花沢類…
花沢類も行っちゃうの?
『はい、これ。牧野に似合いそうだったから』
エッ?
ネックレス…
『もう大丈夫だよね、牧野』
あっ、待って…
『ごめん、牧野』
なんで謝るの…
『牧野の傍にいてあげられない』
花沢類…
『じゃ~ね、牧野』
待って…
花沢類、そのヒト…誰?
『牧野には関係ないよ』
行かないで…
イヤ…花沢類!
ガバッ!
はぁ~はぁ~
またあの夢…
一週間…ううん、三日に一度は見る
半年前…
夢と同じように、あたしにネックレスを渡し、花沢類はフランスへ行ってしまった
~半年前~
「ま~きの、お疲れさま」
「花沢類!なんか久しぶりだね、バイトの帰りに待っていてくれるのって」
「ごめん、色々忙しかったから」
「フフッ、花沢類が謝る事なじゃん!ありがと、来てくれて」
西門さんは前から家元のお手伝いをしてたけど、美作さんも花沢類も、大学に入ってから本格的に会社を手伝うようになって、自由な時間なんてなかなか取れないもんね
「ねぇ~牧野、もう司の事は大丈夫?」
ヘッ!?
ど、どうしたの、いきなり…
「あれからもうすぐ一年だね。みんなのお陰で、もう全然平気!っていうか、忘れてたよ」
「そっか、じゃ~もう大丈夫だよね」
「うん!」
四年後に迎えに来るって言ってたけど、結局は道明寺がNYに行ってすぐに別れちゃったんだよね
道明寺のお父さんの様態が思っていた以上に良くなくて、どうしても政略結婚しなくちゃいけなくなって…
ものすごく悲しかったけど、道明寺の相手が滋さんだったから…
みんなに支えてられて…
そして花沢類がいつも傍にいてくれて…
あたし、花沢類の事…
だから…道明寺の事は思い出に出来た
「牧野、手貸して」
手!?
なにするの?
「クククッ、グーじゃなくて、パーにして」
パーにすればいいのね、なんか意味不明だけど
エッ?
な、なに…この箱は
「牧野に似合いそうだったから」
ネックレス…なんで?
「花沢類…誕生日でも何でもないのに、こんな高価な物貰えないよ」
「でも俺が持っててもつけないから」
まぁ~それはそうだけど、でも…
「クククッ、じゃ~牧野の大学の入学祝」
もう花沢類ったら…
「じゃ~今回はそういう事で…ありがと、花沢類!大事にするね」
「どう致しまして」
フフッ
花沢類からプレゼントなんて、すっごく嬉しい!
明日の入学式に早速つけていこうかな
「あっ、もう家に着いちゃったね。花沢類、送ってくれてありがと!それとコレもありがと」
「うん」
「じゃ~ね」
カンカンカン…
「牧野!」
エッ?
ど、どうしたの///
急に…そんな抱きしめられたら苦しいよ、花沢類…
「牧野、ごめん」
なんで謝るの?
「明日…フランスに行く」
フラン…ス?
明日って…もしかして花沢類も…行ってしまうの?
あっ…
…んん…ん…
「最低でも三年は戻らない…牧野、傍にいてあげられなくてごめん…」
…三年
あっ、待って…
カンカンカン…
花沢類…