うわわわ、どうしよう
まだ心の準備が…
っていうか、マズいでしょ
手をつないだまま出ちゃったら
「し、支社長、あのこのまま出ては何かと誤解を招きますので…」
む、無視!?
はぁ~
ホント変わらないな、花沢類は
「とりあえず手だけは離して下さい…もう!ちょっと花沢類ってば」
「クスッ、やっと前の牧野に戻ったね」
まったく
ワザと無視しちゃってさ
「ねぇ~あんた、他に部屋空いてない?」
「申し訳ございません。あいにく本日は満席でして」
でもとりあえずは止まってくれて良かったよ
道明寺もそうだけど、花沢類も後先考えずに行動するからね
「じゃ~裏口に車まわして」
ん~でも道明寺は自分勝手で、花沢類の場合はマイペースって感じかな
いまだに手を離してくれないし
フフフッ、こんな状況だけど、ちょっと嬉しいかな
「…の、ま~きの」
へっ?
か、顔が近い///
「な、なにかな?」
「ホントに牧野だ。すぐ真っ赤になるとこ、変わらないね」
花沢類の方こそ全然変わって…
うわぁ!
「は、花沢類ったら、いくら海外生活が長かったからって、その抱擁はちょっと…」
花沢類…だ
ずっとずっと夢みてた
こうして花沢類に抱きしめられるのを
「ねぇ~牧野」
このまま離れたくないよ
「俺はずっとこのままでもいいんだけど、牧野が離してくれないんでしょ、クスッ」
ハッ!
やだ、あたしったら
「ご、ごめん…ほ、ほら久しぶりだったからつい、ハハハッ」
「お車をご用意致しました。マスコミには気づかれておりません」
車!?
ちょ、ちょっとどこに行くの?
「ありがと。牧野、行こ」
「は、花沢類?」
「牧野は今どこに住んでるの?司の邸、それも実家?」
あたしん家?
何でまたそんな事聞くかな
ど、どうしよう
「え~と…ひ、一人暮らししてるの」
「ふ~ん、それじゃ牧野ん家に行こ」
うわぁ~
ま、待って!
同じマンションに住んでるってバレちゃうよ
「あ、あのさ普通、女の一人暮らしの家に行かないでしょ」
「だってせっかくマスコミに気づかれないように出て来たのに、他の所に行ったらすぐ見つかっちゃうけど。クククッ、なんならホテルの部屋にする?」
ホ、ホテルって…
もし万が一見つかったら大変な事になっちゃうよ
仕方ない…
「あたしん家でいいよ」
どうせいつかはバレちゃうし、もしマスコミに見つかっても、みずきさんが住んでるマンションだから誤魔化しがきくからね
でもビックリしないでよ、花沢類