未来へ 3年目①


大学4年…
殆ど単位は取れてるけど、プロジェクト関係でF4ルームにいる事が多い
俺としては牧野が心配で会社に行きたいんだけど…

プロジェクトは今のところ予定通りすすんでいて順調
まだ2年弱あるけど、オープンイベントの招待客のアポ取りを始めなきゃならない
各国のお偉いさんは1年先までスケジュールびっしりだからね

あと…それから…これも…
とにかくやる事が多くて、最近は日曜日も休みなく働いている
ちなみに今日も日曜日
なんか俺っぽくない…
あ~ぁ、牧野と一緒にゆっくり寝たい…

「類!」

ン?
あの声は…

「牧野、どうしたの?」
「類にお弁当作ってきた!」

ニコニコしながら言う牧野がすっごく可愛いくて、抱き締めキスをした

「てめぇら、ラブシーンなら他でやれ!」
「フフッ!司、羨ましいでしょ」
「ふん!んな大した事ないね」
「クククッ!司、青筋たってる…」
「うるせ~!」

牧野が真っ赤な顔をしながら、沢山作ってきたからみんなで一緒に…と言うと
司、すっごく嬉しいそうな顔で

「仕方ねぇ~な、食ってやるよ」

だってさ

今は大河原と付き合ってるけど
ホントは司、牧野に未練タラタラだもんね
この前もソファーで寝ちゃった牧野の頬を撫でながら、じ~と見つめてたし
でも司、牧野は絶対に渡さないよ

~Tsukushi~

類は最近本当に忙しい…
今日も日曜日なのにF4ルームに行っているし
よし!
花沢家の厨房に行き、料理長に少しだけ使わせて欲しいとお願いをした

「類様、きっとお喜びになりますね」
「ありがとうございます///」

あたしに気を使ってくれて一人にしてくれた
冷蔵庫を開けると…
まぁ~想像はしてたけど、高級素材ばっかり…
でも何とか自分なりに作ってみる

使用人の方に「行ってまいります」と言うと類のお母様が来て

「つくしさん、出掛けてしまうの?」

と寂しそうな顔をする

「えぇ、類にお弁当を持っていこうと思いまして」
「まぁ~類ったら幸せ者ね!そういう事なら仕方ないわ、いってらっしゃい」

本当はお弁当を口実に
あ、あたしが類の側にいたいだけなんだけどね///

それから日曜日に類が仕事の時は、毎回、お弁当を作る事になった
その話を聞き、優紀も滋さんも作る事に
桜子はもちろん3時のおやつ担当で


~Rui~

久しぶりに会社に顔を出した

「相場さんと牧野さん、本当に付き合っているみたいよ」
「やっぱりねぇ~」
「牧野さんの指輪、相場さんから貰ったらしい」
「いつも超ラブラブだもんねぇ~」
「近い内に結婚するって噂もあるみたい」
「お似合いよね!」

何それ…
どうなってんの?

秘書課に行き、入口にもたれながら中を見ると、例のカップルは、一つの書類を2人で顔を近づけ見ていた

ふ~ん
確かに超ラブラブだね…

「花沢部長!」

秘書の一人が俺に気がついた
ビックリして牧野が顔を上げる

「牧野さん、ちょっといいかな」

牧野の手を握り、強引に連れ出した
みんな唖然として見てたけど、そんなの構わない
そのまま俺の部屋に連れて行くと、牧野を抱き締めた

「る、類!どうしたの?」
「牧野、誰と付き合ってるんだっけ?」
「ヘッ?類とでしょ?」

牧野の手を取り

「この指輪は誰から貰ったの?」
「類がくれたんでしょ?」
「じゃ~牧野は誰と結婚するの?」
「エッ?///る、類と…かな?///」

牧野に深い深いキスをする

「ごめん、もういいよ。仕事に戻って」
「う、うん…」

牧野が部屋を出て行く
はぁ~
もうそろそろ限界かも…

~Tsukushi~

類…
どうしたんだろう…
類の事を考えながら秘書課に戻ると
エッ?なななな何???
み、みんなが…あたしを見ている…

「牧野さん!花沢部長と何があったの?」
「どんな話だったの?」

ゲゲゲッ!
そうだった
類に突然、手を握られ連れて行かれたんだっけ…

「べ、別に大した用では…」
「花沢部長、怒っていたみたいだったけど?」
「い、いつもムスっとしてるじゃないですかぁ~ハハハッ」
「そう?なんか真剣な顔っぽくなかった?」
「そ、そうですかねぇ~?」
「何の話だったの?」
「あ、え~とですね…だ、大学の話?かな…」
「牧野さん!いいかな?」
「は~い!」

相場さん、ナイス!
何とかこの状況を抜け出せた…

帰社時間になり、帰りの支度をしていると、類がまた秘書課に来た…

「牧野さん、俺帰る」

ま、また
みんなの視線があたしに…

「は、花沢部長、お疲れ様でした」
「何言ってんの?早く帰ろ!」

ゲゲゲゲッ!

「ほら、行くよ!」

また類に手を握られ部屋を後にした…