「お帰りなさいませ、類様」
「牧野様、いらっしゃいませ」
うわぁ~
そ、そんな沢山…
「お、遅くにすみません…お邪魔致します」
ククッ、牧野
使用人一人一人に挨拶してたら、なかなか家に入れないよ
「牧野!早くおいで」
「あ、は~い」
って牧野、慌ててくると…
あっ、危ない
走って石段につまずいた牧野を抱き止めた
「ホント牧野は…」
「ご、ごめん…ありがと」
俺を上目遣いで見る牧野
はぁ~
ダメだ…
チュッ!
「ななな///」
「可愛い顔するからだよ、ほら行くよ」
牧野の手を取り、玄関に入る
使用人達がその光景を口をポカンと開けて見ていた
「牧野様、お待ちしておりました」
「牧野、俺の小さい頃から傍にいてくれてる、加代さん」
「あ、初めまして、牧野です!今日からお世話になります。宜しくお願い致します」
「こちらこそ、宜しくお願い致します。お気遣いなさらずに、さぁ~どうぞ」
もしかして加代さん、牧野の事、気に入った?
人を見る目が厳しい加代さんが、微笑んでるなんて…
牧野、あんたやっぱりすごいね
牧野と遅い夕食を取る
「フフッ!う~ん♪すっごく美味しい!」
「クククッ、牧野はいつも美味しそうに食べるよね」
「だってホント美味しんだもん!」
「花沢類も食べて!あ~花沢類、ピーマン残してる」
「だってキライ」
「ダメ!作ってくれた人に失礼でしょ、体にもいいんだから!」
「じゃ~牧野が食べればいいじゃん」
加代さんがこの様子を微笑みながら見ている
他の使用人もびっくりして見てた
ククッ、そうだろうね
この邸に笑い声が響いてるんだから
夕食が終わると、牧野の勉強部屋に連れて行った
「勉強部屋って…悪いよ」
やっぱりそう言うと思った
「だって俺の部屋だと机ないし」
「あっ、そうだった。花沢類の部屋、ベッドとテレビしかないんだよね」
ククッ
今は花沢の仕事してるからあるんだけどね…
「先にお風呂に入ってから勉強しよ。終わったら呼んで。俺の部屋、隣だから」
俺も部屋に戻り、サッとお風呂に入り、仕事の書類に目を通す
コンコン
「花沢類、お風呂上がったよ」
「うん、今いく」
牧野に気を使わせない程度の書類を持ち、部屋にいった
発音、読み書きを一緒にやり、牧野が問題を解ている時だけ、俺は仕事をする
そして12時頃を目処に終わりにして、牧野を家まで送っていった
車の中でスヤスヤ眠る牧野の唇に、今日三度目のキスを落し
「牧野、着いたよ」
「あ…ごめん、花沢類ありがと」
牧野の口癖を聞き、家に入るのを見届けて俺は車を走らせた