未来へ②


2日目
初日と同じように午前中のイベント後、みんなで昼食を取っていると

「桜子、ちょっといいか?」

美作さんが桜子を連れ出した

「もしかして桜子も滋ちゃんと一緒かもよぉ~」
「桜子は勘がいいから、もしそうならあんなにキョトンとしてないって!」
「でもつくし、案外自分の事だと桜子さんでも鈍るかもよ!」

冗談で笑いあってたら、ホントに桜子の結婚式だった…
滋さんのウェディングドレスは、素晴らしいプロポーションを持つ滋さんらしく、身体のラインが出るストレートな感じだったけど
桜子のは丈が短く、すっごく可愛いドレスだった
おとぎの国のお姫様みたい…
あたしは今回も涙ポロポロ
類に

「あまり泣くとパンダになっちゃうよ、クククッ」

と笑われて…
でも優しく涙を拭いてくれた

披露宴の時、滋さんに

「次は優紀ちゃんかつくしかもよぉ~」

なんて言われたけど

「「あり得ない」」

お祭りコンビのようにハモって否定した
だってあたしも優紀もまだ修行中って言うか、まだまだ覚えなきゃいけない事が沢山残ってるもん!
でもすっごく羨ましい!
あの教会で式を挙げられるなんて!

この日も号外が出て、マスコミは次は西門家か花沢家か、とまたも大騒ぎになっていた

3日目
西門さんから朝、電話があった
優紀の具合が悪いから、今日は夕方から出席するって
滋さん、桜子と

「具合が悪いのに夕方からから出て来るなんて大丈夫なのかな」
「無理しなくてもいいのに」

って心配してたけど…
西門さんにまんまとやられた!

今日のイベントは優紀の結婚式
マスコミが煩いから予定を変更したんだって
まったく、ホントに心配したんだから!!!

でも今日の優紀はすごくキレイで
桜子のと同じように可愛い感じのウェディングドレスだけど
優紀のは丈が長くて古風な感じのドレス
優紀にものすごく似合ってる
誓いのキスの時、優紀の頬に一粒の涙がこぼれたの
それがとっても、とってもキレイだった
優紀、幸せになってね!

連日の盛大な結婚式で、この教会の問い合わせが殺到してるって類が言ってた
とにかく予約をって人達が沢山いて、3年先まで一杯になってしまったらしい
あ~ぁ、あたしの結婚式は早くて3年後か…

「先輩、何を言ってるんですか!先輩の結婚式は明日ですよ」

ヘッ!?

「つくし、全部声出して言ってるよ!ハハハハッ!!!」

ゲゲッ!?

「マスコミが最終日のイベントはつくしの結婚式って騒いでるよ!」
「エッ!?そんなのあり得ないよ」
「そう思ってるのは先輩だけですよ」

だって類から何も言われてないし、ドレスだって用意してないし
昨日、ママに電話したら至って普通だったもん
もし結婚式って解ってたら電話口で小躍りしてるはずだしね

最終日
花沢邸の周りは、マスコミの人達で大騒ぎになっていた
今日、あたし達の結婚式があるんじゃないかって
でもあたし達は昨日、花沢物産のホテルに泊まった
マスコミが押しかけて来るだろうと予測して、類が手配していてくれたらしい

ピンポン

「類、誰か来たみたい」
「悪い、つくし出てくれる?」

ドアを開けると…

「「「つくし!」」」

ヘッ!?
な、なんでパパとママそして進がいるの???

「パパ、ママ、進、おはよ」
「「「おはようございます」」」
「昨日はゆっくり眠れた?」
「「「はい!」」」

はい?
何がどうなってるの…
???

ピンポン

ヘッ!?
また誰か来た…

「「おはようございます」」

今度は類のお父様とお母様…
なに!?なに!?
なんで朝からこんな大勢集まってるの!?

???

「母さん、頼んでいた物、用意出来てる?」
「もちろんよ!つくしさんのお母様と一緒にバッチリ!」
「ありがと」

あの~話がまったくみえないんですけど…

「つくし、こっち来て」
「あ、うん…」

大きな箱の前に立った

「開けてみて!ママと母さんから、つくしへのプレゼントだよ」

開けてみると…
純白のウェディングドレスが…
思わず類を見た
類は天使の微笑みで

「今日は俺達の結婚式だよ」って…

あたしは今、類のお母様とママがプレゼントしてくれたウェディングドレスを着て、リムジンに乗っている…
類が

「つくし、ホントにすっごくキレイだよ」

と抱き締め、そしてあたしの手にキスをし

「永遠につくしは俺のものだからね」

って…
涙があふれそうになる…


「こんなキレイなつくしを誰にも見せたくないけど…行くよ」

類がリムジンから降り、中にいるあたしに手を差し伸べる
教会の前に立つと大きな拍手が…
震えるあたしを類が優しく支えてくれる
天使の微笑みをあたしに向けて、パイプオルガンの音に導かれながら、神聖な教会の中に入る

2人で永遠の愛を誓い、指輪を交換する
そして誓いのキス

「つくし、愛してるよ」
「あたしも、類を愛してます」

類達のプロジェクトは大成功した
後から聞いたんだけど、それぞれの親から交換条件を出されていたらしい
プロジェクトを引き受け成功させたら、結婚相手を含め自由にしてもいいと
でもそれをやってのけちゃうF4ってホントすごい
そこら辺のジュニアとは違うって感じ!
その中の一人が、あ、あたしの旦那様なんだよね///

サプライズ結婚式の数日後
花沢邸にT4が集結!
滋さんが

「F4にはまんまとやられっちゃったから、今度はこっちがサプライズってどう?」

ってワクワクしながら話す

「何を企むんですか?」
「そんな嫌な顔しないで、桜子!」

桜子じゃないけど、滋さんいったい…

ジャジャン!
パサッ!

な、なんで垂れ幕???

『みんなでF4ジュニアをつくろう会』

はい?

「滋さん、それって何ですか?」
「え~と、みんなでいっせ~のせで子供をつくって、F4ジュニアバージョンにするの!!!」
「「「…」」」
「滋さん、同級生っていうのは出来るかもしれませんが、みんな男の子っていうのは無理ですよ」
「桜子と優紀ちゃんのトコは大丈夫よ!」
「なんでですか?」

優紀が不思議そうに聞く

「だって上手いと男の子っていうじゃない」
「なっ///」
「問題はうちとつくしのトコよねぇ~類君はどうなの?」
「し、滋さん///」
「まぁ~取り敢えずは、同級生をつくるって事でお願いね!」

それから数ヵ月後

滋さんとあたしが妊娠した
滋さんは5月初旬
あたしは5月中旬に出産予定
そして1ヶ月後
優紀が…6月初旬予定
その後遅れること4ヶ月
桜子も妊娠した
10月下旬出産予定

滋さんの思惑通り、男の子っていうのはまだ解からないけど…

~完~