未来へ 2年目②


~Tsukushi~

いきなり夕食中に、類のお父様…花沢社長から
『夏休みから秘書課に行ってもらう。相場の下で秘書の基本を身に付け欲しい』と言われた…

類のお母様は

「秘書なんて、つくしさんカッコいい!」

なんてお気楽におっしゃっていますが…
あたしに出来るのか!?
最初に話をした時は真剣な顔をしていたお父様まで

「将来、類の秘書になれるかもしれないぞ!」

とウインク付き…
チラッと類を見ると
超不機嫌モード…
あ、後が怖い…
取り敢えず、トホホ…

「精一杯頑張ります!」

と返事をした

類は秘書の勉強をする事ではなく、相場さんの下でって言うのが嫌みたいなんだよね…
あ~あ
もう部屋来て一時間たつのにまったく喋らない…
ど、どうしよう!?
ん~…
あ、あたしからなんて滅多にしないアレすれば、機嫌直るかな?
そんなんじゃムリかな!?

はぁ~
でもいいや!
や、やっちゃえ!

チュッ!

恥ずかしぃ~!
絶対に今、顔が真っ赤だよ…

キャッ!

「牧野、すっごく嬉しい!」

類に抱き締められた

「あ、あたしは類だけだから…類が大好きだから」
「うん、俺も牧野、愛してるよ」

類があたしの首筋にキスをする

…チクッ

エッ!?

「クククッ、浮気防止」

あ"~!
あ、明日どうしたら…

「牧野、金魚…クククッ」

類!


朝、起きると…!?
パンツスーツと首筋が見えないノースリーブのタートルが掛けてあった
ポケットに

 ~~~~~~~~

 将来は俺の秘書に
       Rui

 ~~~~~~~~

「類、ありがと~!」

よっしゃ~!
頑張るぞ!!!

「皆、知っているとは思いますが、改めて本日より秘書課勤務になる牧野つくしさんです」

うわぁ~!
秘書課っていつ来ても美男、美女ばっかり…

「牧野さん?」

ハッ!

「す、すみません…牧野つくしです!宜しくお願いいたします!」

秘書課ってイメージ的にツンケンした感じだけど、花沢物産の秘書の方達のは皆、優しくていい人ばかりで、冗談も言ったりして気さくな感じ!
でも、でもねぇ~
あんなに相場さんが厳しい人だとは…
いやいや、あたしが未熟だからいけないのよ…

初日にしてかなり落ち込んだ…
はぁ~
ふ、浮上出来るかな!?

「牧野さん、今日は疲れたでしょ?」
「はい、あ~いいえ」
「ハハハッ!あなたは秘書に向いていると思いますよ!だからハードだけど頑張って!」
「はい!ありがとうございます」
「あっ、それと今週の金曜日は空けておいて下さい。牧野さんの歓迎会をするので!じゃ~お疲れ様」

歓迎会かぁ~
みんな忙しいのに優しいな!



類になんて言おう…

夜、気合いを入れて言ったら

「良かったね、牧野!」

ってすんなりOK…
こういう時の類って…
あ、あたしだって学習してるんだから、二度も三度も引っ掛かったりしないもん!
類をじ~と見る

「なに、牧野?俺、眠い…寝る、おやすみ!」

ヘッ!?
アレ!?
何にもしてこない…
じゃあ~
前みたいに当日乱入!?
…ありえない
秘書課の人しかいない飲み会で、部長が…しかも社長の息子が乱入してくるなんて…
場所も時間も聞かれなかったし…
もしかしたら今回は何もなし!?

はぁ~
あたしが甘かった…
回りを見ると色々な部署の部長、課長が…
そしてあたしの目の前に『天使の微笑み』をして類が座ってる…

「キャ~!類様が微笑えんでるぅ~!」

類が何かをする度にお姉様方の悲鳴が…
すると類が突然立ち上がり

「ごめん、今日は牧野さんの歓迎会だから隣に座らせて」

平然とした顔で座ると耳元で囁く

「牧野、可愛いね!クククッ」

ボッ///

「キャ~!な、何言われたの、牧野さん!」

もう!類ったら///

「クククッ、可愛いねって言った」
「キャ~!」

アワワワ…何を言う!?
こ、これ以上あたしで遊ばないで…類

その後も手を繋いできたり、トイレに行くあたしの後を追ってキ、キスしたりとか
最後の極めつけには

「今日は牧野さん、俺が送ります」

宣言をして車に押し込む
はぁ~
会社に行くのが怖い…
と、取り敢えずは、土、日はさむし…大丈夫かな!?

…って事はなかった
その後は1週間、質問攻めに…

~Rui~

あれから社内での俺と牧野の噂は、たった1週間で終った
再び相場&牧野カップル浮上
ことごとく牧野が俺との関係を否定しまくって、なんか面白くない…

夏休みが終わり、大学が始まった
俺はビジネスルームに缶詰で、なかなか会社にはいけない状態…
秘書の鈴木が

「相変わらず牧野さんは人気者ですね!重役の方達から早く専属で秘書にと要望が出ているそうですよ」

とご丁寧に報告してくれる
父さんからも

「相場から、つくしさんは本当に覚えが早いと聞いているよ!まぁ~あの英徳高校で学年1番だったんだ、当たり前かな!ハハハッ」

まるで自分の子供のように自慢している…
でもたしかに牧野の努力はすごい
あのハードスケジュールの中、未だに大学でもトップクラスにいる
あっ…牧野の友達…優紀ちゃん?もトップクラスにいたっけ…
総二郎がやたらと自慢してた
俺達に負けず劣らず、F4ルームに来ると勉強部屋に2人共こもっているからね

大河原と三条はお菓子を食べながらベチャクチャしゃべっている事が多い
ちょっとうるさい…
あれ?
そう言えば三条…
最近服装がフリフリしてる気がする…

お互いハードスケジュールで、なかなか一緒にいられないのに
日曜日も牧野は母さんとどこかに出掛けて、2人でゆっくりする事すら出来ない状態…
そういう状況の中、あっという間に1年が過ぎていった