~Rui~
牧野をエスコートし、会場に入るとすぐ、総二郎達に声をかけられた
「はぁ~やっぱり花沢類は人気があるよね、女の子達がキャ~キャ~言ってるよ」
「興味ない…ククッ、牧野は俺にキャ~キャ~言ってくれないの?」
牧野の顔を覗き込んだ
「ははは花沢類///」
クククッ
その顔が見れれば、取り敢えず今は許してあげるね
でもさ、会場に入って一番注目されてたのは牧野、あんただからね
「牧野、お前また随分と化けたな!どこのお嬢様が来たのかと思ったぞ」
「美作さん、随分と言ってくれるじゃない」
「ハハハッ、牧野睨むなよ!せっかく化けたのにバレるぞ」
「西門さん、うるさい!」
あきら、総二郎もあんな言い方してるけど、内心じゃビックリしてるんじゃない?
2人共、少し顔が赤いよ
「美作さんと西門さん、なに照れてるんですか、そんなに先輩がキレイですか?」
クククッ
さすがは三条、よく見てるよね
「ばっ、そんな訳ねぇ~だろ!」
「ったく、三条は…ホラ、踊り行くぞ」
「はい、美作さん♪」
「滋ちゃんも踊る!ニッシー行こう!」
「し、滋…お前襲うなよ!」
あきらと三条は結構いいけど
総二郎と大河原…ククッ、似合わない
「花沢類、なに笑ってるの?」
「ううん、牧野も行こ」
牧野の手を取り、フロアーに出ようとすると
「やっぱり…ムリ、踊れないよ」
「あきらから教わったんでしょ?だったら大丈夫だよ、俺リードするし」
「花沢類、踊れたっけ?」
「一応、俺もジュニアだから」
今度は牧野の腰に手を回し、ちょっと強引に連れ出した
ククッ、牧野、顔が強張ってるよ
緊張している牧野をリードして、踊り始めた
さすが、あきらだね
牧野上手に踊れてるもん
はぁ~でもものすごく注目されてるよ、牧野
今まで色々言ってきたうるさい女達なんて
ククッ、口開けて見てるし
一曲終わると、牧野を誘おうと男達が動き出した
もちろんそんな事させないけどね
今度は総二郎が牧野と踊り始める
そして次はあきら
がっちりF3で牧野をガード
さすがにF3が固めているとあって、牧野に近寄ってくるヤツはいなくなった
踊り終えた牧野の為に飲み物を取りに行き、戻ってみると…
「つくしさん、私と一曲いかがかな?」
エロ親父…
「父さん、なんで来てるの?」
「あぁ~類か、つくしさんの卒業だ、もちろん来るだろう」
「花沢類のお父様、本日はわざわざありがとうございます」
「じゃ~一曲」
「はい!」
ったく
俺との時はためらってたくせに
父さんには即答って…
「類、牧野と踊ってるの…類の父親だよな?」
「そ」
「すっげ~注目浴びてるぜ!」
そりゃ~そうかも
父さん、花沢物産社長が、母さんが亡くなってからダンスをしたのは多分、今回が初めてだからね
それも相手は女子高校生なんだから…
「つ~か、あっちこっちで悔しそうな顔してる社長が沢山いるぜ」
「もしかして、あきらのトコも牧野の事狙ってた?」
「いいや、今回はムリって解かってたからな、他の奴で我慢だ」
父さん、抜かりないね
今回来たのは牽制する為でもあったんだ…
踊り終えて、満面な笑顔で牧野が戻って来た
「類、さすがお前の選んだ女性だな。短期間でこれだけダンスが出来るとは・・・」
「あきらのお陰でしょ」
「ククッ、類じゃなくても、あの漆黒の目で見られると吸い込まれそうになるよ、魅力的なお嬢さんだ。類、離すなよ」
「父さん…」
「つくしさん、悪いがこれで失礼するよ」
「あっ、ありがとうございました」
牧野、あんたはホントすごいよ
あの父さんに気に入られるんだから…