もう花沢類と一週間会ってない・・・
花沢類、どうしちゃったんだろう
具合が悪いのかな
それともお家の用事で何処に行ってるの・・・
毎日、カフェに行っても花沢類の事、西門さん達は何も言ってなかったし・・・
バン!
「牧野!」
はぁ~
非常階段にはこうやって何でいつも道明寺ばかり来るんだろう
しかも毎日毎日あたしの行く所ばかり現れて
「道明寺、おはよ」
「お、おう」
花沢類に会いたい・・・
「じゃ~あたし行くね」
「おい、待てよ!俺様が来て直ぐ行く事はねぇ~だろ」
だって花沢類がいるか見に来ただけだから・・・
花沢類に会いに来ただけだから・・・
「あのさ、道明寺」
「おっ、何だ、牧野」
「花沢類・・・何で・・・何でいないの・・・」
どうしよう・・・
涙が止まらない
キャッ!
「何で類なんだ!」
い、いや・・・
「ど、道明寺、離して」
「類の為に泣くんじゃねぇ」
道明寺・・・
止めて、離して
「俺様を好きだって言え!」
えっ・・・
いや、助けて・・・
「司、牧野離して」
は、花沢類・・・
「牧野、会いたかったよ」
「あ、あたしも花沢類に会いたかった」
あっ・・・
んんんっ・・・
「司、牧野とキスするのは俺だけだから。ね、牧野」
は、花沢類
「あれ、違うの?」
「ち、違くない・・・花沢類だけ」
近くに・・・
いつも傍にいてくれたから解らなかった
会えなくてやっと気がつくなんて・・・
「やっと答えが出ましたね、先輩」
さ、桜子!?
「司、強引にキスしようとするなんて、いいシチュエーションだったぜ」
「う、うるせ~!」
「それがなければ先輩、まだ気づかなかったかもしれないですよ」
「かもな」
ちょ、ちょっと
みんな何を言ってるの!?
「も、もしかして最初から仕組まれてたとか・・・」
「意図的に会わせない様にしただけですよ」
だ、だから一週間、道明寺が学校へ来なかったり、花沢類に会えなかったりしたの?
「先輩の贅沢過ぎる悩みが解消出来て良かったじゃないですか」
「ま、まぁ~そうだけど」
何か素直に喜べないな
「あれ?牧野、俺じゃイヤなの」
「ううん、そうじゃなくて・・・あたしは花沢類が好き」
「クスッ、ありがと。俺も牧野が大好きだよ」
ちゃんと伝えなくちゃ、あたしらしくない
「道明寺、ごめんなさい。色々あり過ぎて解らなくなってたけど、やっぱりあたしの心の中は花沢類と初めてあった頃から変わらない」
「チッ!解ったよ。類は初恋の相手だもんな」
ごめん・・・
こんなあたしを好きだって言ってくれてホントありがとう
「ふん、安心した顔してんじゃねぇ~ぞ!まだ諦めてはないからな。これからだぜ!」
「司、しつこい」
「類、ぜってえ~奪ってやるから覚悟しとけ」
「もう諦めた方がいいですよ。キスを拒まれたんですから」
「なっ、拒まれたんじゃねぇ~ぞ。牧野がちょっとビックリしただけじゃねぇ~か」
はぁ?
ホント道明寺って・・・
「さっきも言ったでしょうが!あたしは花沢類としかキスしないの」
「おっ!牧野、随分積極的になったな」
「鉄のパンツを脱ぐのも早いかもな、類」
なっ、何を言う
「だといいけどね」
「んな事させねぇ~からな」
「ほら、司はもうこの辺で諦めて行こうぜ」
「久しぶりに会えたんですから2人きりがいいですよね、先輩」
「さ、桜子」
「じゃ~な、類頑張れよ」
ちょっと、一体何を頑張るっていうのよ
まったく・・・
でもみんなにはホント感謝してる
変わらず過ごしていたら、本当の気持ちに気がつかなくて花沢類を失ってしまったかもしれない
「牧野、膝枕して」
「うん」
いつもと変わらない
でもこれからもずっと大好きな花沢類が傍にいる