Uneasiness④-6


ククッ
多分、自然になんだと思うけど、牧野がずっと俺の頭を撫でてくれてて、なんか心地いい

「花沢さんと牧野先輩、それだけ仲がいいなら、鉄の女も大丈夫ですよね」

頭を撫でている手が一瞬ピクッとした

「みんな花沢類から聞いてたんだ…」

正直言って怖い

何を考えてるか解らないし、あたしの他にも特待生がいるのにどうしてあたしなのか…
昔、あれほど酷いことしてきたのに、何を企んでるんだろう
でも絶対に負けない!
あたしは何をされたって、花沢物産に入ってやるんだから!

「「解った」」
「了解!」
「解りました」

ヘッ!?
いきなりみんななに言ってるの???

「先輩、また口に出してますよ…」

ゲゲッ!

「まぁ~取り敢えずは、お前ら2人の仲はOKだろ。類の父ちゃんが鉄の女の動向は見てるし、牧野は西田さんがまた接触してくるかもしれないから、それだけ気をつけろ」
「あっ、うん…解った、美作さん」
「俺らが出来ることはやるからな!」
「つくし、あたしもつくしの為に出来る限り協力するからね」
「みんながいる事を忘れないで下さいね、先輩!」
「みんな…ありがと、ホントにありがと」


~○○大学~

はぁ~やっぱりね…

覚悟はして来たし、英徳高校で慣れてるから、だ、大丈夫だけど…

そこの女の人達、指差して人を白い目で睨まないように
それからそこの君、あたしはバイ菌じゃないんだから、そんな遠回りしないくてもいいんじゃない?

何が特待生は元から注目されてるって?
どう見たってあんた達のせいでしょうが!

エッ!?

ゲゲッ!
ダァ~もうダメだ…

「つくし~遊びに来たよ」

はいはい…
もうお好きなように…


~学長室~

「田中教授、あれはたしか…大河原財閥の令嬢と三条家の令嬢」
「えぇ、そのようですね、学長」

大河原財閥とも知り合いなのか…牧野つくしさんは

「今年の特待生の中で一番優秀で企業内で注目されてるが、卒業後は花沢物産で決まったものだと思っていたが…」
「えぇ、私も…まさか道明寺財閥が…」
「この大学は個人を尊重して、一切企業からの寄付金は貰わないと知れ渡っているのに…道明寺財閥は何を考えているのか」
「一昨日は驚きました、一億の小切手をポンと差し出して…」
「あの道明寺財閥の秘書、ここに来る前に牧野さんに接触したが、上手く交されたみたいだな」
「おそらく、牧野さん本人と交渉出来ずに、こちらへ…」
「私は個人の自由で卒業後の進路を決めて貰いたい…お金で解決しようとするのは特に好きではないんでね」
「私も同感です。牧野さんは本当に優秀な学生です。教えがいがあって、これからが楽しみですよ」