未来へ 1年目①


やっぱりF4は違う…
どんなけお金持ちなの!?
4月から始まるプロジェクトに向けて、英徳大学にF4専用の部屋を作ってしまった
それもセキュリティばっちりの…その上SPも常勤
SPが立っている扉を指紋認識で解除して入ると
まずは何人座れるの?って位のソファーセット、食事をするテーブル
そして左手の扉の先は勉強スペース
また更に奥には…
何故か、優紀とあたしの勉強部屋が個室で…
それから戻って、右手の扉はあたし達にも入れない、また更にセキュリティのしっかりしたF4専用のビジネスルーム
入ったことがないからどうなっているのかまったく解からないんだけど
会社へ移動する時間が勿体ないからって、講義に出る以外は殆どその部屋で過ごしている
かなり大掛かりなプロジェクトみたい…

あたし達T4はというと…
滋さんは大学から英徳に入り
桜子は高校だけど暇さえあれば『F4ルーム』に来ている
優紀も英徳大学に入学した
もちろんあたしも花沢類のお父様のお陰で、英徳大学に通わせて頂いている

花沢類の家に引っ越してから直ぐ、もう殆ど学校には行かなくても大丈夫だったので、あたしも花沢物産のアルバイトを始めたいとお父様に相談する為、花沢類と一緒にお父様の書斎に行き相談した

お父様から条件が出された
まずは
所属先:総務部
曜日:月・水・金
時間:夕方4時~7時
社内では大学の先輩・後輩以上の関係は伏せる事
これはお父様が、あたしが仕事をしやすいように配慮しての事
花沢類はムッとしてたけど…
その他の曜日は、語学勉強・礼儀作法など家庭教師について習う事
日曜日はお休み

こんな感じかな
もちろん

「精一杯やらせて頂きます!!!」

と即答して花沢物産のアルバイトを始めた


「ま、牧野つくしです!ほ、本日より宜しくお願い致します!」

すっごく緊張してて、声が上ずっちゃったけど
皆、優しく歓迎してくれた
さすがに大企業
ホントやる事が多くて色んな部署に行ったりして、頭に入れるのが大変だった

なんとか初日をクリアし、休憩室でホッとしてコーヒーを飲んでいると

エェッ???
いきなり綺麗なお姉さま方に囲まれる

「類様と同じ学校なのよね?」
「普段の類様はどんな感じなの?」
「類様とお話した事ある?」
「類様の声ってどんな感じ?」

などなど、質問攻め・・・

「大学も広いので遠くでしか見たことが・・・」

と無難にかわすが

「きゃ~~~!類様が歩いているところとか見てるのね」
「はぁ~・・・」
「羨ましい~~~!」
「そ、それ程でも・・・」
「類様の普段着ってどういう感じ?」
「Gパンにシャツ?」
「きゃ~~~!!!」


なんとかこの状況を抜け出し、会社を出て駅に向かう

「やっぱり花沢類ってすごいんだ・・・」
「俺がなに?」

エッ?
ゲェ~~~!!!

「牧野、迎えに来た」

迎えにって…
こ、こんなトコ見られたら…

キョロ、キョロ

「は、花沢類!く、車どこ?」

キョロ、キョロ

「牧野、挙動不審・・・」
「いいからぁ~~早く乗って!!!」

花沢類を車に押しやり

キョロ、キョロ
よし!バタン!

「牧野、随分遅かったね」

思わず花沢類を睨みつけて

「まったく誰のせいだと…ブツブツ」
「え?俺のせい?」

といいながらビー玉の目であたしを覗き込む
うわぁ///
ホントそれ反則だよ///

「ご、ごめん…ただ花沢類の事で、お姉さま方に質問攻めされちゃって」
「ふ~ん」
「やっぱり花沢類はすごいね」
「興味ない」

ったくこの王子様ったら…

「牧野になら興味あるけど?」

ヒャ~~~///

「な、なんでそう恥ずかしい事言うかな」
「だってホントの事でしょ」

あ~
もうどうにでもして///