「つくし~!遊びに来たよぉ~♪」
タタタタッ
ドン!
ウワァ!
も、ももちゃん!?
「よぉ!陸」
翔…何でフランスにいるの?
っていうか、ももちゃん
そんなにギュウギュウ抱きつかなくても…
「さすがに司の子よねぇ~来て早々、陸君に突進するなんて!ハハハッ」
滋おばさん、笑い事じゃないんだけど
「滋さん、どうしたの急に…道明寺がこっちに出張とか?」
「ううん」
どうやら夏休みの間ずっとフランスにいるらしい
NYにいてもツマラナイからって、司おじさんがなんか叫んでたらしいけどムシして来ちゃったって…
そんなんで大丈夫なの?
司おじさんカッコいいから、浮気とかされても知らないよ
って翔…
さっきからすっごく気になるんだけど
「翔、さっきから何ソワソワしてんの?」
「いや…まぁ~…る、月はどこいんだ///」
ククッ
翔は来て早々、俺より月って事か
「友達の家に行ってるけど」
「ふ~ん、そうなんだ…」
司おじさんとホントそっくりだよね
翔、そんなガックリしなくても
「ククッ、翔、そんなに月に会いたかった?」
「ばっ///んな事ねぇ~よ!」
プッ!
翔って面白い
「ふ~ん、そうなんだ。もう戻って来ると思うけど、翔がいたら月きっとすっごく喜ぶんじゃない」
「そ、そりゃ~俺様が来てやったんだ、そんなの当たり前だろ///」
クククッ、今度は嬉しそうな顔しちゃって
翔ってホント単純
「ただいま!ママ、どなたかお客様がいらしてるの?」
ププッ!
月の声聞いただけで、翔…
顔…真っ赤…ククッ
「月ちゃん、相変わらず可愛いわね!」
「ウゲッ!く、苦しい…し、滋おば様!?…はぁ~はぁ~お、お久しぶりです。おば様も変わらずお若いですね…あれ、か、翔君!?」
「よぉ///」
「ももちゃん~!すっごく可愛い♪」
プッ!
翔、ムシされてる
「陸君、月にも抱っこさせて!」
月にももちゃんを渡すと
僕の時と同じでギュウギュウと抱きつく
月の事も気に入ったって事かな
イタッ!
「陸、お前笑ってんじゃねぇ~よ!」
もう…翔ったら乱暴
ムシされたのって、僕のせいじゃないでしょ
まったく
ここにいるとうるさいから、部屋に行って本読も
リビングを出ようとした瞬間
タタタタッ
ガシ!
ももちゃんに足を掴まれる
もしかして行くなっていう事?ももちゃん…
「ハハハッ!陸、ももちゃんヨロシクね、ママ達お買い物してくるから」
はい?
ヨロシクって…
オムツとかミルクとか、まったく解んないけど…
っていうか、僕の事何歳だと思ってるの?
「大丈夫よ、陸君!ベビーシッターさんがいるから」
そう言うと、そそくさ言ってしまった
ちょっとさ
翔達がこっちにいる間、ずっとこんな状態じゃないよね
夏休みの間に、読みたい本が沢山あったのに、こんなんじゃ…
あっ!
「ももちゃん!本なんか舐めちゃ汚いよ」
あ~ぁ
ビチャビチャ…
ん?
月と翔がいない…
まったく
僕一人で面倒みろって事?
勘弁して欲しいんだけど
う~ん…
なんかうるさいんだけど
静かにしてくれないかな、やっとももちゃん、寝かしつけたのに…
カシャ
カシャ
ん?
2人して何してるの
「あん!陸、起きちゃダメじゃない。せっかく可愛い寝顔の2ショット撮ってたのにぃ~」
はぁ~
まったく呑気な母親達…
そんなのいいから、とりあえず早く部屋、出て行ってもらわないと
「しぃ~!やっとももちゃん寝たんだから静かにして」
うるさい母親達を黙らせ、そぉ~と部屋を出た
結局、ベビーシッターさんがミルクをあげても飲まず、僕が飲ませ、オムツも駆けずり廻ってさせてもらえず、ベビーシッターさんに教わりながら僕が取りかえた
お昼寝の時間になっても寝てくれなくって
「陸様にお会いして、大分興奮しているみたいですので、お風呂に入れば落ち着いて寝てくれるかもしれませんね」
ベビーシッターさんの言う通り、お風呂に一緒に入り、もちろん手伝って貰ってだけど、ようやく落ち着いて、寝てくれて…
慣れない事をしたせいか、僕も一緒に疲れてウトウトしている所に、呑気な母親達のお帰り…
「陸君、ありがとねぇ~お礼にお土産があるからね!ほら、見て美味しそうでしょ?ここのケーキは絶品なのよぉ~♪」
滋おばさん、たしか知ってるはずでしょ
僕が甘いもの、苦手なんだって…
お土産って言って、自分が食べたかっただけじゃないの?
「ねぇ~陸。翔君と月はどこにいるの?」
あっ…
そういえばどこ行ったんだろ
使用人の人が、どこかにお買い物に行って戻ってから、部屋にこもりきりだって
部屋に行ってみた
テーブルに2人でうつ伏せになって寝てる…