心の扉⑧-1


今日はこれで二度目
花沢類に抱きしめられるの
ホント安心する

「司と何かあったの?それとも司の母ちゃん?」

いけない
泣きやまないと誤解されちゃう

「ううん、花沢類と久しぶりに会えたから嬉しくって」
「さっきは他人のフリしてたくせに」 
「ハハハッ…ごめん。だって急だったからどう説明したらいいか解らなくてつい…」

今だってなんて言おうか、どこから話させばいいか、まったく考えてないのに

「それでヒントはくれるの?」

ど、どうしよう
もちろん花沢類が好きだって言うのは言えないけど、他の事なら話しちゃっても大丈夫だよね?
でも待って
NYに行ってすぐ道明寺とは別れたって言ったら…

「司と別れたの、牧野。NYに行ってすぐ…」
「な、なんで解ったの」
「クククッ、ホント変わらないね、牧野は」

はぁ~
またやっちゃったよ
ってヤダ、最初から声に出してたかも

「あ、あの…」
「それでどうして別れたの?」

あれ?
もしや聞かれてない…みたい
あ~良かった

「え~とね、道明寺がNYに行ってから一年間、色々とよく考えたの。あたしはこのまま道明寺についていけるのか、本当に道明寺が好きなのかって」
「司の事、好きじゃなかったの?」

あなたが…
花沢類が心の中にずっといたから
花沢類と離れるって考えた時、胸がキュッと痛くなって…

「本当に好きだったのか解らない。道明寺とは色々ありすぎて、あっという間に付き合う事になってたから」
「まぁ~確かにそうだね。司の母ちゃんは最強だし、司も強引だったしね」
「ハハハッ、ホントあの親子には振り回されたよね」

今は二人にすっごく感謝してるけど