「ま~きの、起きて」
「う…うん…スースー」
ククッ
牧野、よっぽど疲れたんだね
昨日のパーティー
でもさ、もうそろそろ起きてくれないと俺、間に合わなくなっちゃうんだけど?
「牧野、起きて」
チュッ!
「うん…ん!?うわぁ!は、花沢類、顔近すぎ///」
び、びっくりしたぁ~
朝から目の前に、ビ、ビー玉の目があるんだもん///
「クククッ、おはよ!牧野もう行かなきゃいけないから早く支度しよ」
ヘッ!?
もうそんな時間なの?
あれ
で、でもまだ早いんじゃ…
飛行機の時間、早くなったのかな
「あっ、うん。解った」
ホントは少しでも長く一緒にいたいんだけど、仕方ないよね…
パタパタと支度をして、朝食を食べ、車に乗り込む
「類様、門の周りにマスコミが沢山おりますが…」
昨日の今日だもんね、花沢類が日本に帰って来てるし…
「牧野は見えないように座席の下に隠れてて。高橋さん、申し訳ないけど出来るだけ早くマスコミを巻いて貰いたいんだけど」
「はい、畏まりました」
あれ?
空港に行くのにマスコミを巻くの!?
だって空港にも沢山いるんだよね…
「牧野、もう大丈夫だよ」
「うん。ねぇ~花沢類、今マスコミから逃げても空港にウジャウジャいるんじゃない?」
「多分ね。ククッ、牧野この辺見覚えない?」
ヘッ!?
あっ!
「あたしの実家!?な、なんで???」
「俺、今度帰って来る時は婚約パーティーだから、その前にきちんとパパとママ、進にお許しを貰わないとね」
は、花沢類…忙しいのにそこまで
「あ、ありがと、花沢類」
ねぇ~パパ、ママ…お願いだから踊らないでくれる?
花沢類の笑いがさっきから止まらないんだけど…
まったく進も何で止めないのよ
キィッ!
「パパもママも恥ずかしいからもう止めてよ、ほら、姉ちゃんすっごく怒ってるよ」
「ハッ!やだわ、あまりにも嬉しくて…ねぇ~パパ」
「ハハハッ…ごめん、つくし」
クククッ、ホント牧野ん家って面白い!
「もう、花沢類もいい加減笑うの止めてよ///」
はぁ~
何でうちってこんなんだろ
普通、婚約の話っていったら神妙になるんじゃない?
「じゃ~パパ、ママ、進、パーティーまでの準備は花沢の方でするからヨロシクね」
「はっはぁ~心得ましたでございまする」
プッ!
クククッ
「もう、パパ!なんで時代劇になってるのよ!普通にしてよ、普通に!」
「ごめん、ごめん。昨日テレビでやってたからつい言ってみたくなっちゃって、ヘヘヘッ」
まったくヘヘヘッじゃないっつ~の!!!
「進、あんただけが頼りだからね、パパとママお願いね。くれぐれも近所の人達に言い触らさないように見張っててよ」
「うん、任せておいて」
「あっ、そういえば来年になったらすぐ、ココ引っ越しするから」
「「「「ヘッ!?」」」」
な、なに言ってるの、花沢類…
「類さん、あの…どういう事ですか?」
「これからマスコミが煩くなるから、花沢のマンションに引っ越しね。もちろんパパには仕事付き。あっ、進の学校にも近いから安心して」
あ、あたしそんな話、全然聞いてない…
「あ、あの…花沢類、いつの間に…」
「ククッ、牧野には事前に話そうと思ってたんだけど、1日目は牧野、泥酔しちゃってムリだったし、昨日はバタバタしてたからね」
「花沢類ホント甘えちゃっていいの?」
「もちろん。あっ、牧野もうそろそろ行かないと」
あっ…ホントだ
急がなきゃ!
「じゃ~パパ、今度はババ抜きしようね!ママのご飯も楽しみしてるから」
慌ただしく出て来ちゃったけど、だ、大丈夫かな…パパとママ