Uneasiness⑪-3


あっ、司来たんだ

「はい、牧野」
「花沢類、ありがと」

ズキン…またか
最近やたらと頭が…

「久しぶり、司。なんか顔色悪いけど?」
「働きすぎじゃね?」
「ま~な、ババァのヤツ、次から次へとずっと休みなしで働かせやがってよ」

でもホント道明寺、顔色悪いけど…

「類様、申し訳ありませんが、そろそろこちらへお願い致します」
「うん、解った」

うわぁ~
とうとう…

「先輩、頑張って下さいね!」
「う、うん」
「牧野、お前はただ立ってるだけでいいんだから、んな緊張すんなよ」
「わ、解ってるけど…ハハハッ」
「牧野、行こ」
「ははは、はい」


「つ~かよ、あんな調子で大丈夫か、牧野」
「美作さんの言う通り、ただ立ってるだけですから、平気じゃないですか?まさか立ってていきなり倒れたりはしないと思いますから」
「おい、お前ら何の話してんだ?類と牧野、どこに行ったんだよ」
「おっ、司!」
「あぁ、総二郎」
「桜子、つくし達はまだ挨拶回りしてるの?」
「滋さん、さっきまでいたんですけど、花沢物産の人に呼ばれて行きましたよ」
「っていう事は…もうそろそろ始まるんだね!」

はぁ~?
そろそろ始まるって、ホントこいつら、さっきから一体何言ってんだ

「おい!話がちっとも解んねぇ~んだけど、これから何か始まるのか?」
「いいか、司。これから何があっても暴れんなよ」
「だから何だって聞いてんだろうが!」
「まぁ~いいから、黙って見てろよ。ほら、始まったから」



「え~皆様、お寛ぎのところ、申し訳ございませんが、只今から花沢社長よりご報告がございます。花沢社長どうぞ」

類と牧野…
何で二人が舞台に上がってんだ?

うっ…痛ぇ~

「皆様、本日は忙しい中、お越しくださりありがとうございます。私事で恐縮ではございますが、ここにおります息子、花沢類と牧野つくしさんが正式に婚約した事を皆様にご報告致します」

あ?
婚約だと…ズキン…ズキン…
牧野…
うっ、ダメだ

「あきら、悪りぃ…席はずすわ」
「おい、司。大丈夫か?とりあえず部屋まで行こうぜ」
「あぁ」
「総二郎、司が具合悪いから部屋行って来る。騒ぎになると不味いから後で来い」
「あぁ、解った」

牧野…
ズキン…ズキン…


花沢類がみんなに向かって話してるけど、ホント頭が真っ白で…

「ま~きの」

エッ!?
あれ、話終わったの?

「ククッ、牧野、終わったから舞台おりよ」
「あっ、うん」

花沢社長の後に二人で舞台をおりる

やっとホッとした…じゃない

次から次へと挨拶回りの時以上に人が集まって来る…
祝福してくれて、すっごく嬉しいんだけど
パーティー終わりの時間に近づいても、なかなか人が切れない

あれ?
花沢類の秘書の人、何か様子が…
どうしたんだろう

「牧野、もう切り上げて行くよ」
「は、花沢類?」

ホントどうしたの?
足早に会場を出て部屋に戻った

「牧野、すぐに着替えて。司が倒れて病院に運ばれた」

エッ!?
道明寺が…

「ど、道明寺…花沢類、だ、大丈夫なんだよね?どうして…そういえばパーティーの時、顔色が悪かった…何で早く気づいてあげなかったんだろう…」
「牧野、落ち着いて。命にかかわるわけじゃないみたいだから。とにかく行ってみよう」
「う、うん」