~NY~
う~ん!
やっと着いた
これでNYに来るのは2度目だけど、やっぱりこの長時間のフライトは慣れないな
さてと、これからタクシーで道明寺邸に行かなくっちゃ…あれ?
あの黒塗りのリムジン…まさかね
NYはお金持ちが多いから、リムジンなんてざらに走ってるのかも
道明寺、きっと忙しいだろうし、わざわざあたしなんか迎えに来るわけないし
前に来た時に嫌な思いをしたから、フフン、今回はきちんと調べてきたから大丈夫だよね!
プップ~!
プッププ~!
煩いなぁ~
東京でもNYでも同じなんだ
プップ、プップ煩いつ~の!
プッププ~!
ホントしつこい…
「牧野乗れ!」
ヘッ?
ど、道明寺!
「まったくお前は車の前素通りしやがって」
だってまさか来てくれるなんて思わなかったから
「ハハハッ、忙しいのにごめんね、迎えに来て貰っちゃって」
「フン、そんな事気にすんな!でも牧野、よく決心したな」
ホントはね、道明寺に甘えるみたいで嫌だったんだけど
魔女…いやいや、道明寺のお母さんからいきなり電話が来て決心したんだよね
「うん、これから宜しくお願いします!」
「んな、堅苦しい事、言ってんじゃねぇ~よ」
「で、でもね、一応これからお世話になるからさ」
「まぁ~今の俺にはこんなことしか牧野にしてやれねぇ~からな」
道明寺…ホントにごめんね
「そんで、きちんと類には話して来たんだよな?」
「話って…何を話すればいいのよ」
「あ?何も言ってねぇ~のか!まったくお前は」
ピッピッ!
あっ、ちょっと道明寺
どこに掛けてるの?
待ってってば…
「チッ!類のヤツ、電源切ってやがる」
はぁ~良かった
って今度はどこに掛けんのよ!
ピッピッ!
プルルルル…
『あきら、俺だ!』
『おう、司か。牧野は無事着いたのか?』
『あぁ』
『そうか、着いて早々空港でキスでもしたんじゃねぇ~の、司!』
何言ってんだ、あきら
『んな事する訳ねぇ~だろ』
『愛しの牧野が司の為にNYに行ったのにか?』
そりゃ~今でも牧野が好きな気持ちには変わりねぇ~けど
俺の為にって…
『おい、あきら、もしかして牧野から何にも聞いてねぇ~のか?』
『聞くって何をだ?』
まったく信じられねぇ~な
「おい、牧野!まさか誰にも何も言ってねぇ~のか!」
「ハハハッ…う、うん」
チッ!
『おい、司!そこに牧野がいるのか?』
『おぉ、悪りぃ~あきら。俺らもうとっくに別れってっから』
『はぁ?な、なに言ってんだ、司』
『半年くらい前に別れてんだよ!今回NYに来たのは、牧野が勉強する為だけだ。俺様とは何にも関係ねぇ~』
『おいおい、何で別れたんだよ』
『それは俺からは言えねぇ~な。牧野の近くにいたんだ、それくらい解るだろ』
『類か…でもよ、類』
『類がどうした?さっき電話したら電源切ってやがって繋ながらねぇ~』
『フランスに行っちまったぜ』
『あのバカ、なにやってんだ!』
ピッ!