無事?に会場の中に入ると
うわぁ~
まだ時間じゃないのにすっごく人が沢山…
「なぁ~類、舞台の方に行かなくてもいいのか?」
「うん、俺はただの専務だからね。挨拶回りはしなきゃいけないけど」
挨拶回りかぁ~
花沢類の足を引っ張らないようにしなきゃ
「先輩はただ微笑んで相槌うってればいいんですから、大丈夫ですよ」
「う、うん」
でもさ、その微笑んでっていうのがなかなか…
顔が引きつりそう
「じゃ~アレはいつすんだ?」
ヘッ?
アレってなに!?
他に何かするんだっけ?
「先輩ホント大丈夫ですか?今日の先輩達の最大イベントの事ですよ」
あっ…
ヤダ、挨拶回りの事で、いっぱいいっぱいになってて忘れてた
「ハハハッ…それの事ね」
「まったくよ、まぁ~牧野らしいけどな。んで類、どのあたりでやんだ?」
「色々落ち着いて来た頃だから、中盤くらいかな」
「それくらいなら司も来てるかもな」
そっか、道明寺も来るんだよね
年末のパーティーの時、会えなくって
それからもすっごく忙しいみたいで、日本にいなかったから久しぶりかな
「そういや~今日の事、司知ってんのか?」
「言ってないけど」
「あいつ、暴れたりしねぇ~よな」
まさか、そんな事はないでしょ
「ククッ、司の事だから解らないよ」
花沢類まで…あんた達、友達だよね!?
フフッ、でも暴れたら猛獣だけどさ
「まぁ~俺らが何とかすっから心配すんな」
「ありがと、じゃ~パーティー始まったし、オジサン達の相手してくる。牧野、行こ」
もうこの人は何十人目ってくらい、次から次へと挨拶しっぱなし
でもお陰で最初は緊張してたけど、結構余裕が出来て顔も引きつらなくなったかな
「牧野、疲れたでしょ。飲み物持って来るから、待ってて。あそこに三条達がいるから」
あっ、ホントだ
桜子達、挨拶回り終ったのかな
「うん、桜子のトコに行ってるね」
「あっ、君、お名前は?」
はぁ~
たかが数メートルなのに、なんでつかまっちゃうかな…
「牧野と申します」
「牧野さんか、君キレイだよね」
はぁ~?
何言ってんのよ、この人
「あ、ありがとうございます…あの、友人が一緒ですので失礼致します」
「ちょっと待って」
な、なに!?
この人、人の腕掴んで…
「いや~もし良かったら、僕と…」
「おい!お前、なに牧野に手出してんだよ!」
ヘッ?
あっ、ど、道明寺…
「す、すみません…道明寺様のお連れだとは…し、失礼致します」
あれ、逃げちゃったよ
でも、フフッ
それもそうだよね
道明寺が青筋たてて睨んでるんじゃ、誰だって逃げるよ
「道明寺、ありがと」
ん?
どうしたの!?
「道明寺?」
「いや、まぁ~お前、めちゃくちゃキレイだな///」
なっ、ボッ///
「ななな、何よ、いきなり変な事言わないでくれる?」
「べ、別に変な事じゃ~ねぇ~だろ」
ま、まぁ~
そりゃ~そうだけど…
「よぉ、司!あれ、牧野も…何で一緒にいんだ。類はどうした?」
「飲み物取りに行ってる。そこで変な人に声かけられちゃって、道明寺に助けてもらったの」
「まぁ~今日先輩、悔しいですけど、すっごくキレイだから仕方ないですよね。でも気をつけないと」
「う、うん」
でもさ、桜子
あんたの方がずっとキレイだと思うよ