未来へ 4年目①


プロジェクト完成まで残すこと後1年…
大詰めの段階
母さんにも手伝って貰う事が…
話をしたら快く了承してくれた
このプロジェクトの中で、母さんの仕事が一番重要
絶対に成功させる!

俺達が大学を卒業した事と、牧野と優紀ちゃん?が殆ど単位を取得して大学に行かなくてもいい状態になり、F4ルームは取り壊された
三条はちょっと可哀想だったけど…

今、俺達は現地にいる時以外はそれぞれの会社に集まる
っていっても花沢物産が圧倒的に多い…
特に司はことある毎に花沢物産に顔を出し、意味もなく秘書課の前をうろうろしてる
飲み物を頼むのも俺の秘書じゃなく、いつも牧野に持ってこさせる
その状況に牧野は

「あんた、ホントいい加減にしてよ!疑われたらどうすんのよ!」

とかなりキレてたけど…
もう遅いって感じ
司が牧野にホレてるって噂、既に流れてるから…
一部では
既に相場×牧野カップルが破局して、司×牧野カップル誕生日!って言われてる…
ホント司、いい加減にしてくれる?
ここに大河原呼ぶよ

牧野も牧野で今までは用を頼んでも他の人に回して、俺の部屋に近寄ろうともしなかったのに
特に司に頼まれるとホイホイ来ちゃってさ
そう、今も司に頼まれた資料を持って来て…

「牧野」
「どうしたの、類?」
「愛してるよ、牧野」

司の前でわざとキスした
司への牽制
フフッ!
司、青筋たってるよ
やっぱり牧野が忘れられないみたいだね

今日は司と2人、仕事に没頭していると、社長から内線が入る

「類、悪いな、ちょっと来てくれるか」
「はい」

司に行って来ると言い、俺は社長室に向かった

コンコン

「類様がお見えです」
「どうぞ」

秘書に促され部屋に入った

「忙しいトコ悪いな」
「何?」
「そろそろつくしさんと正式に婚約したらどうだ?」
「いいんですか?」
「勿論!手配しておくよ」
「父さん、ありがとうございます!」
「最近、司君が随分と活躍しているみたいだしな、ハハハッ」
「笑い事じゃないんだけど…」
「最大のライバルってとこか」
「類、お前はつくしさんのご両親の方をお願いするよ」
「あっ、父さん、場所とかなんだけど…」
「解ってる、配慮するよ」

社長室を出て自分の部屋に行くと、司がいない…
秘書の鈴木に聞くと

「牧野様を連れて二時間位出て来ると…」

申し訳なさそうに話す
ったく
ホント司、暴走しすぎ

ムッとして仕事をしていると、笑いながら2人が帰ってきた
あえて司を無視し

「牧野お帰り、楽しそうだね」
「類!道明寺に『うさぎ屋』のキャラメルパフェをオゴって貰っちゃった♪」

ふ~ん
2人でデートしてたワケね…

「牧野、今日、仕事終わったら牧野ん家行くよ」
「ホントに?」
「ママに連絡しておいたから終わったら地下駐車場に来て」
「うん♪」

牧野が部屋を出て行くと

「類、どうして急に牧野の実家に行くんだ?」
「ババ抜きしに…クククッ」
「意味わかんねぇ~」

牧野の実家に行くと進もいて、ママが沢山料理を用意して待っていてくれた
お肉みたいな丸い食べ物とか、小さい魚とか色々珍しい物ばかりで久しぶりに食べて美味しかった

ご飯を食べ終わりママと牧野が片付けをしている間、3人でババ抜き
勿論パパが負けたけど
片付けが終わり、みんなが座ったとこで

「パパ、ママ、進に話があるんだけど…あっ、牧野も」
「類さん、どうしたんですか?」

進が心配そうに聞いてきた

「うん…まずは牧野!」
「エッ?な、なに?」
「俺と結婚してくれる?」
「…」
「アレ?ダメ?」

牧野の顔を覗き込むと…
プッ!真っ赤な顔

「だ、だめじゃない///」
「クククッ、ありがと!」

チュッ!

「なななな…」

牧野、可愛い!
アレ?
パパとママ…進まで固まってるけど
まっいいか…

「パパ、ママ、あと進も、つくしさんを俺に下さい!お願いします」

頭を下げた

♪♪♪~

なんか音と声聞こえる…

「パパ!ママ!止めてよ!!!」

顔を上げると、パパとママが小躍りしてた…

「もう!座ってよ!!!」

牧野に怒られてシュンと座る

「俺、まだ許して貰ってないけど…アレ?本の通りやったけど間違ってたかな…ダメ?」
「どうぞ!どうぞ!いつでも貰ってやって下さい!」

クククッ、面白い!

「ありがと!それじゃ~一応、婚約って事で明日、俺の両親とみんなでお食事会ね!」
「「「「はぁ~?」」」」
「明日、日曜日で休みだし、ママ泊まっていっていい?」

アレ?ママまだ固まってる

「ヘッ!?あっ!?あぁ~?と、泊まっていきなさい」
「クククッ、パパと進、ババ抜きもう一回やろ?」

あっ、こっちも

「ウッ!?あっ!?ヘッ!?ん?あ、やりましょう」

牧野もかな?

「つくし、愛してるよ」

チュッ!

「ん?ヘッ!?ダァ~!!!いい今、つつくしって!?」
「うん、これからはつくしで」

~Tsukushi~

類はホントいっつも突然で
いいいきなりプ、プロ、プロポーズさ、されて、あ、明日、こ、婚約!?
おおお食事会!?
そ、それで『つくし』?
ゆ、夢かも…
ホッペをツネってみる

「つくし、痛い!」

痛いらしい…
じゃ~ホントの事か…

「つくし、さっきから全部口に出てるけど」

ヘッ!?

「る、類///あ、あたしなんか信じられなくて///」

類が優しく抱き締めてくれる

「全部ホントの事!ずっと一緒にいようね」
「うん…類、愛してる」

ウッウン!

「類さん、ババ抜きの途中なんですけど…」
「あっ、ごめん」

って…類
何事もなかったかのように…

みんなしてあまり寝付けず、朝になり朝食を食べてたら

ピンポン!

「あっ、来たみたい」

ヘッ?
類、その箱はいったい…

「はい、これがパパの服」
「これはママ」
「進のはこれ」
「つくしのはそれ」
「類!なにこれ?」
「今日着てく服」
「エッ?そんな…」
「自分の服買ったついで」
「類、ありがと…」

類があたしの頭をくしゃってして微笑んだ
忙しいのにこんな事まで気を使ってくれて…
類、本当にありがと

あたしは類の運転する車に乗って、パパ達は迎えの車に
あたし、どっかの高級ホテルかなんかでお食事会だと思ってたけど、着いた先は
国会議員がお忍びでって感じの料亭だった
出迎えしてくれたのも一人だけで、誰に会う事もなく部屋に案内してくれた
あたしの家が一般家庭だから配慮してくれたんだと…

お食事会は結納とかそんな堅苦しい感じじゃなく、本当に和やかな感じだった
でも一つだけ…
類からダイヤの横にアクアマリンがついた婚約指輪を嵌めて貰った

翌日会社に行くと入り口の警備員のおじさんが深々とあたしにお辞儀をした
どうしたんだろ!?
いつも明るく挨拶してるのに…
受付の前を通ると、受付の女の人も立ち上がりあたしにお辞儀する…

???

重役専用のエレベーターの所に行くと、類の秘書の鈴木さんが立っていた

「鈴木さん!お疲れ様です」

また鈴木さんにもお辞儀され

「お待ちしておりました」

って鈴木さん…
あなたはあたしの上司ですよ!?
ワケわからないままエレベーターに乗り込み、秘書課に行…かず?類の部屋へ…

「類、なんか今日変なんだけど…」
「クククッ!つくし、はい、これ」

花沢物産御曹司 花沢類氏 婚約
お相手は一般人で、牧野つくしさん

ヒョエ~!
どどどうしたらいい!?

「これからはオープンだから♪」

類さ~ん
何でそんなに嬉しそうなんでしょう?
あ、あたしはこの先…

「だから首にかけている指輪はちゃんと薬指にしてね」

そう言うとネックレスを外し、指に嵌める
そのまま手を握られ、秘書課に連れて行かれた
秘書課に入ると

パン!パン!パン!
クラッカーのなる音

フェッ!
なななな…

驚いているあたしの前に相場さんが来て

「花沢部長、牧野さん!ご婚約おめでとうございます」

みんなから拍手が…
嬉しくて、嬉しくて、涙がポロポロでちゃって…

「あ、ありがとうございます」

そう言うのが精一杯
ポンポンと類に頭を叩かれて顔を上げたら

「プッ!」

な、なんでいきなり笑う!?
みんなも大笑い…

「つくし、クククッ!顔…パンダ!」

ヒェ~!

みんなに断りを入れ、化粧室へ猛ダッシュ!

「みんなありがと!これからもつくしと今までと変らず接してくれるとありがたいんだけど…」

そう言うと相場さんが

「皆解かっております。ご心配なさらずに」
「相場さん、いつから知ってたの?」
「クリスマス、ランチに行った時からですかね」

ふ~ん
さすがに社長の秘書候補だけあるね

「これからもつくしを宜しくお願いします」

と言い部屋に戻った