Uneasiness⑭-6


「類さん、おめでとうございます。今後のあなた方に期待しています」
「ありがとうございます」

花沢類と握手をかわす
そして魔女の目があたしに…

エッ!?

「本当は司さんとそうなればと思っていましたが…今まで嫌な思いを辛い思いをさせて申し訳なかったわ」

魔女があたしを抱きしめ、耳元でそう言ってあたしをはなし、軽く微笑むと

「牧野さん、ビジネスの上では私は先輩です。何か解らない事があればいつでもいらっしゃい。そして私を越える存在になりなさい。あなたなら出来るはずですから」
「頑張ります。これからも宜しくお願いいたします」

あたしは魔女…
道明寺のお母さんを誤解していたのかもしれない
周りに解らないように、道明寺の幸せを思い、ビジネスに託つけていただけなんだと思う

「類、牧野」

道明寺…
そんな恐い顔…

「類、すべてはここからだ。まだまだ安心してんじゃねぇ~ぞ!牧野、おまえもだ」

フッ、さっきまで幸せな顔してたのがら一変して不安そうな顔
でもな、今の俺様に比べりゃ~それ位しても大した事じゃねぇ~だろ

「司…」
「フッ、楽しみにしてろ」


「花沢類…」

不安そうに牧野が見上げる

牧野の頭を軽く撫で、大丈夫だよと微笑み、マイクに向かう司を目で追った

たぶん司は…

これ位は仕方ないかもね
散々不安と隣り合わせで過ごしてきたのに、やっぱり司だよ
最後の最後まで不安にさせるなんて

「え~私が日本支社長になる以前よりブライダル部門のプロジェクトを立ち上げ、ここメープルホテルに新たに教会を建設しております。この教会は私がデザインをしました。完成は3月です。是非この教会での一組目の式をお二人に挙げて頂きたい。類、いいか?」

ククッ、やっぱり…
返事のかわりに、軽く手を上げた

「類、牧野の友人としてこの結婚式はおまえらへプレゼントだ!牧野、幸せになれ」