夏③


ちくしょ~
なんなんだ、コイツら!
俺様がいない間、牧野を上手く丸め込んで、何だかんだ言っては泊まりやがる
結局、島に行く日まで…

フン
悪いが今日は帰って貰うぜ!
付いて来なきゃ、あいつらどの島かわからねぇ~しな
誰にも邪魔はさせねぇ~
この日の為にあの島、貸し切ったんだ
リ、リベンジだぜ///

バン!

「キャ!どうしたの、道明寺。もっと静かに入れないかな」

あいつら、どこいんだ

「牧野、総二郎達はどうした?」
「あ~帰ったよ。今日から道明寺が休みだからって言ったら、すんなり」

はぁ!?
なんだ、あいつらも解ってんじゃねぇ~か
あいつらが帰るまではヘリも呼べなかったからな
ちっと遅くなっちまったが…

「んじゃ~ヘリ用意して行くか」
「うん!」 

「なんかさ、ホント贅沢だよね!休日を過ごすのに、わざわざヘリコプターで島に行くなんて。庶民からすれば考えられないよ」
「んな、貧乏くせ~事、言ってんな!結婚すりゃ~お前もこういう生活になんだから」

け、結婚って…///
そ、そうだよね
婚約してるんだから、その内そうなるよね///
今回は…婚前旅行かな///
ふ、二人きりでこんなゆっくりするのなんて、初めてなんじゃない?
フフッ、嬉しい///

「牧野、顔赤いぞ…まさかまた熱でもあんじゃねぇ~よな」
「な、ないよ!今回は、だ、大丈夫だからね」
「フッ、ようやく覚悟決めたか、散々待たせやがって」

なっ///

「な、なに考えてるのよ、道明寺は///そんな事言うなら引き返してもらうからね!」
「チッ、解ったよ。でもな、キスくらいさせろよ」

あっ…んん…
もう、道明寺ったら///


「つくしちゃ~ん!」

エッ!?
ウゲッ!く、くるしい…

「姉ちゃん!なんでいんだよ!つ~か、牧野離さねぇ~と死んじまうぜ」

はぁ~はぁ~
お姉さん、相変わらずで…

「ごめんね、つくしちゃん!もうずっと会ってなかったから、ついね!それより司、あんた私に内緒でつくしちゃんと旅行なんて随分なんじゃない?」
「確か貸切りにしたはずなのに、なんで姉ちゃんが…」
「あら、私だって嫁にはいったけど、道明寺の人間よ。そんな事くらい簡単に出来るわよ。司は相変わらずね、少しは頭使いなさい。さぁ~つくしちゃん、みんないるからプールに行きましょ」

お、おい待てって
俺様を置いて勝手に…
ん?姉ちゃん…み、みんなだと!

「「よぉ!」」

はぁ~なんでこうなるんだ…

「先輩!すっごくよく似合いますよ。やっぱりその水着にして良かったですよ」
「そ、そうかな///」

うぉ!
ま、牧野の水着姿…///

「ま~きの、すっごく可愛いね」
「あ、ありがと、類///」

なっ、類のヤツ

「牧野!お前の水着姿、みんなに見せんじゃねぇ~!プールに入ってるか、服着てろ」
「せっかく道明寺の為に選んだのに…そんな事言わなくたって」

俺の為にか…///
仕方ねぇ~な

「フン、まぁ~いいだろ。よく似合ってるぜ、か、可愛いな///」
「ありがと、道明寺///」

チュッ!

プールで遊んだ後、食事して花火して、酒飲んで…
はぁ~まったく
また牧野の寝顔を見るとは思わなかったぜ
呪われてんのか?
結婚するまで、ずっとこのまんまの気がするぜ
フッ、幸せそうな顔して寝てやがって
ホント可愛いな

まぁ~いいか
牧野が楽しんで、喜んでくれれば
俺はお前が笑顔でいてくれればそれでいい

チュッ

でもな、せっかく男避けの婚約指輪なのにしないてど~すんだ
類から聞いてるぞ
お前の廻りに男がウロチョロしてるってな
あんま俺に心配かけさせるな
フッ、これならはずさねぇよな

おやすみ、牧野

クククッ、司、今回もおあずけだね
朝から起こすからいけないんだよ
まだ俺、牧野諦めた訳じゃないし
まぁ~無理だって解ってるけどさ
少しは意地悪してもいいよね

牧野の傍にいて、牧野が司を大事に思ってるって、大好きだっていつも思い知らされてるんだからさ