Uneasiness②-1


~非常階段~

う~~ん!
ホント天気よくて
気持ちいい!

「つくし~!」
「牧野先輩!」

滋さんと桜子
2人に手を振る

「やっぱりここにいたんですね」
「ここにいると落ち着くからね」

滋さんは大学から英徳に通っていて、桜子は暇さえあれば、あたしに会いに来てくれる

ホントにあたしはみんなに支えて貰って…

「つくし、今日F3が揃ってるからみんなでランチしよって!」
「うん!授業が終わったら行くね!みんなに話したい事があるし」

ちょっと怪訝な顔で

「先輩、話ってなんですか?」

さすが桜子、鋭いよね…

「後でみんなの前できちんと話すから」

そう言って、授業があるからと非常階段を後にした


ガラガラ…

『キャ~!!!』

エッ?
な、なに事!?

「ま~きの!」
「は、花沢類!」
「迎えに来た、いこ」

『キャ~!』
『なんでぇ~!』

は、花沢類…
あんたって自分の立場、全然解ってない…

「何してるの、早くいこ」

『キャ~!』
『イヤ~!』

花沢類があたしの手を掴んだ瞬間、更に悲鳴が…

「い、行くから、花沢類、手離して…」
「ヤダ」

はぁ~
と、とにかくこの場を離れないと…

何とか教室を出て、花沢類を睨み付ける

「ククッ、そんな真っ赤な顔で睨んでもね、牧野」

ビー玉の目で覗き込んで来た

うわぁ///
ダ、ダメだ…

もう!
花沢類がそんなんだからあたしの気持ちが…

道明寺の事は、みんなのお陰で思い出に出来た
…特に花沢類のお陰で

そう…
あたしは同じ人を二度好きになってしまった

花沢類は元カレの親友
そしてこの人も御曹司…
この気持ちは絶対に知られてはいけない

あたしは友達としてでもいいから、花沢類の側にいたいの…

「お前ら遅せ~ぞ!」

ハッ!
美作さん!?

アレ?
あ~ヤダ
もうカフェに着いてたんだ

「つ~か、お前ら手なんか繋いじゃって、やっと付き合い始めたのか?」

に、西門さん!
ボッ///

「ククッ、まだ」

ま、まだって花沢類…

「類君とつくし、お似合いだよぉ~付き合っちゃえば?」

な、なにを言う、滋さん///

「花沢さん、先輩には勿体ないですけど、いいんじゃないですか」

さ、桜子まで///

「ククッ、牧野、みんなああ言ってるし、付き合っちゃう?」

ヘッ!?
ハッ!

「ななな///は、花沢類まで、か、からかわないでよ///」
「「「「はぁ~」」」」
「類、大変だな」
「ククッ、長期戦で」

「牧野、座ろ」
「あっ、うん///」

ホントみんなであたしで遊ばないでよ!
心臓がバクバクしちゃったじゃない…

「オイオイ牧野、なに一人百面相してんだよ」

ゲッ!

「ククッ、牧野、なに食べる?」

滋さんと桜子と楽しくお喋りして、ランチを食べてると

「ねぇ~牧野、話あるんじゃなかったの?」

って…忘れてた
みんなにちゃんと言わなきゃ…

「あ、あのね…」

あの…
みんな…

そんな綺麗な顔で注目しないでくれる?
ちょっと怖いんだけど…

「言いにくい事なのか?」

美作さんってホント優しいよね

「ううん、あのね、みんな知っての通り、あたしん家は超ど貧乏じゃない。だから卒業したら就職って考えてたんだけど、あたし大学にどうしても行きたくて…」

みんな肩の力が抜けてホッとしてる!?

「んな事かよ!そんなの俺らがなんとかするから心配すんな!」

西門さん…

「あっ、違うの。あたし特待生制度を利用して外部受験するの…」
「エッ?つくし、英徳に来ないの!?ヤダよ…」

滋さん…

「金の心配ならすんな!俺らが出すのが嫌なら英徳にだって奨学金制度があるだろ。だから英徳にしろよ」

美作さん…

「みんなありがと!でもね、みんなに甘えてばかりいられないし、自分を試してみたいと思って!」
「特待生って、牧野、成績の方は大丈夫なの?」
「う~ん、どうかな?一応、先生には大丈夫だろうとは言われるけど…」

そんな滋さん、桜子
寂しそうな顔しないで…

「まだ受かった訳じゃないし、みんなともいつでも会えるから」
「つくし、ケーキバイキングとか食べ放題とかこれからも絶対に行くんだからね!」

滋さん…
食べまくりですか!?

「先輩、これからも買い物やエステ付き合って貰いますよ!」

ハイハイ、桜子

「茶道の方は今まで通り、優紀ちゃんと週一で必ず来いよ」
「お袋が寂しがるから、ダンスの練習を兼ねてケーキ食べに来るんだぞ」

ホントみんなありがと
あ、あたし頑張るから