Uneasiness③-6


~加代の部屋~

「加代さん…すみません」
「フフッ、何か温かい物と、お食事を持ってきますね」

司様が日本に来てから、ここ数日、類様が不機嫌だった理由は、何となく想像はついていたけれど
今日の牧野様のお顔…

「類様、少し宜しいでしょうか」

食事を用意させている間、牧野様に何があったのか聞かせて頂く

「加代さん、牧野の事、お願い」
「はい、ご心配なさらずに」


飲み物を一口飲むと、少しホッとしたお顔になった
「牧野様、少しお召し上がりにならないと…おにぎり、お味噌汁、お新香、こういう時はフフッ、庶民の食べ物ですよね!」
「クスッ、ありがとうございます!加代さん、あの…あたしの事はつくしで結構ですので…」
「はい、それではお言葉に甘えてつくしさんとお呼び致しますね」

フフッ
いつもホントに美味しそうに
大分笑顔になられて良かった

「加代さん…」
「はい」
「あたしはやっぱり花沢類に甘えてはいけなかったんじゃないのかなって・・・」
「司様の事ですか?」
「今日、道明寺に会って…記憶がないからって、勝手にあたしが終りにして、花沢類と付き合うのはいけない事なんじゃないかな」
「つくしさん、もし司様が記憶を取り戻したとしたら・・・司様を記憶が戻ったからといってもう一度好きになりますか?」
「加代さん…」
「人の心に蓋は出来ないんですよ。自分に正直にいれば、それでいいと思いますよ」
「正直に…」
「クスッ、つくしさんは類様の事、お好きですよね」
「か、加代さん///」
「では、自分に正直に類様のお傍にいればいいと思います」
「加代さん…ありがとう」


~英徳カフェ~

「また司のゴシップ出てるぞ」
「まったくあいつは何考えてんだか」

ホント司らしくない

「ナニナニ、今度はどんな美女と噂されてるの?」

大河原、楽しそうだね
あんた今でも司の事、好きなんじゃないの?

「道明寺さん、かなり荒れてますよね」

牧野、そんなに心配?

あの日の後からいつもと変らない牧野だけど
そんな顔してると…

「しかしあの司がな、女を取っかえ引っかえなんてな。総二郎じゃあるまいし」
「な、あきらに言われたくないね」
「俺は人妻だからコロコロしてね~の!」
「でも司もやっと女の魅力ってヤツが解かってくれて…」
「「お兄さん達は嬉しい!」」

まったく
お祭りコンビは…
でもお陰で牧野、笑ってるし、まぁ~いいか

「じゃ~俺行く」
「類君もう行っちゃうの?」
「牧野、送って」
「うん!」

出来るなら牧野、そうやってずっと笑顔でいて…