Uneasiness⑬-4


チッ!
類のヤツ、俺様を睨みつけやがって

「仕方ねぇ~よな、司。俺らが一緒にいるからいいだろ」
「うるせ~!お前らも帰れ。滋、会社に行くぞ」
「あっ、おい、司!」
「みんな、ごめんね。つかさったら、作戦が裏目に出てイライラしちゃったみたい」
「気にすんな。大河原もナイスだったぜ」
「フフッ、ありがとう!じゃ~うるさいから行くね」
「滋さん、これから花沢邸に行ってるんで、時間が空いたら来てくださいね」
「うん!」
「じゃ~俺らも行くか」


まったく
ホント上手くいかねぇ~
結局は類と牧野の仲をマスコミに見せつけただけじゃねぇか

ちくしょ~
マスコミを解禁すんじゃなかったぜ
類に言われた通り、牧野にあんなマスコミが押し寄せて来やがって
考えが軽率だった…

「つかさ、どうしたの?さっきから眉間にこんなシワ寄せて黙っちゃってさ」
「ふん、お前もさっきはよくも邪魔してくれたな」
「エッ!?何の事?」

しらばっくれやがって
絶対わざとしか思えねぇ

「俺様より先に牧野に抱きついたじゃねぇか!」
「あ~その事か。そんなのいつもの事だけど?つくしに会う度に抱擁してるのはつかさも知ってるでしょ」
「チッ、タイミングが悪りぃ~んだよ」
「でもさ、あそこでつかさがつくしに抱きついたら、それこそ大騒ぎになって、つくしが危険な状況になってたでしょ」

よく考えで見れば、そうかも知れねぇ~
類のように、牧野を一番に考えれば、解りきった事だったな

「つかさはさ、自分を中心に考えるから…もっと周りを見た方がいいと思うよ。でもそんな俺様のとこがカッコよくて滋ちゃん、大好きだけどね」

俺様が類に敵わないのは、そういうとこなのか…

「ねぇ~つかさ、一旦会社に行ってどうするの?一応、今日はスケジュールいれてないんだけど」
「とりあえず顔出したら邸に帰る」
「じゃ~私、類君ん家に行って来てもいい?」

あぁ?
なんで類ん家に行くんだ

「ふん、勝手にしろ」
「なんなら、つかさも来る?みんな集まってるみたいだし、邸に戻るだけだったらさ」
「仕方ねぇな、俺様も行ってやる」

さっきはろくに牧野と話せなかったからな
類ん家っていうのが気にいらねぇ~が、牧野と会えるんだったら我慢するか


「今、滋さんからメールが来たんですけど、道明寺さんも来るみたいですよ」

道明寺が?

「クククッ、さっきは牧野と少ししか会えなかったからね」
「敵陣に乗り込んでも会いたいなんて、司そうとう牧野に惚れてんだな」
「なっ///そ、そんなんじゃないわよ!久しぶりにみんなに会いたかっただけでしょうが」
「まったく牧野は…お前だけそう思ってろ」

西門さん、そんな呆れた顔しなくたっていいじゃない…

「今度こそリベンジで牧野に抱きついてくるかもね」

な、なに言ってるのよ、花沢類

「きっと大丈夫ですよ。また滋さんが先に飛び付いてきますから」
「そうだな、ハハハッ!」
「空港で司のヤツ、呆気にとられてたもんな」
「先輩、かなり苦しいかもしれないですが、我慢して下さいね!」

あの…なんかさ
みんなして、またあたしで楽しんでない?

「牧野、大河原なら我慢するけど、司はダメだからね」
「まったく、もう!花沢類までそんな事言わないでよ」

ホントみんなで、あたしをからかって…