~Tsukushi~
「お疲れ様です!本日も宜しくお願いします!」
と言った瞬間、お姉様方に囲まれる…
「本当なの?」
「エッ!?」
「類様と車中でキス?」
「エエエェ~!?」
「類様の彼女?」
「あっ…ア、アレはですね///」
「いてもおかしくないわよね…」
ん?
「あれだけパーフェクトな方だもの…」
ヘッ!?
「その方が羨ましいわぁ~類様とキス出来るなんて」
バ、バレてない!?
「クククッ!」
ハッ!
ウゲッ!?
「牧野さん、ちょっといいですか?」
秘書の鈴木さんに声をかけられる
「明後日までにここに書かれている物を用意して頂けますか?」
「はい、畏まりました」
と頭を下げ顔を上げると、花沢類は天使の微笑みを残し秘書の鈴木さんと去って行った
それからず~と社内では、花沢類の彼女話が暇さえあれば聞こえてくる
色々な部署で世間話のように話題にあがり、その度に顔が引きつりながらも、適当に言葉をかわす
はあ~
つ、疲れる…
でも花沢類ってホントすごっ!
「牧野さん!」
「は、はい」
振り向くと秘書課の相場さんが立っていた
「牧野さんも花沢部長のファンなの?素敵な方だもんね」
「エッ?」
「あ~今、ハハハッ!一人言…プッ!言ってたから」
ゲッ!
またあたしヤっちゃった!?
「いいいえっ!滅相もない!!!」
「じゃ~俺にもチャンスがあるかな?」
「何がですか???」
「ハハハッ、何でもないよ、じゃ!」
どうしたんだろう?
まっいいか!
仕事、仕事♪
あたしはこの様子を花沢類に見られていたなんて、まったく気付いていなかった
~Rui~
何度こういう場に居合わせただろう…
牧野が鈍感のお陰で取り敢えずは何もないけど…
このままじゃ…
フランスに電話をかけた
「父さん、俺、類」
「類から電話なんて珍しいな」
「気が付いてたでしょ」
「つくしさんの人気かい?」
「うん」
「あれだけ性格がいいし、可愛いんだから仕方がない事だと思うよ」
「バラしてもいい?」
「いや、最低でも後一年は駄目だ」
「どうして?」
「考えている事がある。何故つくしさんを総務に入れたか…これがヒントだ、類」
なぞなぞか…
でもその答えは初めから解ってるけど
さぁ~て
これからどうやって牽制しよう…
鈍感な姫はホント世話がやけるよ…