未来へ①


つくし、優紀ちゃん共に無事、英徳大学を卒業した
2人共、トップ10に入る成績で
大学の卒業式にはF4は勿論出席したが、まさか俺の両親と総二郎の両親が出席するとは思わなかった…

式が終わった途端

「つくしさん、おめでとう!」

ってみんなの前でつくしを抱き締めた父さん…
つくしはすっごく喜んでたけど
それって俺の役目でしょ
花沢物産社長にバグられているつくしは勿論、注目の的
それにやっと気が付いて慌て離れたつくし
つくし、悪いけどもう一回注目されてもらうよ

「つくし!」

つくしが振り向くと同時にキスをした

「おめでと、つくし」

真っ赤な顔でパクパクしているつくしを、今度は俺が抱き締める

「おい、類!もういい加減にしとけよ、周りが煩い」
「うん、解った」

つくしを離すと
アレ!?
カチンコチンに固まってる…
クククッ
限界越えるとショートしちゃうんだね、つくし
つくしの頭をクシャクシャとして

「つくし、行くよ」

と手を握り会場を出た
やっと現実?に戻ったつくしは、俺の手を振りほどき、慌て父さん、母さんのトコに行き、お礼を言ってる
俺も側に行き

「父さん、母さん、つくしを支援してくれて感謝してます。ありがとうございました」

と頭を下げた

「ん、恩返しは数日後…類、楽しみにしてるぞ」
「はい」

~Tsukushi~

類達が手掛けているプロジェクトの最終調整が終わった
オープン1週間前に、あたし達T4を初めてその場所に連れて行ってくれた
道明寺の自家用ヘリに乗り込む

なぜヘリコプター!?
優紀と2人で???

「つくし、見て」

類に言われて下を見た

「あれが俺達が造ったヤツ」
「…」

優紀も西門さんに同じ事を言われ固まってる
あんた達…どんなけすごいワケ!?

「俺んトコのヘリポートに降ろすからな」

はい、どうにでもなさって下さい…
ヘリを降り、オープンまで会議室として使用している部屋に入った
簡単に説明するからと模型の前にたつ

まずは広大な敷地の中央に2棟ホテルが建っている
1棟は道明寺財閥
ちなみに今いる場所
もう1棟は花沢物産
花沢物産初めてのホテルになる
このホテルも屋上にヘリポートがあるらしい
2棟の間には教会があって、普段は閉まっているが、式をする時は天井以外フルオープンするらしい
そしてこのホテルの南北には、ズラッとアウトレットモール
敷地、東側は遊園地&スパ
ここは美作商事と花沢物産が
敷地、西側は日本庭園、イベントホールがある
こっちは道明寺財閥、西門家
大まかに説明が終わった

滋さんや桜子ならきっと慣れているんだと思うけど、あたしと優紀はさっきから言葉が出ない…

「じゃ~これから別行動しようぜ!見せたいトコ違うと思うからさ」

美作さんがそう言うとみんな出て行ってしまった

~Rui~

つくしの手を取り部屋を出た
クククッ
立ち止まりつくしの顔を覗き込んだ

「つくし、さっきから全然しゃべってないんだけど」
「ウォ!あ、あたしビックリしちゃって…」

真っ赤になって可愛いの
軽くキスをし、歩きながら説明した
司のホテルはビジネスを中心に建てられて、国際会議など出来るようになっている事
このホテルと花沢のホテルは5階以上は繋がっていて、花沢のホテルはファミリー向けに出来ている事
繋がっている廊下を通り抜けると

「うわぁ~さっきのホテルと全然違うね!なんかホッとする」

そう、こっちのホテルは暖かい感じ…つくしをイメージして建てたからね
東側が見渡せる窓際に連れて行った

「うわぁ~!ホントみんなすっごいよねぇ~遊園地つくっちゃうなんてさ!」

つくしは目を真ん丸にして見ている

「最初はスパはなかったんだけど、ククッ、日帰り温泉ってつくしっぽいと思って急遽つくってみた」
「庶民には日帰り温泉よ!こんな高級なホテルなんて、あたし達庶民には泊れないもん!オープンしたら一緒に行こうね」

…行くって
もしかしてスパの中で着る服を俺にも着ろって事?
ちょっと無理かな…
でもつくしなら似合いそう…ククッ

「なに笑ってるの?ねぇ~類!外に出ようよ!」

エレベーターに乗り、一階に降りる
そして外に…
2棟の間にある教会を見て、ビックリして口をポカンと開けてた
今日はT4に見せる為に、フルオープンさせている
全面の壁、入口は収納されオープンに
新たに側面、天井が張り出され、全部ステンドガラスになている

「うわぁ~太陽の光でキラキラしてすっごくキレイ…」
「この教会、1日1組限定で、こうやってオープンするのも時間が決まってるんだ」
「たった1組なの?」
「そ、もう2年先まで予約されてる」
「あたしもこの教会で式あげたいなぁ~」
「この教会がいいの?」
「だってすっごいキレイだし、類達が建てた教会だから…でもそうすると早くても2年後か…」

そう言いながら教会の中に入る

「類、すっごい!!!パイプオルガンがあるよ!!!」

さっきからつくし『すっごい』の連発なんだけど…

「あたし初めて見る!これって音が出るの?」
「もちろん」

指1本で音を鳴らしながらつくしがはしゃいでる
子供みたいで可愛い

「ねぇ~ねぇ~類、何か弾いて!」

弾いてって…
俺、ピアノしか弾けないけど…
う~んと悩んでると

「なんでもいいから早く!」

つくしにイスに座らされた
結婚行進曲ならなんとかなるかな?
俺も初めて弾くから解かんないけど…
弾き終わってつくしを見ると、目がウルウルしてる
ダメ…
つくし、その顔…ガマンできない
つくしを抱き締めキスをした
一度唇を離し、もう一度深いキスをする

「オイオイ、お前ら神聖な教会で…」
「本番まで取っとけよ、類!」

みんながぞろぞろ入って来た
せっかくいいところだったのに
ホント邪魔…

「さっき弾いてたの花沢さんですか?」
「そう、すっごいでしょ!」
「つくし、こんなすてきな教会で式をあげられたらいいよね!」
「滋ちゃんもこの教会で式あげたいな!」
「あたしもさっき言ってたの!でもね、2年先まで予約されてるみたいだよ」
「じゃ~最短でみんなで予約取っちゃおうか」

T4がはしゃぎながら話しているのを俺達は黙って聞いていた

~Tsukushi~

今日はプロジェクト披露パーティー
招待客が各国から来る為、4日間に分けて行われる
午前中はイベントホールでご挨拶とプロジェクトの説明
昼食を挟み、午後は各々敷地内を堪能して頂き、夜はパーティーとなる

午前中のイベントが終わり、あたし達T4が昼食を取っていると

「滋!ちょっと来い!!!」

道明寺が突然現れた

「エッ?司、なに?まだご飯食べてる途中…」

引きずるように滋さんを連れて行ってしまった
あたし達は1週間前にそれぞれ敷地内を見ていたので、午後からは部屋で寛ぐことにした
ホントはウロウロ歩き回っていると挨拶とか大変だから…
3時のおやつの時間になっても現れない滋さんをみんなで心配をしてると、美作さん、西門さん、類が部屋に入って来た

「滋さん、どこに行ったか知りません?」

桜子が美作さんに聞いた

「あぁ~色々準備があって忙しんだろ、気にすんな!」
「でも…」
「お前らも準備するんだろ、早く支度した方がいいんじゃないか?」

なんとなくはぐらかされた感じがしたけど
時計を見るとホントに時間がなく、慌てて支度を始めた

5時半、館内放送が流れた

『ご来賓の皆様、6時より教会にてイベントがございます。是非お越し頂きますようお願い申し上げます』

あたしも桜子も優紀も、そんなイベントがあるなんてまったく聞いてなくて…
あたし達はエスコートされるがまま教会に向かった

教会に行くとものすごい人だかり…
呆気に取られてると

「俺達はこっち」

教会の中に連れて行かれた

「ねぇ~類、何があるの?」
「ククッ、もう少しで解かるから」

ホントなんだろう???って考えていると、教会の前に真っ白いリムジンが
停まった
中から白いタキシードを着た道明寺が出てきて、リムジンの中に手を差し延べている
そして純白のウエディングドレスを着た滋さんが…

「うわぁ~!」

思わず声が出る

「これから司たちの結婚式だから」
「エッ?」

『ご来賓の皆様、只今より道明寺財閥 道明寺司、大河原財閥 大河原滋の結婚式を執り行います』

パイプオルガンから結婚行進曲が流れる
すっごく、すっごく滋さんがキレイで、嬉しくて…
涙がポロポロでっちゃって

「つくし、泣きすぎ。自分の時はそんなんでどうするの」

そう類に言われたけど、だってすっごく嬉しくて、か、感動しちゃって…

そして式が終わり、パーティーはそのまま披露宴になった
その頃
号外が出て、報道関係がこのプロジェクトと道明寺の結婚式を取り上げ大騒ぎになっていた