~Rui~
ねぇ~牧野、たしか父さんに会うの緊張するぅ~って言ってなかったっけ?
車に乗ってすぐ寝ちゃって…
「牧野、起きて」
「う~ん…」
ねぇ~牧野、ホント緊張してるの?
もう邸に着いたんだけど
「起きないとキスするよ」
「う…うん…ううう、プハァ、ハァ~ハァ~…は、花沢類///寝てるのにキ、キスなんかしてぇ///」
ククッ、牧野
今、何に乗ってどこにいるのか解ってる?
「牧野が悪いんでしょ、寝ちゃうから」
プッ!
キョロキョロして、やっと解ったみたいだね
「ハハハッ、もう着いてたんだね…ご、ごめん」
それじゃ~後もう一つ思い出させてあげないとね
「ねぇ~牧野、これから何があるか覚えてる?」
「ヘッ!?あっ…うわぁ~!ど、どうしよ、まだ心の準備が…」
大丈夫でしょ、緊張してても寝られるくらいだから、牧野は
「類様、つくしさん、お帰りなさいませ」
「ただいま、加代さん」
「た、ただいまです」
プッ!牧野
今さら加代さんに緊張してどうするの
「加代さん、父さんは?」
「はい、もう既にお戻りになられて、お二人をお待ちですよ」
って…牧野…
「手のひら舐めて何してるの、牧野」
「花沢類知らないの?これは舐めているんじゃなくて、手のひらに『人』って字を書いて飲み込んでるの。緊張しないおまじないだよ」
ふ~ん
変なおまじない
なんか効かなそう
「あっ!今、効かなそうって思ったでしょ」
ククッ
牧野、今日は珍しく鈍感じゃないんだね
「だって牧野、車で爆睡しちゃうし、緊張してる風には見えないから」
「これでも人並みに緊張するっつ~の!」
「クククッ、解ったから。父さん、待ってるし行こ」
~Tsukushi~
うわぁ~緊張する…
花沢類のお父様って、威厳がありすぎなんだもん
でも…もう今さらだよね
よ~し!!!
「プッ!牧野なんでガッツポーズしてるの、ククッ」
ゲッ!
見られてた!?
「いや~ちょっと気合い?ハハハッ…」
花沢類があたしの頭をポンポンと叩く
「大丈夫だから、いつもの牧野でいいからね」
天使の微笑みであたしを見た
なんかすっごくホッとする
花沢類がいてくれるから、きっと平気だよね
「うん!」
コンコン
ガシャ
「類様とつくしさんがお帰りになりました」
花沢類のお父様が立ち上がり、こっちを見た
「父さん、遅くなりました」
「お待たせ致しまして申し訳ありません」
頭を上げると
ヘッ!?
花沢類と同じ優しい目で微笑んでる…
「お帰り。つくしさん、固い挨拶は抜きにして、緊張なさらずに楽しい食事をしよう」
「は、はい」
なんかいつもと雰囲気が全然違うんだけど…
「牧野、座ろ」
「あっ、うん」
「良かったら、加代さんも一緒にどうだい?つくしさんもその方が楽しめるんじゃないかな」
エッ?
加代さんも一緒!?
やったぁ~嬉しい!
温泉の話もしたかったし♪
「旦那様、ありがとうございます。では、お言葉に甘えて」
最初はホント心臓バクバクだったけど、すっごく楽しい食事だった
もちろん料理もめちゃくちゃ美味しかったし♪
フフッ、大満足!
「つくしさん」
ハッ!
「ああああ、はい」
「類の仕事の事は聞いてるかな?」
「あっ、はい、草津温泉で話を聞きました」
「フランスに行ったら基本的には2年半帰って来れないが、離ればなれになっても大丈夫かい?その間に気持ちが離れてしまうかもしれないよ」
「父さん!」
咄嗟に花沢類の手を握った
あたしは大丈夫の意味を込め、手をもう一度ギュッとする
「たしかにすごく寂しいとは思います。でも2人で見つめる未来はただ一つ。今離ればなれなっても、それに向かってお互いに努力して辿り着くだけです。あたしは花沢類を信じています」
「ん、つくしさんの気持ちは十分に解ったよ。それでは、2人の未来に向かって私にも少しお手伝いさせてもらえないかな?」
エッ!?