そんなこんなで、あっという間に大学が始まる
その間アルバイトをして気がついた事
電話でも書類でも、英語・フランス語がすっごく多い
英語は共通語だし…
フランスは花沢物産の本拠地だし…
このままじゃいけない!!
花沢類に事前に相談したら
「いいんじゃない、頑張りな」
って言ってくれた
よし!実行!!!
入学したその日、早々に『F4ルーム』に行く
入学式の日だからもちろん授業がなく、みんな集合していた
バタン!
「お願いがあります!」
みんなして目が点…
ハッ!
そうだよね、入って来ていきなりじゃ…
西門さんが呆れたように
「牧野、入って来て早々なんだよ」
「クククッ」
は、花沢類、そんなトコで笑ってないで…
「あっ、ご、ごめん…///」
「ちゃんと聞いてやるから落ち着け」
美作さん、優しいね…
「クククッ、牧野、こっち座れば」
「う、うん…///」
「え~とね、みんなに協力して欲しい事があるの…」
「だからなんだよ!早く言え!!」
もう!道明寺うるさい!!
「んと、英語を完璧に覚えたいの!だからえ~と」
「これからはすべて英語で話すって事か?」
「うん…普通のおしゃべりでも、電話でも…ダメかな?」
「「「了解!」」」
「滋さん、桜子、優希も宜しくお願いします!」
「「「OK」」」
「優紀ちゃんもこの機会に覚えるものいいと思うよ、最近は茶道のお客様、外国人が多いからね!」
「はい、頑張ってみます」
つうかぁ~西門さん!
あたしとは随分態度が違うのね…
よし!次は…
花沢邸の夕食時
「あの~お願いがあるんですが…」
「あら、どうしたの?」
「え~と…」
「遠慮しなくていいよ」
「はい…え~と、これから花沢の家にいる間、フランス語で話をして頂きたいと思いまして…」
「ハハハッ!そういう事か!」
「はい、少しでも早く覚えたくて…」
「この邸は使用人も話せる人間が多いから皆に頼んでおくよ」
「有難うございます」
はぁ~
今日はホント疲れたぁ~
でも何とかみんなにお願い出来たし…
ん?んん??
コン!コン!
「牧野、入っていい?」
「はい、どうぞ!」
引越しをしてから、いつも夕食が終って2時間位、花沢類と部屋で寛ぐのが日課になっている
花沢類は学校では講義以外ほとんどビジネスルームにこもっているし
会社にも来ないし…
この時間があたしにとって、すっごく貴重な時間なんだよね!
「ねぇ~牧野」
「なぁに?」
「あんたさぁ~英語は何とかなるかもしれないけど、フランス語大丈夫なの?」
ハッ!
そういえば、さっきそれ考えてたんだ…
「い、いきなり全部フランス語は…ハハハ…」
「今だってさ、ホントはフランス語で会話するんでしょ?」
「ウッ…」
「俺がフランス語と日本語で同じこと言うようにするよ」
「花沢類…」
「牧野も解かるトコは自分で訳すようにしてさ」
「ありがとう」
「じゃ~ご褒美は?」
な~んか花沢類のその目…
「な、なにをお望みで…」
「フフッ!牧野からキスかな」
ボッ///
「む、無理///」
「ダメ?」
ダメって…
あ~またビー玉の目で///
……チュッ!
ホント花沢類に弱いな…
あたし
キャ!
「そんなんじゃ足りない…」
今度は花沢類が抱き締め、キスをした
何度も角度をかえ、深いキス…
「うんん…」
息が漏れる
ようやく唇を離すと
「これ以上したら我慢できなくなるから」
と花沢類は部屋に戻っていった
~Rui~
お気に入りの牧野の側を離れたくなくって、日本にず~と滞在していた父さん…花沢物産社長
とうとう限界が来て、心配だからと母さんを日本に残し、フランスへ戻って行った
今日は牧野のバイトの日
父さんの代わりに滅多に行かない会社へ顔を出す
秘書室の前を通り過ぎようとした時、聞いた事のある声が耳に入る
開かれているドアから見ていると
「相場さん、これここに置いておきますね!それと頼まれていた物ですが、品切れで明後日に来るそうです」
「いつもありがとう!牧野さんはいつも元気があっていいね!」
「それだけが取り柄ですから!」
ガッツポーズをしている
「ハハハッ!君のその笑顔が見たいからちょくちょく備品を頼もうかな!」
「あ、相場さんったら///で、では失礼致します」
牧野に気付かれないように俺の部屋、部長室に入った
なに今の!?
心の中で思っていると、俺付きの秘書『鈴木』が
「牧野さんは明るくて可愛い上、皆に優しく気が利くので今、社内でとても人気者なんですよ」
聞きもしないのに説明してくれた
秘書の鈴木は俺と牧野の事を知る数少ない人物だ
「ふ~ん」
とだけ答え
不機嫌のまま仕事につく
秘書の鈴木に
「俺の車で一緒に帰るから終わったら地下の駐車場に来るように牧野に伝えて」
といい仕事に没頭した
仕事が終わり車で待ってると、パタパタと駆け牧野が来た
「花沢類!会社に来てたんだね///」
赤い顔をしながら俺に笑顔を見せる
可愛い…
思わずキスをする
牧野は驚いて離れようとしたけど、離さずそのままキスを続けた
俺はあの時見た光景を思いだし
その笑顔は俺だけのもの
牧野の唇を少し噛み口を開かせると、牧野の舌を絡め取るように深いキスをした
「ウッン…ン…」
牧野の声を聞き、また更に激しく口内をまさぐる
その時、一台の車が前を通りすぎる
唇を離なしようやく牧野を解放した
「行こうか」
トロンとした目で見つめる牧野が愛しくて、またチュッ!っと軽くキスをした
それで頭が動きだしたのか
「はははは花沢類!!!ここここんなトコで///うっ…もう恥ずかしい///」
「ダメだった?」
「ダダダメ~!!!」
「いいじゃん!もう恥ずかしがる仲じゃないんだし」
「わわわぁ///」
俺達は俺の誕生日に
「何が欲しい?」
と言う牧野自身をプレゼントして貰って結ばれた
クククッ!
ポンポンと頭を叩き、牧野に笑顔を見せ、家に向かった