ピンポーン!
「はぁ~い!花沢類、おはよ!」
牧野・・・今日、すっごく可愛いんだけど
チュッ!
「おはよ、牧野」
「は、花沢類///」
「行こ」
「あっ、ちょっと待って」
ん?
牧野それなに?
大きなバスケット持って来て
「フフッ、お弁当作ったの!あっちで食べようね」
今日のデートは水族館
そういえば水族館なんて幼稚舎で行った以来かな
あんまり覚えてないけど
車の中で牧野はスヤスヤお眠り中
ククッ
牧野、張り切りすぎて、朝早くからお弁当作るからだよ
「ま~きの、起きて」
「・・・んんん・・・ん、プハァ~、は、花沢類///窒息しちゃうじゃない!」
だって牧野が寝ちゃうのがいけないんでしょ
「ククッ、着いたよ」
「ヘッ!?あれ?・・・ご、ごめん!せっかくのデートなのに初めから寝ちゃった・・・」
プッ!
牧野、いつもの事じゃない
「そんなの気にしないで、水族館入ろ」
「う、うん///」
牧野のいう普通のカップルらしく、手を繋いで歩いた
「花沢類、あそこのドームから入るんだよ!早く行こ」
なんか無邪気な子供みたいで可愛い
牧野に言われるままドームに入る
って牧野ホントに水族館なんてあるの?
「ねぇ~牧野、なんにもないけど」
「フフッ、こっち来て」
ふ~ん、なるほどね
ここから下が水族館になってるんだ
でもさ
「牧野、なんでそんなに詳しいの?」
「え~と、ハハハッ、嬉しくって下調べしちゃった///」
ポンポン
牧野の頭を軽く叩き頬に軽くキスをした
「それじゃ下行こ」
「うん///」
「うわぁ~花沢類、あれって鮫だよね!?」
エスカレーターを降りて早々、駆け出して水槽にへばりついて見てる
俺も本物は初めて見るかも
「ねぇ~花沢類、あっち行ってみよう」
次から次へと牧野に振り廻される
その中でも牧野が気に入ったのは、マグロが泳いでる大水槽とペンギン
マグロがグルグルすごい勢いで泳いでいて、なんか飽きない
「マグロって泳いでないと死んじゃうんだよね。ずっと泳いでて疲れないのかな?」
「死んじゃうより、疲れた方がいいんじゃない?」
「あっ、ホントそうだよね!」
プッ!
牧野って面白い
冗談で言ったのに真剣に答えるなんて
ペンギンコーナーでは、赤ちゃんみたいな小ちゃいペンギンが気に入って、なかなか離れない
ようやくペンギンが泳いでいるトコが見れる水槽に行くと、
「ペンギンってさ、足が短くてノソノソ歩いてるのに、水に入るとすっごくない?ビュンビュン泳いじゃってさ」
たしかに俺もペンギンがこんなに早く泳げるなんてビックリした
っていうか
水族館って結構面白いかも
2人で夢中に見てて
お昼の時間をかなりすぎてから水族館を後にした
車に置いておいたお弁当を取りに行き、公園の芝生に敷物を広げる
「花沢類、ちょっと待っててくれる?」
あれ?
牧野、ドコ行くの?
大きなバスケットの中に、更に小さなバスケットが入っていて、それを持って駆け出して行く
クククッ、牧野らしいね
SPにまでお弁当作っちゃってさ
「お待たせ、お腹が空いたでしょ、さぁ~食べよって言っても庶民のお弁当だからね」
「あい」
中身を見ると、やっぱり見た事がないものばかり
でもなんか美味しそう
「あっ、それ好き」
「エッ、卵焼き?」
「うん、黄色いヤツ、食べたい」
今日の牧野は優しいかも
一口サイズに切ってくれて食べさせてくれた
「美味しい、牧野、こっちのも食べたい」
「まったく、花沢類に食べさせてばっかりいるとあたしが食べれないじゃない」
ククッ
そう言いながら、ちゃんと食べてるでしょ、牧野
お弁当を食べ終わって、牧野に膝枕して貰って、少しお昼寝
「ねぇ~花沢類、もう一ヶ所行きたい所があるんだけど・・・」
「どこに行きたいの?」
まだ時間早いし、別にいいけど
「すっごい人だね…これじゃ~花沢類が降りたら大騒ぎになっちゃうよね」
たしかに・・・凄い
「牧野、何か欲しいものがあったの?」
「ううん、ただ、普通に花沢類とブラブラと町中を歩いてみたいなって思っただけ」
普通にか・・・
なんかちょっとムリな気がする
だって今日は土曜日で、しかも渋谷なんだから・・・
でも牧野のお願いだからね
「なんとかなるでしょ、行こ」
どうしたの、牧野?
「今回はやめとく。花沢類になにかあったら大変だし、SPの人もヒヤヒヤしちゃうでしょ。また今度にすればいいし、ね!」
「いいの?」
「うん、ちょっと残念だけどね」
ムリに笑顔作っちゃって…
あっ、そういえば
「花沢類、何してるの?」
「はい、牧野」
「キャ~!ペンギンのぬいぐるみ!!!どうして?」
「牧野が欲しそうにしてたから」
だって牧野
ククッ
お土産売り場でずっと触ってたでしょ
「いつの間に?ありがと!大切にする。可愛い!」
ホント牧野って無邪気で可愛いよね
「じゃ~街中デートはまた今度にして食事して帰ろ」