~Riku~
僕と月が幼稚舎に通うようになってから、なかなかフランスに行けなくなって、やっぱりと言うか、とうとうお祖父様達が日本に来る
今日はお祖父様達のお迎えに、空港まで行くんだけど…
パパは朝から不機嫌なんだよね…
迎えに行かないとか言ってるし、何となく理由は解かってるんだけど…
でもね、パパ、いつまでも不機嫌でいると、いつものアレ出ちゃうよ
「月!新しいお洋服出来たから今日はこれ着てくでしょ?」
「うん!」
「じゃ~陸もいいよね!」
「あい」
「ねぇ~ママ、パパったらずっとムスってしてるし、お迎え行かないって」
「ハハハ・・・そうなのよね、月、いつものお願い!」
「うん、解かった!任せておいて」
やっぱり…
良かった、今回はパパがターゲットで
クククッ、人がやられているのを見るのは楽しいからね
「ねぇ~パパ!このお洋服見て!」
「ママの新作?月はなにを着てもよく似合うし、可愛いね」
さっきまで超不機嫌だったのに、天使の微笑みで月を見て…
「今日、お祖父様達が来るでしょ!だからママが作ってくれたの」
クククッ
その言葉でパパの顔がまた変化!
「るな、お祖父様達に会えるのすっごく楽しみ!」
「ふ~ん…」
MAX超不機嫌顔
「パパは嬉しくないの?」
でたぁ~!
月のウルウル上目遣い攻撃
ボッ///
クククッ
パパ、顔真っ赤!
クスクス
ママも笑いながら写メ撮ってるし
真っ赤になりながら、目が月から離せないパパは、僕らが笑っていても気がつかない…ククッ
「う、嬉しいよ///」
「じゃ~るなとお迎え行ってくれるよね?」
今度はキラキラ上目遣い攻撃
「う、うん、もちろん///」
「ありがと、パパ!」
最後はホッペにチュッ!
クククッ
パパ、撃沈だね
月が一番最強かもしれない
ママの上目遣い攻撃は僕もパパも弱いけど、僕達にはママ曰く、ビー玉の目があるから太刀打ち出来るんだよね
でも月にはビー玉の目は通用しない
父親、兄に見られたからって、なんとも思わないから
もちろんお祖父様は、月にすぐ撃沈しちゃうし、お祖母様はママが大好きだから、ママにそっくりな月にももちろん甘い
総太、つばさも、あんなに女の子慣れしてるのに、月に上目遣い攻撃をされると真っ赤になる
翔は問題外
固まっちゃうからね
そうそう
司おじさんも撃沈しちゃうんだから、月はやっぱり最強かもしんない
僕もあの上目遣いだけはダメなんだけど///
あれから
パパはすこぶるご機嫌で、お迎えに行く車の中でも天使の微笑みを振りまいている
ママはホッとしたのか、でもいつもの事か…
車に乗るとパパに寄りかかりすぐ眠ってしまった
パパはそんなママの頭をパパの膝に降ろし、優しく頭を撫でている
子供がいても超ラブラブ
月はそんな両親を見て
「るなも結婚したらパパとママみたいになる!絶対パパみたいな人と結婚する」
って宣言してる
そうなると、翔はまずムリだよね
なんせ俺様だから、クククッ
総太とつばさなら優しいから大丈夫かな
でもちょっと女の子に…
うちのパパは、ママと月以外興味ないからね
そうやって考えると、月は理想が高いかも
だって容姿もでしょ
パパはパーフェクトじゃん
きっと現れないよ、そんな人
結婚しなきゃ、パパはそれで嬉しいのかもしれないけど…
「つくし、着いたよ」
チュッ!
「エッ?なななな///」
ホント、子供がいるっていうのに…
月なんか、真っ赤になってるよ
いつもより多いSPに囲まれながら、お祖父様達の到着を待つ
もちろんその間もラブラブ続行中
多分、ママもパパが不機嫌にならないように気を使ってるんだと思う
いつもよりラブラブだから…
お祖父様が出てきて、月が駆け出した
パパ、ちょっとムッとしてるけど…
ゴメン、ママ
僕もお祖母様に駆け寄る
その様子をマスコミのカメラがパチパチ撮っていた
どこに行ってもついて来るから、慣れてるけどね
パパもママも挨拶をして、みんなで昼食を取るホテルへ向かった