同窓会①


「ねぇ~優紀、同窓会に行くって言って、西門さん大丈夫だった?」
「ううん、実は言ってないの…」

やっぱり…
西門さん、優紀と付き合うようになってから、昔からは想像出来ないくらい真面目になって、優紀に溺愛だもんね
同窓会なんて絶対行かせない気がする

「実はさ、あたしも言ってないんだよね」
「言ったら花沢さん、ついてきそうだもんね、クスクス」

優紀
笑い事じゃないつ~の!

花沢類は何故かよく解らないけど、いつも心配だからって、大学では、授業以外は殆ど一緒いてくれて、バイト先にも迎えに来てくれる

まぁ~あたしも花沢類と一緒にいられて嬉しいんだけど///
でも今日は誤魔化すのにすっごく苦労したんだよね…

「優紀だって西門さんに言ったら行かせてくれなそうじゃない?」
「うん、私もそんな気がする…でもね、やっぱりみんなと会いたいから」
「そうだよね、久しぶりに美紀ちゃんとか冴子とかに会いたいよね!」

あの英徳高校に入ってからバイトで忙しくて、みんなと全然会ってなかったし、ホント今日は楽しみだったんだよね

「ねぇ~つくし、今日の事はお互いに内緒にしない?」
「もちろん!久しぶりに楽しもうね」

「なぁ~類、あれ牧野と優紀ちゃんじゃね?」

あっ、ホントだ
今日はバイトのはず…

「総二郎、何か聞いてる?」
「いや、昨日会ったけど優紀ちゃん何にも言ってなかったぜ」

ふ~ん
そういえば今日の牧野、やたらとそわそわして目が泳いでたっけ

ピッ、ピッ!

『進』
『類さん、どうしたんですか?もしかしてまた姉ちゃん何かやったとか…』
『ん…なんかお洒落して今居酒屋に入って行ったんだけど』
『あ~今日、中学の時の同窓会って言ってましたよ』
『解った。ありがと、進』

ふ~ん、そういう事…

「同窓会だって」
「二人共、俺らに黙って行こうなんて、もちろん類、お仕置きだよな」
「当たり前でしょ」

まったく牧野は…
牧野が大学に入ってから、サナギから蝶に生まれ変わるようにキレイになった
俺と付き合っているのにも関わらず、次から次へと男が言い寄って来る
そんな状態でも、まったく自分がモテると思ってない牧野…
ホント少しは自覚してくれないと、同窓会なんか行ったら、どうなるか…