Uneasiness②-2


~非常階段~

はぁ~
みんなに宣言したし、あたしももっと頑張らなきゃね!

「ま~きの」
「花沢類」

そっかぁ~
花沢類ともここで会えなくなっちゃうんだよね…
あたしが他の大学に行ったら、ホント全然会う機会がなくなっちゃう…
でもその方が、あたしの気持ちが知られる事はなくなるから、丁度いいのかも…

「牧野、なにブツブツ言ってるの?」

ハッ!
花沢類がいたんだ…///

「ククッ、牧野、俺になんか出来る事ない?なんなら勉強教えようか、俺これでも英徳で1番だったし」

ヘッ!?
花沢類が1番って…
三年寝太郎が!?

「牧野の声に出てる…悪かったね、寝てても1番で」
「ハハハッ…す、すごいね、花沢類は!」

勉強してるトコなんて見た事ないのに…

「特待生って…もしかして牧野も1番?」
「はぁ~まぁ~一応…」
「じゃ~教える事もないか」

花沢類、そんな寂しいそうな顔しないで…
え~と、それじゃ~

「ううん、花沢類にお願いがある!フランス語を教えて貰いたいの…ダメかな」
「フランス語?」
「うん、英語はみんなのお陰でマスター出来たんだけど、英語だけじゃね」
「うん、了解」

うわぁ~///
今度は天使の微笑み…
ダ、ダメだ…あたし
花沢類の表情一つで振り回されてる…

「牧野のバイト8時迄だったよね?」
「う、うん///」
「それじゃ~バイトの帰り迎えに行くから、その後、勉強ね!ついでに夕食とお風呂付き」
「エッ!?そ、そんな…教えて貰うのに…そこまでして…」
「じゃ~ご褒美ちょうだい!」
「ヘッ!?ご褒美って…」

エッ!?
花沢類のビー玉の目が、段々と近づいて来て…

キ、キス?

されてる…あたし!?

前にした軽いキスじゃなく、いつもより長く…

一度唇を離し、花沢類があたしに微笑んで、もう一度…

花沢類の舌があたしの唇をなぞり、あたしの口内に入ってくる…

「う…うんん…」

思わず声が出てしまう
もう頭の中が真っ白…

唇を離し、あたしの頭をポンポンと叩く

「ククッ、牧野大丈夫?」

エッ?
あ~///

は、恥ずかしくって、花沢類の顔見れないよ///

「今日から始めるから迎えに行くね!じゃ~後でね」

あっ…
行っちゃった

いつも変わらない…

花沢類はこんなの挨拶みたいなモノなのかな…
あ、あたしはドキドキしちゃって、どうしたらいいか解らないのに…



ど、どうしよう
どんな顔すれば…

あ~
もう花沢類が来ちゃう


「ま~きの!」
「う、うわぁ~///」
「牧野どうしたの?」

そ、そんな急に…
まだ心の準備が…

「今日、車だから乗って」

そう言うと、助手席のドアを開けてくれた

「は、はい、乗らせて頂きます」
「クククッ、牧野へん」

わわわ…///
っていうか、あ、あたしだけ!?
は、花沢類、いつもと全然変わらないし…
何かあたし一人で意識しちゃって…

あ~もう考えるの止めた
あれは無かった事にする!
よし!!!

「牧野なにガッツポーズしてるの、クククッ」

ヘッ!?

「え、え~と…べ、勉強頑張るぞって、気合い?…ハハハッ」

クククッ
ホント可愛いね、牧野
あのキスで意識しちゃって
少しは俺の事、思ってくれてるのかな?

それとも牧野はまだ司の事…

「花沢類、どうしたの?」

俺を覗き込む牧野に微笑んで、牧野の頭をポンポンとした

真っ赤な顔をして俯く牧野

牧野…
もう一度、俺を見て
もう一度、俺の事好きになって