心の扉⑩-6


確か支社長の挨拶の時にはいたはずなんだけど・・・


「美作さん、あの婚約者の人はどうしたんでしょね」

「そう言えば類が会場に入ってきた時からずっといないよな」


もうパーティーも終盤なのに婚約発表もまだない

もしかしたら・・・


「花沢さん、婚約破棄でもするんですかね」

「はぁ?なに突然そんな事言い出すんだ」

「牧野先輩が道明寺さんと別れて日本へ、花沢さんの傍にいるんですよ」

「牧野はやっぱり類がって事か。まったくNYへ行く前に気づけっつ~の」


本当、NYへ行く前に先輩が行動を起こしていてくれれば、こんな面倒な事にならなかったのに

まぁ~そういうとこが先輩らしいんですけどね


「おっ、類!最後の最後で俺らに挨拶か」

「今更挨拶もないでしょ。三条、色々と牧野の事、ありがと」

「慣れてますから。それにお二人がが上手くいったら倍返ししてもらいますから別にいいですよ」

「ククッ、上手くいったらね」


やっぱり先輩とって事ですか

それじゃ、これからもっと手がかかりますね

何十倍にして返して頂きますから


「おい、類。これからどうすんだよ」

「司は?」

「大河原と一緒に・・・ほら、あそこの人だかりの中心にいるぜ」

「司、いつまで日本にいるか知ってる?」

「日本支社で仕事するみたいだから一週間位はいるみたいだぜ」


道明寺さん、きっと先輩が心配で調整したんでしょうね


「色々とゆっくり話したいから、司が日本にいる間でみんな集めてくれない?もちろん牧野もね」

「おう、分かった」

「ありがと、あきら。じゃ~行かないと」


まずはグズグズしている先輩を何とかしないと

あの川島っていう人が入り込めないように