後から来た優紀は、花沢類と道明寺がいてビックリしてたけど
道明寺の記憶がどうとかじゃなく、こうやって楽しくみんなと、また再びいられるなんて…
「牧野どうしたの?」
ハッ!
「ううん、なんかこの感じ、懐かしくって…そういえば花沢類、フランスから帰って来ちゃって大丈夫なの?」
「たぶん」
ちょ、ちょっと
多分って…
「ククッ、10日間の仕事1週間で終らせて来たし、父さんも了承してるから」
「ハハハッ、前は三年寝太郎って言われてたのね」
「牧野、後で知らないよ…」
ヘッ?
でもそっかぁ~
「もしかしてメールとかくれなかったのはそのせい?」
「ごめん・・・ちゃんと見てたけど、返事する暇がなかった」
「良かったぁ~怒ってるのかと思ってたから」
「あっ、もしかしてコレの事?」
うわ!
べ、別に見せなくても…
「プッ、牧野引きつった顔してるよね」
「そ、そんな笑わなくたっていいじゃない!」
エッ…いや…
ちょ、ちょっと読まなくっても…
「ふ~ん、『本命は道明寺司氏か?司氏帰国でホテルでデート』だって、牧野、デート楽しかった?」
「デートじゃないって、あの後説明して知ってるでしょうが!」
「でもこのエレベーターに乗り込む牧野の写真可愛い」
はい?
そんなのどうでもいいから…
「ねぇ~司、携帯かして」
「はぁ?なんだよ、類。携帯がどうしたんだ?」
クククッ、やっぱり…
「道明寺さん、わざわざ出版社から取り寄せたんですか?」
エッ?
なに…
「マジかよ、司」
「ちょ、ちょっとあたしにも見せて」
ゲゲッ~
あんたなんで、あたしが待受になってんのよ
し、しかも、この雑誌に載ってる写真じゃない
もう信じらんない
ピピピピ、ピッ
「牧野、テメェ~人の携帯、勝手に削除すんな」
「そんな携帯、誰かに見られたら誤解されるでしょうが!」
「俺様専用携帯だから大丈夫なんだよ!ちくしょ…また取り寄せないと」
「司、なんならこの映像あげようか?」
エッ…
なんの映像?
「うわぁ~類君、制服着てる」
「なんか可愛い高校生カップルって感じだね」
「先輩、超レアじゃないですか」
あ~
卒業式の時に撮ったやつ
フフッ、懐かしいよねぇ~
「なんで俺様が類が映ってる映像を待受しなきゃいけね~んだよ」
「ねぇ~だったらさ、みんなで今、写メ撮ればいいんじゃない?」
滋さんの一言で
フフフッ、道明寺の待受が全員の集合写真に変えられた
思いもよらない花沢類の帰国で、たった3日間の滞在だけど、充電フルパワーって感じ
フランスで仕事を済ませて来たって言っていた花沢類だったけど
覚えなきゃいけない事が沢山あるらしくて
あたしが大学に行っている間は、花沢物産に行って仕事をして
あたしが帰る頃に大学に迎えに来てくれた
滋さん達は気を使ってくれて、2日間大学には来なかったけど
道明寺だけは花沢類と競うように現れて…
「また来たの、司」
「来ちゃ悪いか」
「明日帰国なんだから、牧野と2人でどっか行きたいんだけど…」
「俺様も明日帰国なんだよ、どっか行くんなら俺様も行くからな!」
っていうか、この三人でどこかって、すっごく変なんだけど…
「司と三人だったら行かない、牧野帰ろ」
「あっ、うん…」
「お、おい、待てよ!」
悪いけど、司
今度はいつ帰国できるか解らないから、邪魔しないで
邸に帰るフリをして、そのまま海へ向かった
向かっている間
クククッ、相変わらずグッスリ寝てるし
「ま~きの、着いたよ」
「ううん・・・あれ?またあたし寝ちゃった!?ご、ごめん・・・」
「ククッ、牧野のごめんは聞き飽きた、取り敢えず食事しよ」
「ハハハッ、うん!」
海辺のホテルで食事をして、明日は大学がお休みだから、このホテルに泊って、そのまま空港に行く
食事中に牧野が
「海に来たらやっぱり花火よねぇ~でも季節外れだから売ってないか」
と話しているのを従業員が聞いていたらしく
「去年の残りですが、よろしければ・・・」
と線香花火をくれた
なんか小さくて可愛い…
「花沢類、この玉を落とさないようにジッとしてなきゃいけないんだよ」
ふ~ん
あっ…牧野落とした
「ああん、もう!花沢類に話しかけたら落ちちゃった…」
ククッ、牧野
人のせいにしないでくれる?
「花沢類、どっちが長く落とさないでいられるか競争しよ」
「あい」
牧野…
自分で言い出して落としてばっかり…
すっごくヘタクソ
「花沢類初めてやったんだよね!?何であたしより上手いわけ?」
「だって牧野、手がプルプルしてるから」
「よし!って思うと緊張しちゃって…ハハハッ」
「最後の一本は俺が牧野の手を押さえてあげるから、最後まで落とさないようにね」
「う、うん///」