あたしが秘書課に戻ると既に類はいなく、お姉さま方に囲まれた…
…はい、全て白状致します
出来ればお手柔らかに…
「類様といつから?」
「こ、高校3年からです…」
「じゃ~前に車の中でキスしてたのは牧野さん?」
「///はい…///」
「この本には同棲してるって…ホント?」
「ど、同棲ではなく、同居です…」
「キャ~!類様と同じ部屋なの?」
「め、滅相もない…」
「でもやっぱりそういう関係よね?」
「…///そ、それに関してはちょっと…///」
いつまで続くこの状態…
だ、誰か助けて!
「みんな、もうそろそろ仕事に戻って!」
おっ!
相場さんありがと~!
何とか仕事を終えて類と家に帰ると、家の前に車が3台…1台はリモ
「やっぱり来てる…」
「道明寺達?」
「めんどくさい…」
家の中に入り、ガヤガヤとうるさいリビングに行くと
「ウゲッ!く、苦しい…し、滋さん…」
「つくし!婚約おめでと!」
「はぁ~はぁ~あ、ありがとうございます」
「牧野先輩が一番のりですね!」
「つくし、良かったね!」
ウッ、また涙が…
「つくし、またパンダになるよ、クククッ」
「ゲッ!お、お化粧落として、着替えてくる」
つくしが戻って来て、ワイワイ、ガヤガヤ始まった
「これでやっと安心できるな、類」
「ま~ね」
ここにまだ安心できないヤツがいるけど…
「そういえば会社の相場って人は?」
「知ってた」
「え?」
「クリスマスランチから気付いてたってさ」
「だから牧野に何年も手を出さなかったのか」
「みんなはしないの?」
「類、いきなりなんだ?」
「婚約」
「あ~俺んとこは優紀ちゃんの親と相談して今週の日曜日に予定してる。まさか類に先越されるとは思ってなかったよ」
「総二郎もかよ、じゃ~俺んとこもしようかな…その次の週辺り」
「オイオイあきら、勝手に決めて大丈夫なのか?」
「いつでもって桜子と言ってたから大丈夫だろ」
「司はどうするんだ?」
ククッ
司、さっきから超不機嫌
「おい!司!」
「あぁ?」
「司は婚約どうすんだ?」
「んなもん、知るか!」
青筋をたてながら、スタスタ飲み物を取りにいってしまった
「なに青筋たててんだ?」
「解からん」
「俺ちょっと婚約の話、桜子に聞いてくるわ」
「俺も優紀ちゃんと…」
司が戻ってくると
「類、ババ抜きしに牧野の実家行ったんじゃなかったのかよ」
「したよ、ババ抜き」
「じゃ~何でいきなり婚約なんだ?」
「お互いに好きだからでしょ」
「テメェ~」
「なに?司なに怒ってるの?」
「チッ!」
「解かってるよね、司。つくしは俺のものだから」
「フン!」
それから1週間後、総二郎が婚約
また更に1週間後、あきらが婚約
司は…3ヵ月後に渋々婚約した
~Rui~
俺とつくしが婚約したにもかかわらず、司が渋々婚約するまでつくしに執着していた
会社でも今までと変わらず、つくしにちょっかいを出し
相場さんから
「あれではどなたの婚約者か解りませんね…」
と呆られる程、殆どつくしと司は一緒にいる
つくしの事は信じてるけど、司、ちょっとやり過ぎなんじゃない?
もうそろそろ限界なんだけど
総二郎やあきらがいても相変わらず暴走…
つくしがいない時を見計らって
「司…」
「あぁ?類、なんだ」
「つくしをどうしたいの?」
総二郎、あきらがいたけど司に投げ掛けた
「何言ってんだ、類?」
「司、とぼけないで」
「と、とぼけてなんか…」
「つくしの事、今でも好きでしょ?」
「…」
「ちょっと待てよ、類!司は大河原と付き合ってるんだぜ、そんな事ないだろ」
「あきら悪い、ちょっと黙ってて…司、どうなの?」
「類…すまない、俺は今でも牧野が好きだ。忘れらんねぇ~」
総二郎、あきらがため息をついた
「司、俺はつくしを絶対渡さない!それだけは覚えておいて」
それだけ言って部屋を出た
無性につくしに会いたくて秘書課に行き連れ出し、思い切り抱き締めた
「類…どうしたの?」
不思議そうな顔をして聞くつくしにキスをし、もう一度抱き締める
「ごめん、つくしに会いたくて…こうしていたくて」
「類…あたしは類だけだから…類を愛してる」
『花沢類はあたしの一部なの』昔つくしが言ってた
俺にとってもつくしは俺の一部…
今だって俺が一番欲しい言葉を何も聞かず言ってくれる
「俺もつくしを愛してる」
~Tsukushi~
最近、類の様子がへん…
不機嫌とかじゃなくて
ん…
寂しそうな感じ…かな
久しぶりに美作邸に遊び行った
「フフッ♪つくしちゃんいらっしゃい♪ゆっくりしてしらしてね!フフッ♪」
相変わらずメルヘンな美作さんのお母様が出迎えてくれた
桜子と一緒に、美作さんのお母様が焼いたケーキを食べながら色々話をした
「ねぇ~美作さん。最近、類の様子がへんなんだけど…」
そう言うと美作さんは桜子と目を合わせ、ため息をついた
「鈍感な先輩でもようやく気が付いたんですね」
「鈍感って…桜子、あんたねぇ~」
「気が付くだけ、先輩も成長したんじゃないですか」
「もう、桜子ったら!でもホントに不機嫌っていう感じじゃなくて…」
「不安なんだろ」
「エッ?仕事は順調に進んでるんだよね!?」
「はぁ~…、そっちは大丈夫だ」
「じゃ~どうして…」
「なぁ~牧野、お前、類の事好きだよな?」
「なななな///なにを急に///す、好きだけど…///」
「じゃ~お前は類の事だけ見てろ、俺が言えるのはそれだけ」
「う、うん…」
何かよく解らないけど…
悩んでいると
「先輩、クッキーも焼いたんです、食べませんか?」
「あっ、うん♪」
「ウゲッ!お前らよくそんな甘い物ばっか…」
この後
類が来て、いつもと変わらない類だったから、すっかり悩んでた事すら忘れてしまった
~Akira&Sakurako~
「今日は花沢さん、普通でしたね」
「あぁ~そうだな、相変わらずラブラブって感じか」
「あれから道明寺さんの方は…」
「あの時、司には釘刺しておいたから、今は大人しいけど…」
「何か嫌な予感がする」
「オイオイ桜子、お前が言うとホントに起きそうな気がするから止めろよ!」
「うん、でも…心配」
~Tsukushi~
日曜日
あたしはお弁当を持って、花沢物産の屋上にどこも寄らず行った
前日の夜
「ねぇ~つくし…明日、天気いいかな?」
「いいみたいたけど、何で!?」
「明日また仕事なんだけど、お弁当作ってくれる?」
「うん、もちろん♪」
「じゃあ~屋上で食べよ」
「うん!きっと気持ちいいだろうね♪直接屋上行って待ってるね」
屋上でシートを敷いて、類を待ってると
「牧野、こんな所で何やってんだ?」
道明寺が来た
「類とココでお弁当食べようと思って…って何であんたがココに来るのよ」
「いや、お前を見かけたから」
「ヤダ、つけてきたの!?」
「うるせ~」
いきなり道明寺に抱き締められた…
エッ?
ななななに!?
「牧野…」
「ちょ、ちょっと道明寺…離して」
もがいていると、いきなりキスをされた
イヤ!!!
離れようとしても離してくれない
「牧野、俺は…お前が好きだ…忘れらんねぇ~」
「エッ!?そ、そんな事言われても…あ、あたし困る…と、とにかく道明寺離して!」
「類と別れて俺といてくれ…」
また強引にキスをする
「司、なにやってるの」
「類…」
道明寺の力が抜け、あたしは類に駆け寄り抱きついた
類が優しく抱き締めてくれる
類の心臓の音があたしをホッとさせてくれた
「司、どういうつもり」
ハッとして類を見上げると、今まで見たことがない…怒りに満ちた目で道明寺を睨み付けいた
類の背中をギュッとすると、まるで大丈夫だよって言ってくれているかのように、頭を撫でて、優しくあたしに微笑んでくれた
そして涙を手でそっと拭いキスを落とす
その様子を見ていた道明寺が
「やっぱり類には敵わねぇ~って事か…」
「司…」
「悪かったな…類…牧野」
この数日後
道明寺と滋さんは婚約した
あの後…
「つくし、司と二回もキスしてたよね…」
「あああれは、じ、事故みたいなもので…」
「はぁ~、つくしが浮気した」
「う、浮気って…ちょ、ちょっと類!」
「じゃ~お願い聞いてくれる?」
「お、お願いって…」
「みんなの前でつくしからキスして」
「む、無理~!」
…でも、F3、T3の前でやらされてしまった
あたしってやっぱり類に弱い…