心の扉⑤－３
ふわぁ～
よく寝たってここどこ？
っていうか何でこの人、隣で寝てるの
「んん…」
まったく覚えてない
よく寝たってここどこ？
っていうか何でこの人、隣で寝てるの
「んん…」
まったく覚えてない
確かこの人の家で食事してワインを飲んでて眠くなって…
そのままこの人の家で寝てたって事か
「る、類さん、起きてらしたのね。お、おはようございます」
まさかね
「…あのさ」
「あ、あの…る、類さん、会社に遅れるといけないから先にシャワーをどうぞ」
話してる時間はない
着替えに邸へ戻らないと
「どこ」
「あっ、そうよね。初めていらしたのに…ここです」
ふ～ん
下着や部屋着まで用意してあるなんて、俺が泊まるのは想定内って事か
まぁ～婚約してるんだから普通なんだろうけど
それにどうせこの人と結婚するんだし、何かあったとしてもそんなのどうでもいいし
でもまったく身に覚えはないんだけどね
ガチャ
「あっ、類さん。まだ時間はあるから朝食をどうぞ」
「悪いけど邸に戻るから」
「着替えでしたら何着か用意して…あ、あの類さんがいつでもゆっくり出来るようにって」
ホント四六時中一緒にいたいみたいだね
「ミルクティーある？」
「はい、今入れます」
一緒に寝ていたのが牧野で、紅茶を入れているのも牧野だったら、会社を休んでずっと一緒にいるんだけど
「フフフッ」
「なに？」
「いつもミルクと砂糖の入れ方がかわってるなって。そういえばお父様も同じ入れ方してらしたわ」
父さんも？
今まで殆ど一緒に食事した事がないから知らなかった
「そういえばスーツのサイズ、よく分かったね」
「えぇ、類さんがいつも着ているブランドの店で作ってもらったから。ねぇ～類さん、今日は私が選んでもいいかしら」
ホントは一日中縛れてる感じがしてイヤなんだけど
「別にいいけど」
少しは婚約者をたてないといけないからね
「嬉しい！フフッ、何色のスーツにしようかしら。用意してきますね」
クスッ、これだけの事でそんなに喜ぶなんてね
「類さん、今日私、午前中に会社の方へ行く用事があるんですけど、良かったら昼食を一緒にどうかしら」
「ごめん、無理」
「会食か何か？それともどちらか外出なのかしら？」
「美作商事で会食」
帰国してから毎日のように連絡が来たんじゃ、いい加減会わないとね
「それなら仕方ないわ。類さん、この組合せでどうかしら？」
さすがはお嬢様
いいセンスしてるよね
「ん、ありがと」
さ～てと、いつまでもこの人といても仕方ないから、サッサと着替えて行こ
昨日遅くまでパーティーリストの見直しをしたのに、花沢類の事ばかり頭に浮かんじゃってまったく進まなかったな
こんなんじゃまた川島部長に気を使わせちゃう
花沢類の事は考えずに仕事に集中
これからは仕事一筋で
よし！
おっ、ツイてる
すぐエレベーターが来るなんて
高層マンションだからエレベーターは何台もあるけど朝はなかなか来ないんだよね
いいよね、ＶＩＰは
最上階とその２つ下の階以外は止まらないんだから
チン
そういえば今日のスケジュールって朝一番から会議だったよね
手帳どこに入れたかな…
「下まで降りて来なくても良かったのに」
「フフッ、一度してみたくて」
おっつ！
花沢類と婚約者の人だ
ど、どうしよう
どこかに隠れなきゃ
って別にコソコソしなくてもいいんだ…けど…
「じゃ～ね」
「えぇ、いってらっしゃい」
花沢類…昨日、泊まったんだ
ハハハッ、そ、そうよ
婚約してるんだし、泊まっても不思議ではないって
こんなんじゃまた川島部長に気を使わせちゃう
花沢類の事は考えずに仕事に集中
これからは仕事一筋で
よし！
おっ、ツイてる
すぐエレベーターが来るなんて
高層マンションだからエレベーターは何台もあるけど朝はなかなか来ないんだよね
いいよね、ＶＩＰは
最上階とその２つ下の階以外は止まらないんだから
チン
そういえば今日のスケジュールって朝一番から会議だったよね
手帳どこに入れたかな…
「下まで降りて来なくても良かったのに」
「フフッ、一度してみたくて」
おっつ！
花沢類と婚約者の人だ
ど、どうしよう
どこかに隠れなきゃ
って別にコソコソしなくてもいいんだ…けど…
「じゃ～ね」
「えぇ、いってらっしゃい」
花沢類…昨日、泊まったんだ
ハハハッ、そ、そうよ
婚約してるんだし、泊まっても不思議ではないって
ホントまったく
これが現実なんだから、いい加減動揺するのは止めないと
これから先、こうやって鉢合わせするかもしれないんだから
それに花沢類とあたしは友達なんだし、もういい加減会って話さないといけないよね
でも帰国した理由は何とか誤魔化せるけど、花沢物産に入った事はなんて言おう
う～ん…
とりあえずパーティーが終わるまでは、花沢類もあたしも忙しいから会ってる暇はないし、落ち着いてから考えよう
道明寺、約束を守ってくれてるみたいで未だに西門さんや美作さんから連絡がないし、きっとパーティーの時も話さないでいてくれると思うから
「牧野さん、おはよう」
ヤダ、花沢類の事を考えてる内に会社に着いてたよ
いけない、いけない
ボォ～としてたらまた気を使わせちゃう
「川島部長、おはようございます！」
「昨日より元気があるみたいだね」
「はい、昨日美味しい物を沢山頂きましたから」
「それじゃ～ダイエットを兼ねて会議の後に美作商事へ行って書類を貰って来てくれないかな」
み、美作商事?!
な、なんで？
川島部長の仕事で美作商事との絡みはないんだけど…
それにわざわざ書類を貰いに行くなんて
「あの…美作商事と新事業を手掛けるんでしょうか？」
「いや、今度やるオークションの資料なんだ。ほら、そういう類の物は極秘ファイルだからメールしてくれなくてね」
美作さん絡みのオークションって事は間違えなく闇…
「解りました。会議後に行って来ます」
まぁ～美作さんも花沢類と同様、社内をウロウロしてる事なんてないと思うから、会うことはないよね