未来へ 始まり


2月
道明寺東京支社 社長室
一つのテーブルを挟み
左から

美作商事社長 
花沢物産社長 
道明寺財閥社長
西門流家元

それを対峙するように、それぞれのジュニアが座る
まず口を開いたのは『鉄の女』道明寺楓

「5分差し上げます。手元にある資料に目を通して下さい」

~5分後~

「では始めます。あなた方はまだ大学生で両立するのは大変かとは思いますが、私達、親からの条件がその資料の内容です。どうするかはあなた方次第。司さん、どうしますか?」
「やらせて頂きます」
「総二郎はどうする?」
「はい、私もやります」
「あきらは?」
「はい、私も」
「類、やるか?」
「もちろんです」

『4年後を楽しみにしているよ』とそれぞれの親は部屋を後にした

時を同じくして…

~道明寺邸~
滋はタマに呼び出される

「滋様、あなた様は教養・礼儀作法等すべて完璧ではございますが、女らしさに欠けております。これからこのタマがビシビシ鍛えますので、覚悟して下さい」

~美作邸~

「桜子さ~ん♪」
「はい、なんでしょう」
「一緒にケーキを作りましょ♪」
「でも今クッキーを焼いたばかりですが…」
「フフフ♪だって桜子さん、そのエプロンとっても似合ってるから直ぐ脱がせたくなくて!フフッ♪」

…エッ?
このフリフリのエプロン…

~西門家~

「奥様、松岡様がお見えになりました」
「お通しして」
「松岡です」
「どうぞお入りになって」
「失礼致します」
「優紀さん、わざわざお呼びして申し訳なかったわね」
「いいえ」
「そんなに緊張なさらずにね」
「はい…」
「実はあなたに大学に入学してからで構いませんので、西門家に住み込んで頂きたいの」
「え?あのどうしてでしょう?」
「私があなたに西門家のすべてを教えます」

~花沢邸~
あたしは花沢類と付き合ってから、殆ど毎日のように花沢邸に来ている
何故か、花沢類のお父様もお母様もあたしの事を気に入って下さって

「牧野、俺といるより母さんといる方が多いんじゃない?」

って拗ねられる程、お母様とは特に一緒にいる

「つくさん、主人から頼まれている事があるんだけど…」
「あ、はい!なんでしょう?」
「つくしさんは高校を卒業したらどうなさるの?」
「はい、あたしの家はお金に余裕がないので、就職をするつもりで、内定も貰っています」
「そう…それお断りしてもらえないかしら?」
「え?」
「主人がもう英徳大学につくしさんの学費、全額払ってしまったの」
「えぇ!!!」
「もったいないじゃない?だから英徳大学に行って頂けないかしら?」
「でも…そこまでして頂く訳には…」
「そう言うと思って主人から条件が出てるのよ」
「あ、あのどんな…」
「え~とまずは、手続きは終了しているけど、経済学部で経営の勉強をする事」
「はい」
「次は大学に入ったら花沢物産でアルバイトをする事」
「はぁ」
「それと最後に花沢家に住む事」
「えぇ~?」
「ちなみにご両親にはお話してあるから大丈夫よ!」

その日の夜…
~三条家~
いつものようにT4が集まり、それぞれ今日あった事を話していた
滋さんは今日何個目なんだろう?
ケーキをパクパク食べながら

「タマさんったらいきなり腰をチャキ~ンんとしちゃってさぁ~あの杖でビシバシ叩いてくんのよ~」

アハハハ!
タマ先輩って相変わらずなのね!

「滋さん、毎回行く度にフリフリを着せられるよりいいんじゃないですか!」

メルヘンだもんな~
美作さんのお母さん♪

「でも優紀さんが一番大変ですよね、家元夫人見習いなんですから」

あ~茶道か…
TOJの時に習ったけど、西門さん厳しかったもんね

「牧野先輩!何一人でブツブツ言ってるですか?」

エッ?

「いいよなぁ~つくしは!親公認の同棲生活だもんね!!」

ど、同棲って///

「道明寺さんの時はつくし大変だったけど、花沢さんのご両親はつくしに優しいから」

うん!ホントそう!

「花沢さんが牧野先輩にぞっこんっていうのが何より一番ですよね!」

な、なにを言う、桜子///

ピピピピッ!
ピピピピッ!

「ほら!噂をすれば、愛しのダーリンじゃないですか?」

さ、桜子!!

ピッ!

「は、花沢類?」
「何どもってるの?」
「べ、別に何でもないよ」
「ふ~ん、今から迎え行く」
「あ、ありがと」

「いいなぁ~つくし!滋ちゃんも司に迎えに来て貰お♪優紀ちゃんもニッシーに送って貰いなね!電話しとくから」

三条邸の車寄せに、リモを先頭にベンツが二台…
その光景を見て、あたしと優紀がため息をついた
そして二人して

「「庶民には慣れない光景」」

ってもう一度ため息をつく

道明寺が車から降りると、滋さんったら

「つかさぁ~会いたかった!!」

って抱きついてホントに可愛い!
道明寺も

「うるせ~!」

なんて言ってたけど、真っ赤な顔しちゃってさ!
フフッ!
いい感じなんじゃない!?

西門さんと優紀はしっとりとして、純和風って感じ!?
西門さん、優紀と付き合ってからホント真面目になったよねぇ~
昔の面影まったくないし!

「牧野、何してるの?早く帰ろ」

アワワ!
みんなの事見てたら帰るの忘れてたよ

「は~い!」

~車中~
花沢類に今日の事を話した
花沢類も知らなかったらしい…

「牧野と大学行けて、会社でも一緒…同棲付き、すっごく嬉しい」

って天使の微笑みされちゃって、もう顔が///

「で、でもね…」
「もしかして断るつもり?」
「ううん、そうじゃなくて…」
「じゃ~決まりね!」

はぁ~

「今日はもう遅いし、泊まっていきな」
「う、うん」
「明日、日曜日だし引っ越ししちゃお」
「えぇ???」
「だって家賃勿体ないでしょ?」

もう
ホントいつも花沢類のペースに巻き込まれちゃって…

そして
アッという間に下宿(同棲じゃない!)生活が始まった
あたしの部屋を決める時、花沢類ったら

「もちろん俺と一緒でしょ」

なんてご両親の前で平然と言っちゃって///
お父様も笑いながら

「私は別に構わないが、嫁入り前のお嬢さんだからね!」

ってあたしにウインクしてるし///
それを見た花沢類は、超不機嫌モード全開で…
お母様に

『なんとかして下さいオーラ』

かもし出すと

「類のお隣のお部屋でどうかしら」

とナイスフォローをしてくれて、なんとか無事引っ越しが終了した

優紀も一日でも早く色々覚えたいからって、直ぐに西門家に入ったみたい
またそれを聞いた滋さんも

「滋ちゃんも同棲する!」
って道明寺邸に…

桜子も

「私だけ仲間外れは嫌ですから」

と美作邸に…
そんなこんなで、それぞれの生活が予定より早く始まった