Uneasiness⑩-4


うわぁ~
ものすごいフラッシュ

桜子も美作さんも堂々としてて、さすが慣れてるって感じ
フフッ、桜子のあの笑顔
あんな顔されたら男の人はイチコロだよね
西門さんも滋さんもやっぱり余裕だし

よし!
あたしだってヤル時はヤルんだから!

「プッ!牧野そんな気合いいれなくても…ククッ」
「は、花沢類///そんな笑わなくたって///」

ククッ
さっきは牧野、顔が強張ってたのに…

「じゃ~降りよっか」

パチャ!パチャ!…

き、気合いいれたけど、やっぱりすごい…

花沢類…
フフッ、顔がムッとしてる

「なに笑ってるの、牧野」
「だって花沢類、すっごくムッとした顔してるんだもん」
「そりゃ~そうでしょ。こんなキレイな牧野、みんなに見せてるんだから」

エッ!?

チュッ!

バシャッ!バシャッ!…

ワワワ///
な、なにをする…花沢類

「笑った仕返し、ククッ」
「も、もう///」

これで三角関係の勝者は俺になるかな、ククッ
司、悪いね

「つくし~大丈夫だった?」
「た、多分!?…ハハハッ」

はぁ~
絶対に明日はあの写真が…まったく花沢類は

うわぁ!
マスコミもすごかったけど、会場の中もすごい人…

「こんな沢山いちゃ~司、どこにいるか解らねぇ~な」
「どっちにしろ、俺らと話す時間なんかないんじゃね?」

そうか、たしか今回は道明寺が仕切ってるって言ってたもんね

「先輩、想像以上に視線が痛くありません?」
「うん、桜子。さっきから物凄く…」

やっぱり…
花沢類ってほんとモテすぎ…

「ねぇ~牧野、来てすぐに悪いんだけど、挨拶回りするから付き合ってくれる?」
「あっ、うん…でもあたし大丈夫かな?」
「ククッ、いつも通りの牧野で大丈夫だから」

あっ…
エッ!?
も、もしかして
こっちに来る…とか…

「牧野、どうしたの?」
「は、花沢類…」
「花沢専務、牧野さん、お久しぶりね」
「お久しぶりです。本日はお招き頂きありがとうございます」

まずは花沢類が無難に挨拶をする
道明寺との時に散々妨害し続けた
そしてあたしが闘い続けた

『鉄の女』

会うのは道明寺が記憶を無くして以来…

「道明寺社長、お久しぶりです。こちらからご挨拶しなければいけないのに、申し訳ありません」

道明寺社長がわざわざ足を運んで挨拶をする
周りはこの様子を固唾を飲んで見ている

「お気になさらずに、牧野さん。花沢専務のご活躍もそしてあなたの…フフッ、さすがね、牧野さん」

鉄の女と微笑みながら談笑…
以前なら考えられない

「司と比べたらまだまだですから」

出来るだけあたしに話が振られないように、花沢類が返答してくれる

「フフッ、牧野さんの今日のドレスは花沢専務のお見立てかしら?とてもよくお似合いね。では、私はこれで、ゆっくりしていらして」

……
あれ、これだけ!?

はぁ~
よ、よかったぁ~

めちゃくちゃ
き、緊張したよ…

「先輩、大丈夫ですか?」
「う、うん。まさか鉄の女がわざわざ来るなんて考えてなかったからどうしようかと思ったよ」
「すっごい注目だったね、つくし」
「注目って…鉄の女が目の前にいるってだけで緊張して全然気がつかなかった…ハハハッ」

あきらも大河原もいるのに、挨拶をせずに退散か…
ホントしつこいよね、司の母ちゃん
道明寺財閥も牧野を狙ってるってアピールしちゃってさ
たったあれだけでも十分知れ渡ったでしょ

「牧野、挨拶回りしに行こ」
「あっ、うん。桜子、滋さん後でね」


「ククッ、牧野、鉄の女の後だから全然余裕みたいだね」
「ハハハッ、ホント最強な人物が最初でかえって良かったかも!」

でも今日一番注目されてるの牧野だけど…
クククッ、まったく気づいてないんだから

「おい、滋!」
「あぁ~司!忙しいのにこんなトコ来て大丈夫なの?」
「息抜きしねぇ~とこんなかったりぃ~事してられっかよ。次から次へとハゲ親父共が群がりやがって」
「おっ、司!」
「おう、総二郎。なぁ~他の奴らはどこいんだ?」
「あ~あきらは…そこにいんだろ、類と牧野はほら、一番人が群がってるトコにいる」

なんであの2人の周りだけ
人がすごいんだ?

「ふん!類のヤツ、俺様のパーティーでラブラブしやがって」
「そんなの当たり前じゃん!婚約するんだから」

あ?
今、何て言った
ズキン…

「おい、大河原、その話はするなって類が言ってたじゃねぇ~か」
「だって司ならいいんじゃないの?」
「おい、滋、婚約ってなんだ?」
「しぃ~!もう司声大きいよ。あのね、まだ内緒なんだけど、類君とつくし、類君が日本に帰って来たら正式に婚約するんだって」

類が牧野と…
ズキン…

牧野…
ズキン…ズキン…

うっ…
頭が痛てぇ~

「おい、司、大丈夫か?」
「あぁ…悪りぃ大丈夫だ」

何だか解んねぇ~けど、類だけには…

「司様、申し訳ありませんがまだご挨拶が途中ですので」
「あぁ、解った。じゃ~行くわ、またな」
「ねぇ~ニッシー、司なんか様子変じゃなかった?」
「まぁ~司のヤツ、人より数倍忙しいからな、疲れでも出たんじゃね~か」
「うん…そうだよね」