未来へ 4年目②


あたしが秘書課に戻ると既に類はいなく、お姉さま方に囲まれた…
…はい、全て白状致します
出来ればお手柔らかに…

「類様といつから?」
「こ、高校3年からです…」
「じゃ~前に車の中でキスしてたのは牧野さん?」
「///はい…///」
「この本には同棲してるって…ホント?」
「ど、同棲ではなく、同居です…」
「キャ~!類様と同じ部屋なの?」
「め、滅相もない…」
「でもやっぱりそういう関係よね?」
「…///そ、それに関してはちょっと…///」

いつまで続くこの状態…
だ、誰か助けて!

「みんな、もうそろそろ仕事に戻って!」

おっ!
相場さんありがと~!

何とか仕事を終えて類と家に帰ると、家の前に車が3台…1台はリモ

「やっぱり来てる…」
「道明寺達?」
「めんどくさい…」

家の中に入り、ガヤガヤとうるさいリビングに行くと

「ウゲッ!く、苦しい…し、滋さん…」
「つくし!婚約おめでと!」
「はぁ~はぁ~あ、ありがとうございます」
「牧野先輩が一番のりですね!」
「つくし、良かったね!」

ウッ、また涙が…

「つくし、またパンダになるよ、クククッ」
「ゲッ!お、お化粧落として、着替えてくる」

つくしが戻って来て、ワイワイ、ガヤガヤ始まった

「これでやっと安心できるな、類」
「ま~ね」

ここにまだ安心できないヤツがいるけど…

「そういえば会社の相場って人は?」
「知ってた」
「え?」
「クリスマスランチから気付いてたってさ」
「だから牧野に何年も手を出さなかったのか」
「みんなはしないの?」
「類、いきなりなんだ?」
「婚約」
「あ~俺んとこは優紀ちゃんの親と相談して今週の日曜日に予定してる。まさか類に先越されるとは思ってなかったよ」
「総二郎もかよ、じゃ~俺んとこもしようかな…その次の週辺り」
「オイオイあきら、勝手に決めて大丈夫なのか?」
「いつでもって桜子と言ってたから大丈夫だろ」
「司はどうするんだ?」

ククッ
司、さっきから超不機嫌

「おい!司!」
「あぁ?」
「司は婚約どうすんだ?」
「んなもん、知るか!」

青筋をたてながら、スタスタ飲み物を取りにいってしまった

「なに青筋たててんだ?」
「解からん」
「俺ちょっと婚約の話、桜子に聞いてくるわ」
「俺も優紀ちゃんと…」

司が戻ってくると

「類、ババ抜きしに牧野の実家行ったんじゃなかったのかよ」
「したよ、ババ抜き」
「じゃ~何でいきなり婚約なんだ?」
「お互いに好きだからでしょ」
「テメェ~」
「なに?司なに怒ってるの?」
「チッ!」
「解かってるよね、司。つくしは俺のものだから」
「フン!」

それから1週間後、総二郎が婚約
また更に1週間後、あきらが婚約
司は…3ヵ月後に渋々婚約した


~Rui~

俺とつくしが婚約したにもかかわらず、司が渋々婚約するまでつくしに執着していた
会社でも今までと変わらず、つくしにちょっかいを出し
相場さんから

「あれではどなたの婚約者か解りませんね…」

と呆られる程、殆どつくしと司は一緒にいる
つくしの事は信じてるけど、司、ちょっとやり過ぎなんじゃない?
もうそろそろ限界なんだけど
総二郎やあきらがいても相変わらず暴走…
つくしがいない時を見計らって

「司…」
「あぁ?類、なんだ」
「つくしをどうしたいの?」

総二郎、あきらがいたけど司に投げ掛けた

「何言ってんだ、類?」
「司、とぼけないで」
「と、とぼけてなんか…」
「つくしの事、今でも好きでしょ?」
「…」
「ちょっと待てよ、類!司は大河原と付き合ってるんだぜ、そんな事ないだろ」
「あきら悪い、ちょっと黙ってて…司、どうなの?」
「類…すまない、俺は今でも牧野が好きだ。忘れらんねぇ~」

総二郎、あきらがため息をついた

「司、俺はつくしを絶対渡さない!それだけは覚えておいて」

それだけ言って部屋を出た
無性につくしに会いたくて秘書課に行き連れ出し、思い切り抱き締めた

「類…どうしたの?」

不思議そうな顔をして聞くつくしにキスをし、もう一度抱き締める

「ごめん、つくしに会いたくて…こうしていたくて」
「類…あたしは類だけだから…類を愛してる」

『花沢類はあたしの一部なの』昔つくしが言ってた
俺にとってもつくしは俺の一部…
今だって俺が一番欲しい言葉を何も聞かず言ってくれる

「俺もつくしを愛してる」

~Tsukushi~

最近、類の様子がへん…
不機嫌とかじゃなくて
ん…
寂しそうな感じ…かな

久しぶりに美作邸に遊び行った

「フフッ♪つくしちゃんいらっしゃい♪ゆっくりしてしらしてね!フフッ♪」

相変わらずメルヘンな美作さんのお母様が出迎えてくれた
桜子と一緒に、美作さんのお母様が焼いたケーキを食べながら色々話をした

「ねぇ~美作さん。最近、類の様子がへんなんだけど…」

そう言うと美作さんは桜子と目を合わせ、ため息をついた

「鈍感な先輩でもようやく気が付いたんですね」
「鈍感って…桜子、あんたねぇ~」
「気が付くだけ、先輩も成長したんじゃないですか」
「もう、桜子ったら!でもホントに不機嫌っていう感じじゃなくて…」
「不安なんだろ」
「エッ?仕事は順調に進んでるんだよね!?」
「はぁ~…、そっちは大丈夫だ」
「じゃ~どうして…」
「なぁ~牧野、お前、類の事好きだよな?」
「なななな///なにを急に///す、好きだけど…///」
「じゃ~お前は類の事だけ見てろ、俺が言えるのはそれだけ」
「う、うん…」

何かよく解らないけど…
悩んでいると

「先輩、クッキーも焼いたんです、食べませんか?」
「あっ、うん♪」
「ウゲッ!お前らよくそんな甘い物ばっか…」

この後
類が来て、いつもと変わらない類だったから、すっかり悩んでた事すら忘れてしまった

~Akira&Sakurako~

「今日は花沢さん、普通でしたね」
「あぁ~そうだな、相変わらずラブラブって感じか」
「あれから道明寺さんの方は…」
「あの時、司には釘刺しておいたから、今は大人しいけど…」
「何か嫌な予感がする」
「オイオイ桜子、お前が言うとホントに起きそうな気がするから止めろよ!」
「うん、でも…心配」


~Tsukushi~

日曜日
あたしはお弁当を持って、花沢物産の屋上にどこも寄らず行った

前日の夜

「ねぇ~つくし…明日、天気いいかな?」
「いいみたいたけど、何で!?」
「明日また仕事なんだけど、お弁当作ってくれる?」
「うん、もちろん♪」
「じゃあ~屋上で食べよ」
「うん!きっと気持ちいいだろうね♪直接屋上行って待ってるね」

屋上でシートを敷いて、類を待ってると

「牧野、こんな所で何やってんだ?」

道明寺が来た

「類とココでお弁当食べようと思って…って何であんたがココに来るのよ」
「いや、お前を見かけたから」
「ヤダ、つけてきたの!?」
「うるせ~」

いきなり道明寺に抱き締められた…

エッ?
ななななに!?

「牧野…」
「ちょ、ちょっと道明寺…離して」

もがいていると、いきなりキスをされた

イヤ!!!
離れようとしても離してくれない

「牧野、俺は…お前が好きだ…忘れらんねぇ~」
「エッ!?そ、そんな事言われても…あ、あたし困る…と、とにかく道明寺離して!」
「類と別れて俺といてくれ…」

また強引にキスをする


「司、なにやってるの」

「類…」

道明寺の力が抜け、あたしは類に駆け寄り抱きついた
類が優しく抱き締めてくれる
類の心臓の音があたしをホッとさせてくれた

「司、どういうつもり」

ハッとして類を見上げると、今まで見たことがない…怒りに満ちた目で道明寺を睨み付けいた
類の背中をギュッとすると、まるで大丈夫だよって言ってくれているかのように、頭を撫でて、優しくあたしに微笑んでくれた
そして涙を手でそっと拭いキスを落とす
その様子を見ていた道明寺が

「やっぱり類には敵わねぇ~って事か…」
「司…」
「悪かったな…類…牧野」

この数日後
道明寺と滋さんは婚約した

あの後…

「つくし、司と二回もキスしてたよね…」
「あああれは、じ、事故みたいなもので…」
「はぁ~、つくしが浮気した」
「う、浮気って…ちょ、ちょっと類!」
「じゃ~お願い聞いてくれる?」
「お、お願いって…」
「みんなの前でつくしからキスして」
「む、無理~!」

…でも、F3、T3の前でやらされてしまった
あたしってやっぱり類に弱い…