あたしがNYに来て得たもの
それは学歴と仮面…
「牧野、明日から東京だな。フッ、新たなショーの始まりだ」
「道明寺東京支社長、明日はご希望通り民間機をご用意致しましたが、身辺には十分お気をつけ下さい」
「気をつけるのは牧野、お前だ。その仮面、絶対に剥がすんじゃねぇ~ぞ!」
「はい…畏まりました」
~成田空港~
『おっ!お着きになられたみたいだぜ、道明寺東京支社長、道明寺司』
『やっぱり噂は本当なのか、婚約者の大河原財閥令嬢がいながら秘書ともデキテルってさ』
『NYじゃ、知らないヤツはいないって言うが、誰も会った事はなくて公の場に今回、初めて現れるだよな』
確かに、この煩いマスコミ連中の言う通り、司と秘書の噂は聞いてる
気になって秘書の事を調べても、まったく誰なのか解らなかった
でも絶対にその秘書は、牧野に違いない…
「まったく司は…マスコミがウジャウジャいるって解ってるのに民間機で来なくってもいいんじゃね?」
「俺らもいい迷惑だよな」
それはきっと…見せびらかしたかったんだよね、司
牧野が司を選んだって事
バシャッ!
バシャッ!
「やっぱ、すげぇ………って…類…」
「なっ…アレ…は…」
司の一歩後ろを洗練されて美しくなった牧野つくしが歩いている
~五年前~
司は英徳を卒業してすぐ、NYに旅立った
きっと牧野も司と一緒に…って諦めてたけど
「ま~きの」
「花沢類!フフッ、またお昼寝に来たの?」
「うん、牧野肩かして」
非常階段
司がNYに行った後も、俺と牧野はかわらず、こうしてにここに来る
いつも特に何かするわけじゃないけど、牧野といるこの時間はすごく落ち着く
でもどうして牧野はあの時、司についていかなかったんだろう
あの司のかあちゃんもやっと認めてくれたのに…
まぁ~俺としては、牧野といられて嬉しいからいいけどね
「ねぇ~牧野。司から連絡あった?」
ビクッって…
「な、ないよ…き、きっと道明寺、忙しくってそれ所じゃないんだよ!ほ、ほら道明寺ってさ、バカだから勉強と仕事、両立するのって大変なんじゃない?」
牧野、なんで動揺してんの?
いつも司の事聞くと変だよね
「寂しくないの、牧野」
今度はため息ね
「大丈夫だよ、花沢類。あたしも色々忙しいしさ、道明寺の事、あまり考えてる暇ないし…それだし…」
「ククッ、俺がいつも傍にいるから寂しくないとか」
「なっ///も、もう、花沢類ったら!顔、ち、近いって///」
ククッ
ほんと牧野って可愛い
チュッ!
「ワァッ///ななな、なにしてるの花沢類!」
「牧野が可愛いから。別にいいでしょ、オデコにキスくらい」
「も、もう///あっ、あたし授業行くね。花沢類もたまにはちゃんと講義出なさいよ!」
ククッ
そんな慌てて行かなくても…
「あきら、ミルクティー飲みたい」
「おっ!類、今日は随分早いんじゃね?もう牧野との時間は終了ってか」
ククッ
もっと一緒にいたかったんだけど、オデコにキスしたら逃げちゃったんだもん
「うん、でも後でバイトの帰り送りに行くけど」
「しっかし、ホントお前らの関係ってよく解んねぇ~な」
「何が」
「知らないヤツから見たら類と牧野が付き合ってるように見えるぜ」
そう?
ホントにそうなら嬉しんだけどね、現実は違うから
「そんな事より司と連絡取れた?」
「まったく…司の姉ちゃんにも連絡したんだけど、姉ちゃんも全然会えない状態らしい」
連絡がなくなって、半年か…
電話してもメールしても返事ないし
司、何やってんの
このまま牧野、放っておくつもり?
「牧野は大丈夫か、類」
「多分」
「半年も放っておかれて、いい加減慣れちまったんじゃね?」
ん~
毎日忙しいそうにパタパタして、誤魔化してる気もするけど
「牧野、いつも司の話をすると動揺する」
「あ?やっぱ司となんかあったんじゃねぇ~の」
「それはきっと花沢さんから言われたから動揺したんですよ、先輩」
三条、あんたって、ホントいつも突然現れるよね