コンコン
「優紀ちゃん、牧野着せ終わった?」
「はい、終わりました。どうですか、西門さん?」
「うん、上手だね。優紀ちゃんはホント、何やらせても覚えが早いな」
「そんな事ないですよ。西門さんの教え方が上手なんです」
っていうか二人ともあたしがいるの忘れてない?
優紀の腰に手を回して、今にもキスでもしそうな感じんだけど…
まったく、あたしはマネキンじゃないっつ~の!
「あのさ、ラブラブなとこ申し訳ないんだけど…」
「おう、そういや~牧野、いたんだっけな」
悪かったわね、あたしがいて
「ね、ねぇ~つくし、髪を上げてみたら?西門さん、その方が似合うと思いません?」
「そうだな、その方が少しは色気が出ていいんじゃね?」
い、色気って///
「ね、そうしよう、つくし!私がやってあげるから」
「う、うん、ありがとう」
「おっ、類、来たみたいだな。じゃ~着せてくるから、終わったらおいで」
「はい」
花沢類の浴衣姿かぁ~
絶対にカッコいいよね///
「つくし、もしかして花沢さんの浴衣姿、想像してない?フフフッ、顔真っ赤だよ」
エッ!?
や、やだ…ホントだ
「ほ、ほら、西門さんは着物姿とか見慣れてるからだけど、花沢類ってイメージ出来ないっていうかさ…ハハハッ」
「そうだよね、着物とか、浴衣とか和のモノって花沢さんのイメージじゃないよね!はい、つくし出来たよ」
うわぁ~あたしじゃないみたい
こんな髪を上げただけて、変わっちゃうんだね
「つくしってさ、フフフッ、桜子さん風に言うと本当に化けるよね!」
「ちょっと優紀まで!でもホント、自分でもビックリだよ」
「うん、すっごく大人っぽくなった!早速、花沢さんに見せに行こうよ」
「うん!」
コンコン
「西門さん、準備が出来たんですが、入ってもいいですか?」
「あぁ、こっちも終ったとこ。どうぞ」
うわぁ~
や、やっぱり…カッコいい!
ウ、ウゲッ
く、苦しい…花沢…類…
「ククッ、ごめん、牧野。あまりにも牧野が綺麗だっだから」
チュッ!
ひゃ~
そ、そんな首筋にキスしなくても///
「おいおい、お前ら、俺らがいるの忘れてね?類、何だかそのまま押し倒しそうだな」
なっ、何言ってるのよ///
西門さんだって、さっきは優紀とラブラブだったくせに!
「二人がいなきゃそうしてるかも」
ななな何を言う…花沢類///
「女の浴衣姿は色気があるからな。牧野も一応な」
西門さん
一応ってなによ、もう!
「フフフッ、つくし、今日は浴衣着てるんだし、おしとやかにね!でもさ、花沢さんに浴衣って想像つかなかったけど、やっぱりカッコいいね」
うん!うん!
何を着てもホント似合うよね、花沢類は///
「優紀ちゃん、類はカッコいいって言って、俺には一度も言ってくれた事ないよね」
「そ、そんな事…いつも思っていたんですけど、西門さんは誰より一番似合っていて、カッコいいですよ///」
チュッ!
「ありがとう、優紀ちゃん」
またまたそっちの番ですか?
ホント西門さんは優紀にぞっこんなんだから
「総二郎、イチャついてないで、早く行こ」
「あぁ、そうだな。では、お嬢様方参りましようか」
お、お祭りに行くのに、運転手付の車でなんて…さすがと言うか、ホントあり得ないよ
「牧野、どうしたの?早く降りよ」
わ、解ってるけど…
はぁ~物凄い人だかりなんだけど
し、仕方ない…お祭り行きたいし、覚悟を決めて
「う、うん」
うわぁ~やっぱり…すっごい悲鳴なんだけど
「ねぇ~つくし、何か凄い事になってるよね」
「ハハハッ、ホントだね。まぁ~西門さんと花沢類が現れちゃ~仕方ないけどさ」
「でも折角来たんだし、楽しもうね、つくし!」
「うん!」
そうそう、花沢類と浴衣でお祭りなんて激レアだもんね
勿体ないから楽しまなくっちゃ!
「ねぇ~花沢類、ヨーヨー釣りしよ」
「ヨーヨー釣り?」
フフッ、やっぱりやった事なんてないよね
「そう、こっち!まずはあたしがやるから、花沢類は見ててね!う~ん…この赤いのにしようかな、それ」
あっ…落ちた
ふ~ん、そうやればいいんだ
「おじさん、俺も一回」
「はいよ!良かったな、お嬢ちゃん、彼氏が取ってくれるってよ」
「ハハハ///花沢類、この赤いのがいい!」
赤いのね…あっ、取れた
「はい、牧野」
「わぁ~凄い!は、初めてやったんだよね?花沢類、あたしより上手だね!ありがとう」
「まだ出来るみたいだから牧野やる?」
「いいの?じゃ~あたしが花沢類の分を…あっ、ご、ごめん…」
牧野ヘタクソ
クククッ、でも牧野らしいよね
「別にいいよ、ねぇ~牧野、さっきから気になってたんだけど、あの白いフワフワしてるの何?」
何か美味しそうにみんな食べてるんだけど
「あぁ、綿アメね!花沢類も食べてみる?おじさん、一つ頂戴。はい、花沢類」
うわ!あまっ…
「プッ!」
笑わなくたっていいでしょ
でも…
「なんか美味しいかも」
「フフフッ、でしょ!ねぇ~花沢類、あっちも行こう」
牧野、張り切っちゃって、今度はなに?
「お祭りって言ったらやっぱり金魚すくいでしょ!」
何で金魚なの!?
こんなトコで金魚なんて売ってるの?
「はい、花沢類!ヨロシクね」
「牧野やらないの?」
「だってね、今まで一度も取れたためしがなくって…ハハハッ」
「プッ!何となく解る気がする」
「もう笑う事ないでしょ!だったら花沢類、取ってみてよ、結構難しいんだから」
「あい」
水に濡らさないようにすればいいんでしょ
う~ん…あっ、こいつ目が出てて可愛いかも
…ヒョイ!
「クククッ、はい、牧野」
「すっごい!ホント花沢類は何でも出来ちゃうんだね!」
「じゃ~次は牧野やる?」
「ハハハッ、止めとく。花沢類、もう一匹…あの白い出目金がいい!」
「白いのね、解った」
ヒョイ!
「きゃ~取れた!ねぇ~やっぱりあたしもやってみたい」
「どうぞ」
「赤と白の出目金を取ったから、今度は黒にしようかな…ん~…」
あっ、牧野、そんなに水に入れたら…
クククッ、やっぱりね
「あ~ホントあたしってダメだよね」
でも三匹じゃなくて良かったかも
金魚バージョンの牧野と俺と司がいるみたいで、水槽の中でケンカしそうだし
「はい、牧野」
「ありがとう!でもどうしよう、全然考えてなかった…あたしの家に水槽がない!」
プッ!
ホント牧野らしいんだから
「俺の邸で飼う?牧野、毎日見にくれば?」
俺も牧野に会いたいし
「ま、毎日!?それはムリだけど、出来るだけ見に行くからお願いしてもいい?」
牧野からのお願い、俺が断れる訳ないでしょ
「あい」
「ありがとう!大事に育てようね。あっ、優紀だ」