Uneasiness②-5


コンコン

「類、ちょっといいか」
「はい」

父さんがなぜ?

父さんが入って来ると

「初めまして、牧野と申します。何度もお邪魔させて頂いて、ご挨拶が遅れてすみません」
「つくしさん、お気遣いなく。勉強の邪魔して悪いけど、ちょっと類を借りていいかな。仕事の話があってね」
「はい、もちろんです」


~書斎~

「父さん、話というのは?」
「焦らずに座りなさい」

つくしさんの事になると、随分と感情がでるんだな

「牧野の事ですか?」
「類、私は楓さんじゃないからね、反対はしないよ」
「本当ですか?」
「一応、お前の親だ。信用してくれてもいいんじゃないか」
「ありがとうございます」
「ただ私がいいと言ってもお前は跡取りだ。類、お前次第だと思うよ。誰にも何も言われない実力をつけなさい。私も協力させてもらうよ」
「父さん…」
「ところで類、つくしさんが受ける大学がどこか知ってるか?」
「いいえ、落ちたら恥ずかしいからと、まだ教えてもらっていません」
「情報によると殆ど確実らしいな。大学の名前を聞いてもびっくりするなよ」
「どこなんですか?」
「つくしさんが受かってからのお楽しみだ、類。クククッ」

父さんが知ってて、何で俺が…なんかムカつく

でも良かった、父さんが認めてくれて
後は俺次第…


~英徳大学カフェ~

「なぁ~類、牧野とどうなってんだ?」

なに?
あきらいきなり…

「どうもないけど」
「もう1ヶ月位たつよな、勉強会やり始めて」
「そうだけど」
「司が帰って来るぞって言っても1週間位らしいけどな」

司、帰って来るんだ…

「ふ~ん」
「ふ~んって類、お前大丈夫なのか?まだ司、記憶戻ってないみたいだけどよ」

どうだろう…
牧野は…

「ごめん、あきら…」

非常階段に向かった
無性に牧野に会いたくて

バン!

「キャ!は、花沢類!?」

驚いている牧野を思い切り抱き締めた

「ど、どうしたの?」
「牧野…司帰って来る」
「エッ?」

牧野を離し、牧野の顔を見た

牧野は一呼吸おいてから

「花沢類…あたしは大丈夫だよ!もう道明寺の事は思い出になってるから」
「ホント?」
「うん!」

笑顔で返事をする

「じゃ~牧野、俺は?」
「エッ?」
「牧野と司が付き合っている時も、ずっと牧野を見てきた…今でも牧野の事が好きだ」
「は、花沢類…」