行くから」
「牧野…元気だったか?」
「やっぱり・・・」
「あ?」
「知ってたんだね」
「あぁ」
「司・・・ありがとう」
「気持ち悪りぃ~な!俺様は忙しいんだ、切るぞ!」
「ククッ、じゃ~明日」
「あぁ」
道明寺邸に向かう車の中、牧野は緊張して顔が強張り、真っ青になっている
話しかけても上の空
「牧野」
「う・・・ん」
「牧野ってば」
「・・・う・・・ん」
チュ!
「・・・ヘッ?な、なに///」
「クククッ、緊張しすぎ」
「だ、だって・・・」
顔を赤くして引きつった表情の牧野にもう一度キスをする
「は、花沢類!もうやめてってばぁ~」
「フフッ、ほら着いたよ、行こう」
花沢類が車を降り、あたしに手を差し延べる
そのまま手を繋ぎ、道明寺邸入った
超スーパー豪華なリビングに通されると
「牧野・・・」
道明寺にいきなり抱き締められた
「司、やめてくれる」
花沢類が超不機嫌な顔をしてあたしを奪い返す
「ケチケチ言うな!」
とあたしの腕を引こうとする
譲らない花沢類…
「って言うかあたしは物じゃないっつうの!!!」
なんとか落ち着き、ソファーに座った
「道明寺・・・あたしね」
「見りゃ~解かる」
「ホントに…ホントにごめんね・・・」
「あ~いいからもう泣くな!」
「うん、でも・・・」
「お前に泣かれると、どうしたらいいか解かんなくなるじゃねぇか!」
「司、渡さないよ」
「うるせ~!!解かってるよ、そんな事…」
「道明寺、ごめんね。あと…ありがとう」
「お前、泣くか笑うかどっちかにしろ!今の顔、ブサイクだぞ!」
「う、うるさい!!」
「俺はそんな牧野も大好きだよ」
チュッ!
「類!てめぇ~」
「何、司?」
「ふん!まだ諦めた訳じゃねぇ~からな!」
「往生際が悪いね」
「類の方こそ油断はきんぶつだ!!!」
「道明寺…相変わらずなんだね・・・」
「な、なんだよ!」
「クククッ、司『油断は禁物(きんもつ)』でしょ」
「う、うるせ~!」
ドタドタドタ…
バタバタバタ…
バン!
「つくし~!!!」
「ウゲッ!し、滋さん…く、苦しい」
「滋さん、牧野先輩死んじゃいますよ」
「はぁ~はぁ~桜子…」
「「 よぉ! 」」
「西門さん、美作さん」
「つくし…会いたかった」
「優紀…」
その後…
「かんぱ~い!!!」
滋さんの音頭で大宴会
T4でペチャペチャ盛り上がっていると、西門さんが突然
「牧野!昨日は『鉄のパンツ』脱いだのか?」
「な、なにいきなり///」
ボッ///
「はぁ~その様子じゃまだだな」
「類も大変だな」
「フフッ、そうかも」
「んな話してんじゃねぇ~よ」
「まぁ~まぁ~司君!」
「でもよぉ~ちょっと心配してたんだぜ」
「あ?何が」
「類がボコボコにされているんじゃないかって」
「ふん!俺様は心が広いんだ!」
「司が成長してくれて…」
「「お兄さんは嬉しい」」
「俺に兄はいねぇ~!!」
「「「ハハハッ!」」」
笑ったり、泣いたり、怒ったり…
ホント今日は目まぐるしい一日だった
でも本当にみんなには感謝しているよ
あたしの自分勝手な行動でみんなに心配かけてごめんね…
そして
そんなあたしに変らす接してくれてありがとう…
道明寺…・
あたしの我侭で…
本当にごめんね
花沢類・・・大好きだよ
~完~