Uneasiness①-3


~Rui~

あれから司はあの女と直ぐ別れたらしい
散々当り散らしている司を見て、恐ろしくなった女が逃げる形で…

あの猛獣は牧野じゃなきゃ扱えないからね

司はケガが治っているにも関らず、まったく学校へは来ていない

俺は牧野に会いたくて、牧野が来る時間帯に合わせて非常階段に行っている

ギィ~バタン!

「あっ!花沢類、来てたんだ」
「うん」
「今日は暖かいね!」

ニコニコしている牧野が可愛くて、思わず見つめてしまう

「花沢類、なに?」
「可愛いなと思って」
「なななな…/////」

クククッ
ダメ、その顔
ガマン出来なくなる

チュッ!

「ヘッ?はははは花沢類!い、今…///」
「キス?」
「そんな…ダメだよ///」
「ダメなの?」

寂しそうな目で覗き込む

「あ…え~と…もう!花沢類、その目は反則だよ///」
「クククッ、牧野がいけないんだよ、可愛い顔するから」
「もう!///」

ククッ
牧野、大分元気になったよね

「ねぇ~牧野」
「なに?花沢類」
「俺、眠い…肩かして」

最近はいつも俺がこうして牧野に寄りかかり、牧野は本を読み始める

ずっとこのまま、牧野といられたらいいのに
まだ牧野は司を忘れられないよね

牧野の笑顔が見れればそれでいいと思ってた
でも司の記憶障害…
ズルいかもしれないけど、俺は牧野をもう誰にも渡したくない…

「……類!ねぇ~花沢類ったら」
「ん?」
「もう行かなきゃ」
「あ、うん…もうそんな時間」

俺の大好きな笑顔で

「ちゃんと起きてよ!じゃ~ね!」

と言うと行ってしまった


~道明寺邸~

ガシャン!
バリン!

「あ~イライラする…」

何でだ?
何で…
あのうるせぇ~女の事になると、こんなにイライラするんだ

チクショー!

ガシャン!

「坊ちゃん、もういい加減になさいませ」
「あ?タマうるせぇ~ぞ」
「司君~♪」

フン!
海か…ウザイ

「エッ?この部屋…司君どうしたの???」

海が俺の腕を掴んできた
マジこいつウザイ…

「俺様にさわるんじゃねぇ!!!」
「キャー!」
「まったく坊ちゃんは…」
「なにこの人…怖い…おかしいよ」
「これが本来の坊ちゃんですよ」
「いや!こんな人だと…もう二度と来ない…怖い」

フン!
金目当てのくせに、もう二度と来んな!

あ~何をしてもイラつきが…

あのうるせ~女…
あいつは一体何なんだ

「なぁ~タマ」
「何ですか、坊ちゃん」
「あの女…うるせ~女、タマも知ってるのか?」
「つくしの事かい?坊ちゃんじゃないですからね、よく存じてますよ」
「何で俺だけ知らないんだ…なぁ~タマ、あの女誰なんだ?」
「それは坊ちゃんが自分で思い出さなきゃ意味がないんだよ」
「タマ…」
「そう言えば忘れてたよ、奥様から先程お電話があって、高校卒業後、坊ちゃんをNYにっておっしゃっておられたから、坊ちゃんもそのおつもりで」

NYか…

別にいいんじゃね
類達もあんなんだし、俺1人いなくなったって

あの女の事も行けば、思い出さなくてすむしな