夢のつづき①


花沢類…
花沢類も行っちゃうの?

『はい、これ。牧野に似合いそうだったから』

エッ?
ネックレス…

『もう大丈夫だよね、牧野』

あっ、待って…

『ごめん、牧野』

なんで謝るの…

『牧野の傍にいてあげられない』

花沢類…

『じゃ~ね、牧野』

待って…
花沢類、そのヒト…誰?

『牧野には関係ないよ』

行かないで…
イヤ…花沢類!

ガバッ!

はぁ~はぁ~
またあの夢…
一週間…ううん、三日に一度は見る

半年前…
夢と同じように、あたしにネックレスを渡し、花沢類はフランスへ行ってしまった

~半年前~

「ま~きの、お疲れさま」
「花沢類!なんか久しぶりだね、バイトの帰りに待っていてくれるのって」
「ごめん、色々忙しかったから」
「フフッ、花沢類が謝る事なじゃん!ありがと、来てくれて」

西門さんは前から家元のお手伝いをしてたけど、美作さんも花沢類も、大学に入ってから本格的に会社を手伝うようになって、自由な時間なんてなかなか取れないもんね

「ねぇ~牧野、もう司の事は大丈夫?」

ヘッ!?
ど、どうしたの、いきなり…

「あれからもうすぐ一年だね。みんなのお陰で、もう全然平気!っていうか、忘れてたよ」
「そっか、じゃ~もう大丈夫だよね」
「うん!」

四年後に迎えに来るって言ってたけど、結局は道明寺がNYに行ってすぐに別れちゃったんだよね
道明寺のお父さんの様態が思っていた以上に良くなくて、どうしても政略結婚しなくちゃいけなくなって…

ものすごく悲しかったけど、道明寺の相手が滋さんだったから…
みんなに支えてられて…
そして花沢類がいつも傍にいてくれて…
あたし、花沢類の事…
だから…道明寺の事は思い出に出来た

「牧野、手貸して」

手!?
なにするの?

「クククッ、グーじゃなくて、パーにして」

パーにすればいいのね、なんか意味不明だけど

エッ?
な、なに…この箱は

「牧野に似合いそうだったから」 

ネックレス…なんで?

「花沢類…誕生日でも何でもないのに、こんな高価な物貰えないよ」
「でも俺が持っててもつけないから」

まぁ~それはそうだけど、でも…

「クククッ、じゃ~牧野の大学の入学祝」

もう花沢類ったら…

「じゃ~今回はそういう事で…ありがと、花沢類!大事にするね」
「どう致しまして」

フフッ
花沢類からプレゼントなんて、すっごく嬉しい!
明日の入学式に早速つけていこうかな

「あっ、もう家に着いちゃったね。花沢類、送ってくれてありがと!それとコレもありがと」
「うん」
「じゃ~ね」

カンカンカン…

「牧野!」

エッ?

ど、どうしたの///
急に…そんな抱きしめられたら苦しいよ、花沢類…

「牧野、ごめん」

なんで謝るの?

「明日…フランスに行く」

フラン…ス?
明日って…もしかして花沢類も…行ってしまうの?

あっ…
…んん…ん…

「最低でも三年は戻らない…牧野、傍にいてあげられなくてごめん…」

…三年
あっ、待って…

カンカンカン…

花沢類…