Uneasiness⑨-2


~花沢邸~

またか…ここ半年の間に何度掲載されたか

記事になる度に、つくしさんにはフォローしているみたいたが、きっと不安だろう

「なぁ~加代さん、私は女の人の気持ちというのはよく解らないが、仕事の為なら自分の子供でも利用出来るものなんだろうか」

この一連の記事の裏には道明寺財閥…道明寺楓がいる

道明寺財閥が絡んでとなると、記事を差し止める事も出来ない

「旦那様、私は違うと思います」

いくつもの大企業が争って手に入れようとしている人材でも、毎年、道明寺財閥に入社している訳ではない

記憶を失って、もう一度つくしさんに惹かれ始めてからの司君は、見違えるように成長している
大学もスキップし、その後はMBAを取得する予定だ

「司さんを成長させ、司さんが望んでいるつくしさんだからこそ、手に入れたいのではないですか」
「母心からという事か…」
「えぇ、それとやはりつくしさん自身の魅力を知っているからだと思います」

司君もそうだが、類もつくしさんと出会ってから著しく成長している
そしてこの邸もつくしさんが来てから和やかな雰囲気なった
私自身もつくしさんといると暖かい気持ちになれる

「つくしさんは本当に不思議な魅力のある女性だな」

それにしても玲奈には困ったものだ
これでは楓さんの思うツボだ
出来るだけ荒波を避けられるように、私が動かなくてはな
類とつくしさんの未来の為に…



ん!?
何か会社の雰囲気が違うような…

学校が終わり、いつものように会社へ来ると、何となくみんなの表情が引き締まっている

あ~なんだ、そういう事

「社長、急にどうされたんですか?」

一応、ビジネスモードで対応する

「類、話があるんだが今夜時間あるか?」

話って、牧野に何かあったワケじゃないよね

「フフッ、つくしさんは元気にしてるよ」
「9時頃だったら大丈夫です」
「解った、その位に家の方に行くよ」


何とか仕事を終わらせ、自宅に戻るとすぐ、父さんが来た

「ククッ、昔の類からは想像出来んな、こんな書類や資料だらけの部屋なんて」

別にいいでしょ、そんなの

「父さん、話ってなに?」
「まずは報告かな。最近、玲奈がウロウロしなくなっただろう」

あっ…
言われてみれば最近、見てない気がする

「年齢的にいい時期だったからアメリカに留学させた。お前がフランスにいる間はもう会う事もないだろう」

父さんが動いたって事はやっぱり牧野、不安だったって事か

「牧野、ホント大丈夫?」
「まぁ~みんなの前では明るく振る舞ってはいるが、時より寂しそうな顔をする事があってな。そういう時に限って、司君が日本に来る。悪循環をとりあえず打開しないとな」

出来ればもう少し早くしてくれれば良かったのに…
でもこれで少しは安心かな

「そういえば、玲奈はよく何も言わずに留学したよね」
「ククッ、旅行ついでに留学して貰っただけだよ」

ふ~ん
やっぱりそういう事か
今頃、玲奈、暴れまくってたり
クククッ

「ところで類、お前の近況を知りたいんだがいいか」