「花沢類、これから何を言うんだろう…お父様に関係がある事なんだよね?」
もしかして…
じゃ~司の母ちゃん、やっと諦めたって事?
司は…
「きっと大丈夫だよ」
散々、司の母ちゃんにやられて来たせいだと思うけど、牧野の体が小刻みに震えてる
牧野の腰に手を回し、抱き寄せた
「花沢社長のお許しが出ましたので皆様にご報告致します」
ククッ
司、もしかして気がついた?
ここから見ても、青筋たってるのが解るよ
「皆様、ご存知の事だと思いますが、兼ねてからご婚約中の花沢物産社長のご子息、類さんと牧野つくしが来年、ご結婚される事が正式にお決まりになりました。」
えっ!?
なななっ!!
「花沢社長、類さん、牧野さん、どうぞこちらのステージの方へ」
ひゃ!
眩しい
「ククッ、牧野、顔が鳩だよ」
だ、だって…
まさか魔女から…
し、しかも道明寺の前で…
「牧野いこ」
「で、でもあたし…ム、ムリ!心の準備してないし、こ、こんな大勢の中でどうしたら…」
「でも牧野が動かないとスポットライトがあたりっぱなしなんだけど?」
はぁ~
し、仕方ないよね、覚悟を決めて…って花沢類…もしや
「ねぇ~花沢類、もしかしてこうなるって知ってたの?」
「たぶん?ククッ、牧野そんな睨まないで。今、俺を睨むのは司だけで十分だよ」
うわぁ~
ホント道明寺ったら、今にも火を噴きそう
「早くこの騒ぎを鎮めないとね!牧野は俺の横にいればいいから、心配しないで行こ」
「う、うん」
ちくしょ!
バハァのヤツ
正式なパーティーで、しかも俺様の就任パーティーで!
これじゃ~もうどうしようもねぇ~じゃねぇ~か…
「司さん、いつまでも仏頂面していないで、あなたにも祝福の挨拶をして頂きますから」
「ふん!」
「なんならあなたと滋さんとの婚約も合わせて発表してもいいんですよ」
「勝手に決めてんじゃねぇ~よ、ババァ!」
まったく
何勝手に牧野とダメになったって決めつけてんだよ!
それに普通、直ぐに滋となんて考えらんねぇ~だろ
まずは…
ここからだ…
「つくしぃ~!おめでと~!」
ウゲッ!
し、滋さん
こんなとこでその抱擁は…
「大河原、あんた今、一応秘書中なんじゃないの?」
「あっ、いけな~い!そうだった。あはは…さぁ~皆様ステージの中央へお願い致します」
フフッ、滋さんったら
ありがと!
お陰で緊張が取れたよ
「え~皆様、先程楓社長からお話がありましたように、ここにおります花沢類と牧野つくしさんの結婚が来年3月に決まりました。まだまた未熟な二人でございますが、これからも皆様のお力添えを宜しくお願い申し上げます。またこのようなお祝いのパーティーでご報告させて頂けた事を、楓社長、司君感謝してます。ありがとう」
花沢類とお辞儀をし、顔をあげると、われんばかりの拍手とお祝いの言葉
魔女が花沢類のお父様に握手をし、私たちの前へ…
反射的に花沢類の腕に掴まる手に力が入る