贅沢な悩み②


ギギギィ、バタン


あれ?!

道明寺…


「おう、牧野。久しぶりだな」


非常階段にいるなんて珍しい

ん?

花沢類は…いないんだ


「そうだっけ?」

「お、お前、まさか俺様が一週間も学校に来なかったのに気がつかなかったなんて事はねぇ~よな」


あれ?

そんな一週間もいなかったんだ

全然気がつかなかったよ


「どこか行ってたの?それともただ単に学校に行きたくないからサボってたとか」

「お前な、一週間も来なかったら普通、心配するんじゃねぇ~のか」


だってどう見たって元気そうじゃん


「ハハハッ、まさか道明寺が具合悪いなんて事ないでしょ」

「ふん、そのまさかだったらどうすんだ」


エッ!?

本当に具合が悪かった…な~んて事はないよね


「本当に病気だったら見舞いに来いだの言ってくるでしょ」

「チッ、まったく。少しは会えなくて寂しかったくらい言えねぇ~のかよ」


はぁ?

寂しいはずないでしょ

道明寺がいない方が、平穏な日々を過ごせるっていうのに


「そういえばここ数日、静かだなって思ってた」

「フフン!やっぱり俺様がいないと…」

「これこそあたしが求めてた学生生活なのよ!あんたが学校にいるとホント騒がしいくって」


いつもなんだかんだ問題をおこすからね

まぁ~あの俺様の性格を直さない限り、おとなしくなんて出来ないだろうけど


「仕方ねぇ~だろ。俺様は人気者だからな。俺様がちょっと動いただけでキャ~キャ~言いやがる」


まったく、よくそこまで自意識過剰になれるよ


「それじゃ、花沢類もいないし、授業が始まるからあたし行くね。道明寺もたまにはちゃんと授業受けなさいよ」

「なっ、おい!待て、牧野…」


道明寺ったら一体何で非常階段にいたんだろ


それに結局、一週間、何やってたか聞かなかったな

まぁ~あたしには道明寺がなにしてようか関係ないから別にいいけどね