~Rui~
あれから司はあの女と直ぐ別れたらしい
散々当り散らしている司を見て、恐ろしくなった女が逃げる形で…
あの猛獣は牧野じゃなきゃ扱えないからね
司はケガが治っているにも関らず、まったく学校へは来ていない
俺は牧野に会いたくて、牧野が来る時間帯に合わせて非常階段に行っている
ギィ~バタン!
「あっ!花沢類、来てたんだ」
「うん」
「今日は暖かいね!」
ニコニコしている牧野が可愛くて、思わず見つめてしまう
「花沢類、なに?」
「可愛いなと思って」
「なななな…/////」
クククッ
ダメ、その顔
ガマン出来なくなる
チュッ!
「ヘッ?はははは花沢類!い、今…///」
「キス?」
「そんな…ダメだよ///」
「ダメなの?」
寂しそうな目で覗き込む
「あ…え~と…もう!花沢類、その目は反則だよ///」
「クククッ、牧野がいけないんだよ、可愛い顔するから」
「もう!///」
ククッ
牧野、大分元気になったよね
「ねぇ~牧野」
「なに?花沢類」
「俺、眠い…肩かして」
最近はいつも俺がこうして牧野に寄りかかり、牧野は本を読み始める
ずっとこのまま、牧野といられたらいいのに
まだ牧野は司を忘れられないよね
牧野の笑顔が見れればそれでいいと思ってた
でも司の記憶障害…
ズルいかもしれないけど、俺は牧野をもう誰にも渡したくない…
「……類!ねぇ~花沢類ったら」
「ん?」
「もう行かなきゃ」
「あ、うん…もうそんな時間」
俺の大好きな笑顔で
「ちゃんと起きてよ!じゃ~ね!」
と言うと行ってしまった
~道明寺邸~
ガシャン!
バリン!
「あ~イライラする…」
何でだ?
何で…
あのうるせぇ~女の事になると、こんなにイライラするんだ
チクショー!
ガシャン!
「坊ちゃん、もういい加減になさいませ」
「あ?タマうるせぇ~ぞ」
「司君~♪」
フン!
海か…ウザイ
「エッ?この部屋…司君どうしたの???」
海が俺の腕を掴んできた
マジこいつウザイ…
「俺様にさわるんじゃねぇ!!!」
「キャー!」
「まったく坊ちゃんは…」
「なにこの人…怖い…おかしいよ」
「これが本来の坊ちゃんですよ」
「いや!こんな人だと…もう二度と来ない…怖い」
フン!
金目当てのくせに、もう二度と来んな!
あ~何をしてもイラつきが…
あのうるせ~女…
あいつは一体何なんだ
「なぁ~タマ」
「何ですか、坊ちゃん」
「あの女…うるせ~女、タマも知ってるのか?」
「つくしの事かい?坊ちゃんじゃないですからね、よく存じてますよ」
「何で俺だけ知らないんだ…なぁ~タマ、あの女誰なんだ?」
「それは坊ちゃんが自分で思い出さなきゃ意味がないんだよ」
「タマ…」
「そう言えば忘れてたよ、奥様から先程お電話があって、高校卒業後、坊ちゃんをNYにっておっしゃっておられたから、坊ちゃんもそのおつもりで」
NYか…
別にいいんじゃね
類達もあんなんだし、俺1人いなくなったって
あの女の事も行けば、思い出さなくてすむしな