夏②


チッ
なんで俺様があんなくだらねぇ~東京観光に付き合わされなきゃいけねぇ~んだ!
お陰で仕事が終わらなくて遅くなっちまったじゃねぇ~か

「タマ!牧野はどこだ」
「はいはい、少しは落ち着きになられたと思っていましたのに、相変わらず坊っちゃんは…」
「いちいち煩せ~ぞ、タマ!牧野来てんだよな?」
「来てますよ、応接の方に…まったく坊っちゃんは人の話を最後まで聞く事も出来ないのかい。仕方ないね、つくし、あんたに任せたよ」

ダダダダッ
バン!

「牧野!…」
「「よぉ!」」

はぁ!?
総次郎、あきら…滋と三条まで

「司、お疲れ」

類…
チッ
お前ら、帰って来て早々、来る事ねぇ~だろうが

「おい、類。牧野はどこいんだ?」
「あそこ」

あ?
なんでこんなトコで…コイツ寝てやがる

「てめぇ~ら、牧野になに酒飲ませてんだよ!」
「ごめ~ん、司!つくし、緊張して喉が渇いたって言うから、ワインあげたらグビグビ飲んじゃって…ハハハッ」

はぁ?
ぜってぇ~わざとしか思えねぇ~な

「てめぇ~ら、もう帰れ!」

ったく、ふざけやがって

「きゃ~!司、カッコいい~!お姫様だっこだぁ~」

フン、うるせ~
誰のせいだと思ってんだ!

バン!

「クククッ、今日はおあずけだね、司」
「いや、今日も、だろ」

まったくアイツらのせいで…
牧野も牧野だ!
酒が弱いくせにワイン一本空けやがって

「…んん…どう…みょうじ」

あ?
牧野、起きたのか?
んなはずねぇ~よな
あんなけ飲んでて、コイツが起きる訳ねぇ~し
寝言か…
俺様の夢でも見てんのか?
フッ
か、可愛いじゃねぇ~か///
でもよ、なんかいつもコイツの寝顔ばかり見てる気がするな
牧野…どんどん綺麗になりやかって
ちくしょ~
これじゃ、ヘビの生ころがしじゃねぇ~か!
まぁ~キスくらいしてもいいよな

チュッ!

「…んん…」

チッ!
寝返りうって、ソッポ向いてんじゃねぇ~よ
仕方ねぇ~今日のところは我慢してやる
フッ、まだ一週間あるしな

「ん~よく寝た!アタタタ…頭が痛~いって…あれ?ここ何処よ」

エッ!?
ど、道明寺!
あたし…ふ、服…着てる
良かったぁ~

「良くねぇ~よ!まったくお前は、俺様が帰って来るってぇ~のに、ガバガバ酒なんか飲みやがって!」

うぉ!
お願いだから道明寺、大きな声出さないで…あ、頭が…

「ハハハッ…おはよ…それと…ごめん、道明寺」
「フン!タマが昨日、薬用意してたぜ。お前が起きたら飲ませろだとよ。どうせ二日酔いになるだろうからって呆れてだぞ」

ハハハッ…タマ先輩、さすがよくお解りで
なっ!な、なんで道明寺
は、裸なのよ///

「あ、あのさ、なんか服着なさいよ///」
「あ?なに今更テレれてんだ。ほら、これ飲んだらシャワー浴びて来い」
「あ、ありがと///」

ガチャ

「「よぉ」」
「あ?お前ら、朝から何でココで飯食ってんだ!」

あれ?
西門さんと美作さん…
昨日あれから泊まったんだ
まぁ~部屋は余る程あるからね!

「おはよ、西門さん、美作さん」
「ま~きの、おはよ。二日酔い大丈夫だった?」

あっ、類も泊まったんだ

「おはよ、類!薬飲んだから大丈夫だよ。昨日はごめんね、ハハハッ、飲み過ぎちゃって」
「牧野!類と朝から喋ってんじゃねぇ~!」

ハッ?
普通に朝の挨拶しただけじゃない!
まったく、朝からなに青筋たててんのよ

「ほら、道明寺は時間がないんだから怒鳴ってないで、朝ごはん食べよ」

あれ、桜子と滋さんは…帰ったのかな?

「お嬢様二人はまだ、夢の中なんじゃねぇ~か。朝方まで飲んでたからな」

フフッ
桜子、きっと滋さんに無理やり付き合わされてたんだよ

「牧野、もう大学は休みだよな。俺様が日本にいる間は邸にいろ!解ったな」

ヘッ!?
まぁ~バイトもお休みしたし、特に何もないからいいけど…

「お前らは邪魔すんな!さっさと帰れ」
「おいおい、司。俺らも大学休みだぜ。少しくらいゆっくりしててもいいだろ」
「ほら、つくしちゃん。旦那様がお出掛けの時間だぜ。行ってらっしゃいのチューくらいして来いよ」

なっ、西門~!

「牧野、来い!」

ヒャ~
朝からなんでこんな機嫌が悪くなれるのかな…

エッ!?
ちょ、ちょっと…
…ん…んん…

「じゃ~行くわ」
「い、行ってらっしゃい…」

な、なに考えてんのよ、道明寺は///

「つくしも随分ヤルようになったじゃないか。人様の前でチューなんて」

タ、タマ先輩!
はぁ~